「前鋸筋」や「菱形筋」をトレーニングすることで、腕を動かす能力や肩甲骨の安定性がアップします。【解説】笹川大瑛(理学療法士)
著者のプロフィール
笹川大瑛(ささかわ・ひろひで)
理学療法士。一般社団法人 日本身体運動科学研究所 代表理事。教育学修士。剣道六段。日本大学文理学部体育学科卒、日本大学大学院(教育学)卒。運動能力の向上やスポーツが上達する方法を科学的に研究する、運動科学の専門家。理学療法士として運動の研究やリハビリに関わってきた豊富な経験から「関節トレーニング」を考案。体の動きが劇的に変わると評判を呼び、トップアスリートのパフォーマンス向上にも貢献している。現在はボディコンディショニングなどのセミナーを開催。全国から理学療法士、スポーツ指導者、柔道整復師などの専門家が集まり教示を受ける。これまで指導した生徒の数は500名以上。イタリアやオーストラリアなどの海外の生徒にも指導している。著書に『関トレ 関節トレーニングで強いからだを作る』『ひざ・腰・肩の痛みがとれる! 関トレビジュアル版』(ともに朝日新聞出版)など。
本稿は『運動能力が10秒で上がるサボリ筋トレーニング 体幹やウエイトより効果絶大!』(KADOKAWA)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
前鋸筋トレーニング
脇の下にある筋肉「前鋸筋」は、肩甲骨を前側で支える筋肉。腕を前〜上の範囲に動かす能力、肩甲骨の安定性がアップする!
(1)片腕を上げ、指先を自分に向ける
肩幅程度に両脚を開いて立ち、右腕を上げてひじを曲げ、体の正面で指先を自分の体のほうに向ける。
※写真は、右側の前鋸筋をトレーニングする場合
(2)両手のひらを合わせ、ギューッと押す
右手のひらと左手のひらを合わせ、右腕で左腕を押した状態を、10秒間キープ。左右の腕&手のひらを入れ替えて、同様にトレーニングする。
ポイント
両手のひらを合わせるときは、右手のひらの根元の部分(手根骨の位置)に、左の手のひらの根元の部分を合わせること。
力が入るのはココ!
ギューッと押している腕の脇の下
前鋸筋は、肩甲骨の外側から肋骨の側面まで伸びている。この範囲にきちんと力を入れるように意識すると効果的!
菱形筋トレーニング
肩甲骨と背骨の間にある筋肉「菱形筋」は、肩甲骨を後ろ側で支える筋肉。腕を下〜後ろの範囲に動かす能力、肩甲骨の安定性がアップする!
(1)片腕を上げ、手のひらを上に向ける
肩幅程度に両脚を開いて立ち、右腕を真っ直ぐ伸ばしながら、“体の側面の方向”に軽く上げる。
※写真は、右側の菱形筋をトレーニングする場合
ポイント
手のひらは、時計回りに回したうえで、垂直(天井の方向)よりも後ろを向くようにすること。
(2)腕だけを後方にグーッと引く
右半身に軽く重心を移動させながら、体はひねらずに、右腕だけを背中に沿って後方にグーッと引いた状態を10秒間キープ。左腕でも、同様にトレーニングする。
力が入るのはココ!
動かす腕の側の肩甲骨・背骨の間
菱形筋は、体の後ろ側中央にある背骨から、左右の肩甲骨まで伸びている。この範囲にきちんと力を入れ、肩甲骨を背骨に近づけるようなイメージで行うと効果的!
なお、本稿は『運動能力が10秒で上がるサボリ筋トレーニング 体幹やウエイトより効果絶大!』(KADOKAWA)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。
※(1)「サボリ筋とは何か」の記事もご覧ください。