アイリスオーヤマの「快眠クールまくら」は、自分のまくらを、水冷まくらにする季節家電。ペルチェ素子で正確に温度コントロールができます。寝苦しい夏の夜だけでなく、発熱時にも活躍する便利なアイテムです。
アイリスオーヤマの「快眠クールまくら」をレポート
昔の梅雨は雷が鳴ると梅雨明けでしたが、最近は天気の崩れが多く、しょっちゅう雷が鳴ります。湿度も高いし寝苦しい。ただ温度は低めなので、扇風機の微風が大活躍。しかし梅雨が明けると一気に気温が上がりますので、もう少し工夫が必要かなぁと考えているところ、目に止まったのが、アイリスオーヤマの「快眠クールまくら」。
聞いてみると、新製品を出したときに発行するニュースリリースも出さなかったとのこと。知る人ぞ知るとモデルという感じです。今回は、この面白そうな「快眠クールまくら」をレポートします。
「まくら」という名前だが「まくら」じゃない?
「快眠クールまくら」は、名前に「まくら」とありますが、「まくら」全部ではありません。まくらと頭の間に挟み込む「袋」ですね。氷嚢に近い感覚です。しかし違うのは、まず氷嚢は、基本「氷」ですから冷たすぎますし、固すぎます。そして時間が立つにつれ溶け出しますので、グズグズになっていきます。当初は硬すぎて冷たすぎ、最後は柔らかすぎで生温い。
「快眠クールまくら」は、それに対し、水を循環させます。温度は小型冷蔵などに使われるペルチェ素子でコントロール。ペルチェ素子の温度コントロールは非常に正確です。お風呂をイメージして欲しいのですが、1〜2℃の差で気持ち良さは大幅に変化します。それに対応してのことです。
自分のまくらを、水冷まくらにするのが、アイリスオーヤマの「快眠クールまくら」なのです。
入眠直後の「深い眠り」の実現を狙う
夏はどうしても、長時間眠るのが難しい季節。短時間でもスッキリ寝るためには、頭を使わない「深い眠り」と、頭を使う「レム睡眠」が重要です。双方ともコントロールできないのですが、深い眠りは入眠直後、この状態になることが多く、より良い睡眠が求められます。
そのためには、リラックスする必要があります。寝苦しいと表現されることが多い夏では、発汗が多く副交感神経の働きが活発になりますので、どうしても眠りは浅くなります。夏に気持ちよく寝ることは大変大切となってくるのです。
しかし、私のように寝るすぐ前まで原稿書きしているような者の頭は、なんだかんだ言いながら暑くなっています。エアコンで頭を冷やすとなると、体もかなり冷えます。これは、よくないですね。このため、頭が冷えてから入眠と行きたいのですが、体の方が疲れていますので、寝入ってしまいます。入眠直後の「深い眠り」がやってこないのです。
今回、テストするに当たり、入眠直後の「深い眠り」を狙います。
Fit Bitの睡眠計測を使ってテスト
今回は、まくらに「快眠クールまくら」の水袋部分を乗せ、バスタオルで巻きました。バスタオルは長さ的に二重巻きになるので、厚みが出ます。負けないように「強」に設定。
使ってみると、実に気持ちがいい。首は、血管(頸動脈)が皮膚の近くに出ています。このためでしょうかね、だんだん気持ちがよくなってきます。「動作音は耳障りか?」と思いながらもそのまま眠ってしまいました。
途中でタイマーが作動、ストップさせることもできるのですが、この時はMAXの7.5時間。雑音の中で目覚めるのはちょっとイマイチでした。それでも頭はかなりスッキリ。睡眠記録を確認すると、入眠後、スムーズに深い眠りに移行していることがわかります。
改良の余地はあるものの、連夜使っています。良い睡眠は、大いにプラスになります。
懸念点はココ!
初物の家電ですから、問題は当然あります。一つは、気になっていた動作音です。抑えるか、耳障りでない音質に変える必要があります。
次はケーブル、パイプ類です。電源ケーブル、水を往復させるパイプは、ベッド周りで十分な長さかどうか人によって違うのでいろいろなパターンが必要になってきます。そして、1年中使うものではないので、使わないときの収納についても工夫が欲しい。
あと、今回私はバスタオル巻きという古典的な手段でテストしましたが、それでOKか否かは判断余地があると思います。
まとめ
懸念点は多いのですが、人により感じ方は違うと思います。また、効果は、個人的にあると判断しました。また発熱の時の熱さましにも効果が期待できます。持っていると何かと便利そうな家電といえます。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。