車中泊を安心して楽しめるのは、やはりオートキャンプ場だ。クルマの脇にタープを張ってテーブルやチェアをセット。アウトドア料理を楽しんで、夜になったら車中泊するというスタイルだ。キャンプはせずに、車中泊をしながら旅を楽しむには「RVパーク」という施設もある。
[別記事:【キャンプ入門】庭キャンプ、車中泊、ソロキャンプが今アツい!予算の目安は?どんなふうに過ごす?→]
ゆったり快適に過ごすのなら「RVパーク」などの施設がおすすめ
「車中泊」と聞くと、シートを倒して車内で仮眠を取るといったイメージを持つ人もいるかもしれない。しかし、最近ブームの車中泊は、きちんと寝られるようにマットを敷き、プライバシーを保つためカーテンやシェードで目隠し。
そしてテーブルやライト、クーラーボックス、ポータブル電源などを準備して、部屋のように快適な空間を作り上げる。キャンピングカーとまではいかないが、快適に過ごしている人は多い。
そんな車中泊だが、一体どこで楽しめばいいのだろう?
安心して楽しめるのは、やはりオートキャンプ場だ。クルマをテント代わりにし、その脇にタープを張ってテーブルやチェアをセット。アウトドア料理を楽しんで、夜になったら車中泊するというスタイルだ。
キャンプはせずに、車中泊をしながら旅を楽しむという人の間では「RVパーク」という施設が知られている。道の駅やホテル、日帰り温泉施設などが車中泊専用に駐車場を提供している施設だ。24時間トイレが使え、入浴施設を利用できる施設も多い。
「くるま旅クラブ」(https://www.kurumatabi.com/)では、全国約200ヵ所あるRVパークのほか、くるま旅クラブ会員向けのさまざまな施設を検索できる。
全国にあるRVパークなどの施設をマップで検索できるのも便利。スマホアプリでも検索できるので、旅先でも便利に使える。
【ワンポイント】
道の駅での車中泊は歓迎されない場合もあるので注意!
車中泊を楽しむうえで気をつけたいのは、道の駅やSA、PAの使い方。
通常はドライブ中に休憩を取る場所なので、長い時間、駐車スペースを利用する車中泊は、ほかの利用客が使えなくなるなどの理由で敬遠されることもある。もちろんチェアを出すなどの行為は禁止だ。
このようなマナー違反が横行して「車中泊禁止」を明言する道の駅もあるが、夜に仮眠を取るといった利用方法は、基本的に許容されている。とはいえ、迷惑をかける車中泊はマナー違反。決して行わないようにしよう。
マットやシュラフでまずは快適な睡眠スペースを確保しよう
車中泊で重要なのが、快眠できるかどうかだ。そのために必要になってくるのが、就寝スペースのフラット化だ。
フルフラットにしたシートでも凹凸が残るので、へこんだ部分にバスタオルなどを詰めて、その上にマットを敷く。また厚みのあるインフレーターマットやエアベッドを敷けば、凹凸を感じにくく寝やすくなる。
クイックキャンプ
車中泊マット ダブルサイズ8cm
9080円
シートの凹凸を感じさせない厚さ8センチのインフレーターマット。幅は5ナンバーサイズのミニバンにピッタリのサイズだ。
ロゴス
どこでもオートベッド130
9900円
スイッチ一つで空気が入る、電動ポンプ内蔵のエアベッド。電動ポンプは取り外し式で、単体でも使用できる。
LEDランタンを 一つ用意しておくと、夜が快適に過ごせる
夜の車内は暗くなるので明かりが必要になるが、室内灯をつけたままではバッテリーが上がってしまう心配がある。そこで用意しておきたいのがLEDランタンだ。
大光量は必要なく、最小限の明るさがあればOK。これをアシストグリップなどに吊るせば、車内は十分に明るくなる。充電機能付きならスマホも充電できて便利だ。
コールマン
ハンギングEライト
2480円
周囲をやさしく照らす明るさ250ルーメンの吊り下げ式ライト。マグネット入りなので、設置の自由度も高い。
バッテリーは充電式。スマホを充電することもできる。マイクロUSBケーブル付き。
背面に吊り下げ用のフックを装備しているので、さまざまな場所に吊るすことができる。
モバイル電源があると便利。災害などの備えにもなる
車中泊に必携というものではないが、あると便利なのがポータブル電源。
スマホやカメラのバッテリー、LEDランタンなど、最近のキャンプシーンでは電気が必要な場面が多いので、1台あると安心だ。また冬の車中泊では、電気毛布の電源としても使えるし、災害時にも役に立つ。
ポータブル電源は、リチウムイオン電池のモデルが一般的だが、中にはキャンピングカーなどに使われるディープサイクルバッテリーをつないで使用するモデルもある。
OGC
コントロールボックス
オープン価格(実売価格例3万3000円)
市販のDC12Vディープサイクルバッテリーにつないでポータブル電源として使用する。バッテリーのみ交換できるので経済的だ。
Smart Tap
PowerArQ2
5万9800円
ACやUSB出力のほかスマホのワイヤレス充電も可能なポータブル電源。容量500ワット時、定格出力300ワット。
JVCケンウッド
ポータブル電源 BN-RK600
オープン価格(実売価格例7万5000円)
容量626ワット時、定格出力500ワットと大容量で高出力のモデル。小型炊飯器や電動工具への給電も可能だ。
カーサイドタープがあるとキャンプサイトが充実する
キャンプ場で車中泊を楽しむ場合は、テーブルやチェア、クッキング用品などを並べて、存分にアウトドアを満喫したい。そんなとき、雨や日差しを遮るタープが必要になるが「カーサイドタープ」があると快適だ。
テント代わりとなるクルマとタープを接続して設営するので、より開放的な車中泊が楽しめる。また、雨が降っていても濡れることなく出入りができるのも便利。
ただし、いったん接続してしまうとクルマを動かしにくくなるので、食材の買い忘れなどには注意が必要だ。
コールマン
カーサイドテント/3025
3万9800円
クルマのサイドやリアへ連結して使用。日中はスクリーンタープ、夜はインナーテントを吊るして寝室としても使える。
テント代わりのクルマにつなげる形で、快適なリビングスペースを構築することができる。
ogawa
カーサイドタープAL-II
2万5300円
クルマのサイドやリアに取り付けて使用するタープ。開閉可能なメッシュ窓を装備しているので視界が広がる。
クルマのリアゲートにも取り付け可能。コンパクトなのでクルマに常備しておくのも便利。
クルマ用の網戸があれば、虫の侵入を気にせずに過ごせる
暑い日は窓を開けて自然の風を取り込んで寝たいけれど、ただ窓を開けただけでは虫が入ってきてしまう。そこで準備しておきたいのが、クルマの窓に取り付ける網戸だ。
さまざまなクルマに対応する汎用モデルもあるが、車中泊を長く楽しむのであれば、車種別に専用設計されたモデルのほうがフィット感が高くおすすめだ。
Aizu
ウィンドーバグネット
フロント用・リア用 各1万1000円~(車種により異なる)
専用設計でクルマにピッタリとフィットし、装着したまま窓の開閉もできる。190車種以上に対応。
工具などを使わず簡単に取り付けられる。リア用は取り付けたままでの走行も可能だ。
外からの視線や暑さ、寒さはカーテンやシェードで解決
車内はガラス窓に囲まれているので、外からの視線が気になる。特に夜は、明かりを灯すと遠くからでも車内がよく見えてしまう。
そこで、プライバシーを守るために、カーテンやシェードの目隠しが必要になる。特にシェードは、断熱性の高い製品であれば、冬は外の冷気を遮って車内を温かく保ってくれるので便利だ。
Aizu
マルチシェード
フロント用1万1000円~、リア用1万7600円~(車種により異なる)
冬は外の冷気を遮り、夏は日差しを反射して車内の温度の上昇を抑える断熱性の高い車種別専用設計のシェードだ。
吸盤で窓に貼り付けるだけなので誰でも簡単に取り付けられる。対応車種は400車種以上。
食材やドリンクを入れておくクーラーボックスが必要
夜中に喉が渇いて目が覚めたとか、朝起きて喉を潤したいというときに、あると便利なのがクーラーボックス。保冷剤と一緒にドリンクを入れておけば、いつでもおいしく飲むことができる。
前日に購入しておいた朝ご飯や保冷が必要なお土産を購入したときにも役立つ。キャンプの食材が必要なければ小型モデルで十分。
コールマン
エクストリームクーラー/28QT(ミスト)
5480円
保冷力3日間を誇る容量26リットルのクーラー。フタにカップホルダーを装備しているので車内でも便利に使える。
ロゴス
ハイパー氷点下
クールマスター・S(アーバン)
9790円
同社の保冷剤「氷点下パック」を使用すれば、アイスクリームも約9.5時間保存可能。容量6.5リットル。
ミニテーブルがあると食事などに便利
就寝スペースを作ってしまうと、飲み物や食事の置き場所に困ってしまう車中泊。しかし、コンパクトなテーブルが一つあるだけで、そんな悩みも解消する。
収納場所に困らないコンパクト収納のモデルや、テーブルからモノが落ちにくい縁が立ち上がったトレータイプが、車中泊には便利で使いやすい。
ロゴス
LOGOS Life
ロール膳テーブル(ヴィンテージ)
2420円
600グラムと軽量で、脚と天板が畳めるコンパクト収納が可能なモデル。荷物をコンパクトにしたい車中泊に最適。
キャプテンスタッグ
ジュールアルミFDトレーテーブル
45×30 type2
6600円
テーブルからモノが落ちにくいトレータイプのコンパクトテーブル。脚を畳めばトレーとしても使える。
DC電源につないでご飯が炊ける、お湯を沸かせるアイテム
火を使った調理を行えるキャンピングカーと違い、一般のクルマは火気厳禁。もちろん車中泊の際も、車内で火を使った調理は厳禁だ。
でも雨の日などは車内で調理したい。そんなときに便利なのが、車内で使うことを前提に作られた電気調理器。クルマのシガーソケットから電源を取って調理するので、安心して使える。
ただし、一般の家電に比べると、出来上がりに時間がかかるものが多いので、キャンプ場では、ガスなどで調理するのがおすすめだ。
ジェーピーエヌ
アウトドア炊飯器・タケルくん
5980~6480円
クルマのシガーソケットを電源にする炊飯器。フタを開けなければ、蒸気の力で炊きたてが1時間持続する。
ジェーピーエヌ
アウトドア湯沸器・ワクヨさん
6980~7480円
目で見て沸騰状態を確認できる透明ボトルの湯沸かし器。シガーソケットを電源にして、最大400ミリリットルを沸かせる。
ジェーピーエヌ
多機能蒸器・ムスヨ婆さん
2530円
「タケルくん」の炊飯時にセットすれば、レトルトカレーを温めたり、サツマイモなどを蒸したりすることができる。
※価格は記事作成時のものです。
※価格はすべて標準価格。オープン価格のものは実売価格例を掲載。
■解説/牛島義之(フリーライター)