【日本酒の保存方法】正しく保存管理できてる?味や風味をしっかりキープして宅飲みQOLを上げよう!

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日本酒は非常にデリケートなお酒のため、保存管理には注意が必要だ。「とりあえず冷暗所に置いておけばOKでしょ」という認識の方は多いが、実際にはもう少し注意すべきポイントがある。今回は、日本酒をいつでも美味しく楽しむために必要な「正しい保存方法」を紹介したい。日本酒を正しく保存して、コロナ禍のおうち飲みをもっと充実させたものにしてほしい。

意外と知らない、日本酒の正しい保存方法

新型コロナ感染症の影響で外食や外飲みの機会が激減し、酒好きな方々の中には「宅飲み派」に切り替えられた方も多いことだろう。ご多分に漏れず私もその内の一人だが、利酒師とはいえ一度にたくさんの量は飲めないので、四合瓶や一升瓶は開栓後すぐには飲みきれないことがほとんど。それに、「一気に飲み干すよりもじっくり味わいたい!」という人もいるだろう。

しかし、日本酒は非常にデリケートなお酒なため、保存管理には注意が必要だ。「とりあえず冷暗所に置いておけばOKでしょ」という認識の方は多いが、実際にはもうちょっと気をつけなくてはいけないことがあるのだ。今回は、日本酒をいつでも美味しく楽しむために必要な「正しい保存方法」を紹介したい。

これだけはダメ!日本酒の保存管理「3大NG」

日本酒の保存管理における3大NG、それは「紫外線」「温度」「酸化」だ。これらは日本酒の風味や外観を著しく損なう原因となる。それぞれのNG要素がどのような影響を与えるのか解説しよう。

1.紫外線

紫外線は日本酒の中の成分を変異させ、変色や、日光臭という劣化臭(ガス臭い、焦げっぽい、酸っぱい匂い)の原因となる。日光臭は短時間でも発生してしまうので、日光と殺菌灯の照射はNGだ。また、紫外線は蛍光灯にも含まれているので、冷蔵庫に入れる場合は新聞紙などに包むなどして庫内灯が当たらないようにしよう。(購入時に付いてきた化粧箱ごと冷蔵してもOK)

また、紫外線はボトルの色によっても透過度が異なり、一般的には

透過率高|クリア、フロスト>青色>緑色>茶色>黒色>紙パック|透過率低

の順で透過しやすいと言われている。これから登場する夏酒は、クリアボトル・フロストボトル・青色ボトルが多いので注意が必要だ。LEDや白熱球は紫外線リスクが低いので、ディスプレイの際にはこちらを光源として使用すると良い。

利酒師のひとりごと:日本酒を酒屋で買うときや、飲食店で注文するときも光源にご注目。コンディションのよい日本酒を手に入れられるかを見分けるポイントに…

2.温度

日本酒の味わいは温度によって大きく変化ので、保存時の温度管理は非常に重要だ。熱燗・ぬる燗など燗酒の温度にこだわる以上に、保存時の温度には注意を払ってほしい。日本酒の保存には、ざっくりと5~10℃が適切とされているが、厳密には日本酒の種類や性質によって推奨温度帯は異なる。

5~6℃ 生酒、生貯蔵、生詰
5~10℃前後 吟醸酒、発泡タイプ
常温でも可 純米酒、本醸造、普通酒

火入れをしていない生酒、火入れ一回の生貯蔵や生詰タイプは、日本酒の中の微生物が生きており非常にデリケートなため、何が何でも要冷蔵(低温)。

吟醸酒は温度が高いと風味や味わいが変異してしまう(熟成が進んでしまう)ため、低~冷温での保存推奨。また、発泡タイプは温度が高いと開栓時に溢れて大変なことになってしまうので、低~冷温推奨。

純米酒、本醸造、普通種は常温でも可と記したが、居住空間の環境にも左右されるため、15℃前後の温度変化が少ない場所での保存が望ましい。

利酒師のひとりごと:適切な温度よりも高温で保存された日本酒は、「老香(ひねか)」という劣化臭があることも。熟成香とは異なる、不快な刺激臭だ。

3.酸化

開栓後に飲みきれず一旦保存し、しばらく経ってまた飲んだときに「なんだか前と風味が違う…」と感じたことはないだろうか。開栓すると日本酒と空気中の酸素が触れあい、瓶の中で酸化が起きるのだ。デカンタージュと同じ原理で短時間で風味を引き出す方法として有効な場合もあるが、酸化した状態のまま保存され続けると変色や酸味が発生し、劣化を引き起こしてしまう。

酸化対策には、酸化防止用の栓を別途購入して使用するのが一番だろう。洗浄すれば繰り返し使用でき、ワインにも使えるものもあるので、コスパの良いアイテムだ。

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※ボトルの形状や経口によって使用できないものもあるので、購入時は要確認

利酒師のひとりごと:一升瓶で飲みきれなかった日本酒は、空になった四合瓶など、清潔に洗浄された別の瓶に移し替えて保存するのも手の一つ。少しでも空気に触れる面積が少ないほうが劣化は少ない!

まとめ

日本酒は、紫外線が当たらず、低~冷温で温度が比較的一定な場所で保存しよう。開栓後は酸化防止栓を使用し、なるべく早めに飲み切ろう。

pixabay.com

紫外線対策、温度管理、酸化防止を心がけることで、大概の品質劣化は避けることができる。それどころか、未開栓のものを正しく保存管理すれば、自家熟成させることだって可能だ。本当に、ちょっと手の掛かるヤツだが、美味しすぎて憎めない……家でもお店と同じ――いや、お店以上の品質を保てば、宅飲みのQOLも急上昇することだろう。これからも日本酒で楽しい宅飲みライフを!

文◆戸嶋ルミ(フリーライター)
スポーツ専門ウェブサイトの編集を経てフリーランスのライター、カメラマンに。メインの執筆ジャンルはスポーツ。SSI認定利酒師として日本酒イベントや飲食店での勤務歴もあり。野球とバスケ観戦が生きがい。

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