【ドローンとは】初心者向けQ&A|選び方・飛行に関するルール・ライセンス取得・損害保険の加入

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従来のデジカメやビデオカメラにはない、ダイナミックな映像撮影が楽しめるドローン。その存在は知っているけれど、イマイチ実体がよくわからない、という人も多いはず。ドローンの選び方や楽しみ方のポイントを、Q&A形式でわかりやすく解説していきます。

別記事:【最新ドローンのおすすめ8選】空撮におすすめのモデルはどれ→

Q. そもそもドローンとは?どんな用途で使用されるの?

A.
「空の産業革命」ともいわれるドローンだが、映像や写真の面でもその影響は大きくなっている。これまで撮ることのできなかった高さからの撮影が手軽に、そして簡単にできるようになったからだ。

風景撮影などを楽しむ映像愛好家や写真愛好家にとって、今や表現の可能性を広げるために欠かすことのできないツールとなっている。

ドローンとは、一般に「無人航空機」のことを指す。

その歴史は古く、1935年、イギリスで軍事演習用として開発された複葉機が最初。続いて1940年、アメリカで同様の目的の無人標的機が登場し、その名称を「ターゲット・ドローン」と付けたことから、以降、無人航空機をドローンと呼ぶようになった。ちなみにドローンは、英語で雄蜂を指す言葉だ。

現在のようなプロペラをいくつも持つスタイルの無人航空機が一般向けとして市販され、同時に認知されるようになったのは、2010年、フランス・パロット社の「AR・Drone」以降といわれている。

その後、GPSや障害物センサー、高画質の映像/写真用カメラなどが次々と採用され、いわゆるラジコン飛行機とは一線を画す、非常に多機能で多用途なツールとなっている。

トイドローンと民生用ドローン

トイドローンは機体重量200グラム未満で航空法の適用を受けない。民生用ドローンは機体重量200グラム以上で、主に撮影を楽しむためのドローンだ。

運搬や農業などの業務用ドローンもある

運搬用ドローンは業務用ドローンの中でも運搬用に特化。ペイロード(運搬能力)に優れている。

農業用ドローンは主に農薬散布に用いられ、農作業の高効率化と省労力化に貢献している。現在、多くのメーカーがこの分野に参入している。

Q. 民生用ドローンは何に注目して選べばいい?

A.
民生用ドローンはいくつかのメーカーが出しているが、カメラ機能やジンバル(カメラの揺れやブレを抑える部品)の性能、飛行の安全性、安定性、サービス(メンテナンス)などを総合的に考えると、現在は、ほぼDJIの一択といっていい状況だ。

中でもMavicシリーズは、折り畳んで持ち運べるコンパクトなタイプで、選択肢も多いので、初心者はまずはここから検討してみるといい。

映像・写真の撮影を前提で選ぶなら、チェックしたいのがカメラの性能と機体の大きさ。

カメラの性能はイメージセンサーのサイズ、レンズの焦点距離(画角)、記録できる画質などを確認したい。センサーサイズは大きいほうが画質的には有利。Mavicシリーズの場合、1型、1/2型、1/2.3型などから選べる。

画角は、撮影意図にもよるが、広いほうがダイナミックな写りを得やすい。35ミリ判換算で28ミリ相当、24ミリ相当、22ミリ相当のほか、「Mavic 2 Zoom」のように24〜48ミリ相当の光学2倍ズームを搭載する機種もある。

記録画質については、写真はRAWで撮影できること。動画は今や4Kでの撮影は当然といえるが、現行のMavicシリーズはすべて対応している。

カメラを懸架するジンバルも、より補正効果の高い3軸がベストだが、こちらも現行のMavicシリーズはすべて採用している。

機体は大きいほうが飛行中に安定しやすいが、持ち運びは小さいほうが有利。安定性を求めるなら「Mavic 2」シリーズ、可搬性なら「Mavic Air」や「Mavic Mini」シリーズだ。

なお、DJIでは予備のバッテリーやプロペラ、アクセサリーなどをセットにしたお得な「Fly Moreコンボ」が、どのMavicシリーズにも用意されているので、購入の際はそちらも検討するといい。

カメラはジンバルで機体に懸架される

DJIの現行ドローンはブレや傾きを自動的に補正する3軸ジンバルを介してカメラを機体に懸架する。

飛行の安定性を取るか、携帯性を取るか

Mavic 2 Pro(左)とDJI Air S2。機体、プロペラとも大きいほうが飛行は安定しやすいが、可搬性では小型のものが優位。

機体の各所に障害物センサーを装備

障害物センサーは安全飛行の要だ。写真はDJI Air S2だが、実に多くの障害物センサーを備えていることがわかる。

必要品をセットにしたコンボがお得

Mavicシリーズでは機体と送信機のほか予備のバッテリーやプロペラ、充電用ハブ、バッグなどをセットにしたFly Moreコンボを用意している。金額的にもお得だ。

Q. ドローンの飛行に関する規則や決まりごとがあったら教えて

A.
ドローンはどこでも自由に飛ばせるわけではない。

まず、航空法により飛行できない場所が厳密に決められている。高度150メートル以上の空域、空港・ヘリポート周辺の空域、人口集中地区(DIDと呼ばれる)の上空などは飛行が禁止されている。

また、日の入りから日の出までの夜間飛行、目視外飛行(ゴーグルによる飛行も含まれる)、人や構造物などから30メートル以内の飛行、イベント会場上空の飛行、危険物輸送飛行、物の投下などについても禁止されている。

さらに、小型無人機等飛行禁止法により、国会議事堂など国の重要な施設、外国公館、原子力発電所などの上空およびその周囲についてもドローンの飛行は禁止されている。仮にその空域で飛行を行った場合、厳しい罰則がある

空港周辺やDIDなどの情報については、DJIの「フライトマップ」などで確認できるのでフライト前に必ずチェック。また、飛行させる空域が緊急用務空域に該当するか否かの確認もしておきたい(下記コラム参照)。

なお、航空局への許可申請を行い許可が下りれば、航空法で原則飛行が禁止されているエリアなどでも飛行は可能だ(高度150メートル以上、空港周辺、DID、夜間、目視外、構造物などから30メートル以内、イベント上空など)。

ただし、10時間以上の飛行経験(訓練)や航空法の理解、ドローンの知識などを必要とする(高度150メートル以上の空域と空港周辺の飛行については空港長の許可も必要)。

さらに、第三者の所有する上空で飛ばす場合、土地の所有者の許諾を得る必要がある。また、公園や文化財周辺は自治体によって飛行が禁止されている場合もあるので、こちらも事前に確認しよう。

無人航空機の飛行ルール(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000041.html

国土交通省のホームページではドローンの飛行に関するルールなどが詳しく記されている。ドローンを楽しむなら必ず目を通しておきたい。

DJIの「フライトマップ」でDIDなどを確認

飛行させる場所がDIDなのかどうかをまず確認しよう。基本的には街の中はDIDだと考えていい。

飛行前に国土交通省のサイトで「緊急用務空域」の情報を確認しよう

2021年6月1日に航空法施行規則が改正施行され、災害発生場所等においてドローンの飛行を禁止する「緊急用務空域」が新たに制定された。

これはヘリコプターをはじめ有人航空機による救助活動が行われている場所などを一時的に指定するもので、その空域におけるドローンの飛行を禁止するものである。

パイロットにはドローンを飛行させる際、その場所が緊急用務空域に該当するか否かの事前確認義務が課され、違反すると小型無人機等飛行禁止法と同様に厳しい罰則がある。

◆国交省サイト
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html

Q. ドローンの民間ライセンスや資格取得について知りたい

A.
現在、ドローンにはクルマのように国が発行する免許はない。

専門誌やウェブなど見ると、ドローンの飛行ライセンス取得に関する広告を見かけるが、それらは民間ライセンスや民間資格と呼ばれるもので、各民間団体が独自に発行しているものだ。

では、これら民間のライセンスはまったく無意味かというと、そうではない。

国土交通省が認めた民間団体のライセンスを所持していれば、前項で解説したような航空局への飛行許可申請が必要な場合に求められる「10時間以上の飛行経験」が免除されるなど、飛行に関する手続きがスムーズに運ぶことが多くなる。

なお、2022年より、国が試験(学科および実技)を実施し、ドローンパイロットとしての技能証明を行う「操縦ライセンス」制度がスタートすることになっている。

制度の詳細はまだ決まっていないが、例えば、航空局への許可申請が必要な場所や空域での飛行を行う際に、その手続きが省略される場合があるなど、本格的なドローンパイロットにはメリットのあるシステムになる見込みである。

国交省が認めた団体のライセンスを取得しよう

筆者が所持する一般社団法人日本UAS産業振興協議会のライセンス。左はドローンの操縦ライセンス、右は安全運航管理者のライセンス。

Q. ドローン用の損害保険に加入しておいたほうがいい?

空を飛ぶドローンは、常に墜落のリスクを伴う。産業用ドローンに比べ、軽量コンパクトな民生用ドローンでも、そこから受けるダメージは人に対しても、物に対しても決して小さくはない。

そのため、損害保険の加入は必須と考えるべきだ。

例えば、DJIのドローンには、新品で購入した場合、登録手続きから1年有効の賠償責任保険が無料で付帯する。

内訳は、対人賠償1事故につき最大1億円、対物賠償1事故につき最大5000万円など。この損害保険の引き受け会社は大手保険会社の三井住友海上火災保険なのも心強い(窓口はエアロエントリー株式会社)。

DJIのドローンを購入した場合は、まず、必ず保険の手続きをしよう。また、2年目以降については継続が可能で、Mavicシリーズの場合、ほぼ同じ内容であれば8400円/年(プランA)で加入できる。修理費用や捜索・回収費用など補償する機体にかける保険は別途になる。

なお、DJI以外のドローンの場合は、直接、保険会社や保険代理店にドローン保険に対応しているかどうかを確認してみよう。

三井住友海上のDJI公認ドローン保険

万一のことを考えるとドローンの損害保険は必ず入っておきたい。安心料だと考えれば決して高くない。

※価格は記事作成時のものです。

■解説・撮影/大浦タケシ(フォトグラファー)

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