ここ数年、「睡眠負債」というワードをよく耳にする。睡眠負債とは、言葉の通り、睡眠の借金のことだ。「睡眠の借金」と言われてもピンとこないだろうが、睡眠時間がしっかりと取れていないことが積み重なって、身体にあらゆる不調を引き起こす状態のことを意味する。今回は、そんな睡眠負債を改善し、質の高い睡眠を得るためのアイテムを紹介する。(特選街編集部・藤田賢)
睡眠負債とは
日本人の睡眠時間は、世界で最も短く、睡眠時間が6時間未満の人が、全人口の4割を占めるという報告がある。睡眠負債を抱えることで、身体の疾患や精神的な疾患へのリスクが高まり、日常生活の支障につながる恐れがあるとされている。また、睡眠には、「質の高い睡眠」という考え方があり、「睡眠時間を増やす」事よりも重要視されている。睡眠時間を増やすことができなくても、質の高い睡眠を得ることは、ある程度出来るようだ。今回は、そんな質の高い睡眠を得るためのアイテムを紹介する。
今回試すのは、テンシャルから発売された「BAKUNE」というスリープウェアで、本製品を着て寝るだけで、快適な睡眠が得られる上、疲労まで回復できてしまうというアイテムだ。
機能繊維「SELFLAME」
まずは、製品の説明から。この製品、2021年2月に発売され、一般医療機器としての承認も取得した医療機器になる。
商品の特徴は、機能繊維「SELFLAME」によって、自らの体温の輻射で遠赤外線作用を増幅するというもので、その機能は、蓄熱効果、保温効果、快適性の3つの機能が備わっている。また、一般医療機器としての承認も取得しているので、「血流改善」「身体の疲労感の解消」「ストレスの改善」が見込める、としている。
さて、ここで登場する機能繊維「SELFLAME」についてだが、これは、中綿の繊維原料にセラミック粉末を練り込んだ特殊紡績の事で、体から放射された遠赤外線を吸収し、熱に変換するという特徴をもつ。これに、外からの熱エネルギーも吸収し、身体に輻射することで、心地よい暖かさを与えてくれるというのだ。真冬の時期に試せれば、より、その熱エネルギーの輻射の恩恵を受ける事が出来たのかもしれないが、春を迎えたとはいえ、まだ、日によっては朝晩に寒さを感じる日もあるから、十分に試すことができそうだ。
実際に試してみた
早速「BAKUNE」を試した感想だが、まずは、その着心地から。手触りは、一般的なスウェットとあまり変わりはないが、手・脚をウェアに通すと、程良い肌触りで、気持ちよく着ることが出来る。その着心地はなかなか快適だ。
部屋着としては、ちょっと薄手かな?と思えたが、まだまだ朝晩に冷え込むこの時期でも寒さを感じることなく十分使えた。おそらく、真冬でも、そんなに寒さを感じないかもしれない。入浴後に着用すれば、さらにその効果は大きく、遠赤外線保温効果により、程良い暖かさが続くので湯冷めを最小限に抑えられそうだ。
睡眠中は、暑がりな私には、少し汗ばむほどだったが、起床時は、汗による不快なベトツキを感じる事もなく、また特に気になるところもなかった。それよりも、これまでのスリープウェア(寝間着)より、起床時がスッキリしている様な印象を受けたのが少々驚いた。明らかに変わったと言うには、まだ試している期間が浅いので何とも言えないが、とにかく、苦痛だった寝起きが、そこまで苦痛に感じなかったのは、SELFLAME効果の可能性が大きい。
まとめ
起床時の苦痛が軽減されているという事は、恐らく何らかの理由でノンレム睡眠の時間がそれまでより増えたためだと思えた。睡眠時間は、以前と変わらず6時間未満だから、なおのこと睡眠中の質が向上したためかもしれない。実際にレム睡眠、ノンレム睡眠、それぞれの時間をデータとして取得しているわけではないので、感覚的でしかないのだが、スリープウェアを変えるだけで、睡眠の質が良い方向に変化するのであれば、「BAKUNE」を使用し続ける意味は大いにあるだろう。
ちょっと気になるのは、これからの季節に、長袖のトップスでは少々暑苦しい事。早い時期に半袖のトップスが出る事を期待したい。最後に、製品のサイズだが、S~XLまでの4サイズ、トップスと、ボトムスそれぞれの販売ならびに、セットでの販売になる。色は、ネイビーとベージュの2色。価格は、トップス、ボトムズそれぞれ6600円、上下セットで1万3200円(いずれも税込)。
文/藤田賢(特選街編集部)