【マスク老けとは】外した時の口元大丈夫?コロナ禍で進行するシミやくすみ、たるみを改善・撃退する顔トレ

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マスクを外したときの自分の顔を見て、その変わりようにギョッとしたことはありませんか?そう、恐怖の「マスク老け」です。顔は大小30以上もの筋肉で出来上がっています。その筋肉の運動量が減ると、むくみやすくなり、筋肉の衰えも進行します。【解説】石井さとこ(ホワイトホワイト院長)

解説者のプロフィール

石井さとこ(いしい・さとこ)

ホワイトホワイト院長。歯科医師。口もと美容スペシャリスト。日本歯科大学卒業。歯のホワイトニングを日本で広めた第一人者で、女優やタレント、モデルなどの治療も数多く手がける。唇エステなど独自の「口もと美容法」を考案。『マスクをしたまま30秒!!マスク老け撃退顔トレ』(集英社)などの著書がある。

マスクをしていると顔が老ける!

もう1年半以上もマスクを外せない日々が続いています。感染拡大防止の強い味方ではありますが、マスクを外したときの自分の顔を見て、その変わりようにギョッとしたことはありませんか?

口角が下がり、ほうれい線が深くなり、あご下がたるみ、プツプツと吹き出物ができてしまっている……。そう、これこそが、恐怖の「マスク老け」なのです。

「マスクをしていると顔が老ける」。これは実は「歯科医師の常識」。

というのも、私たち歯科医師は、コロナが流行するずっと前から、治療の際に飛び交う飛沫を防ぐために、ほぼ1日中マスクが必須だったからです。

しかも、歯科医師は下を向いてかがんだ姿勢で治療を行うため、下顔面がゆるんで、マスクを外すとほうれい線がくっきり目立ってしまうことを実感しています。

では、マスクをつけていると、どうして顔が老けてしまうのでしょう。

まず、顔の下半分が隠れているので、「どうせ見えないから」と、人前に出るときも緊張感がなくなり、お手入れがおろそかになりがちです。

しかし、それ以上に影響が大きいのは、マスク生活のせいで、顔や口周りの筋肉の運動量が減ることです。

そもそも、人と会って話をする機会が減っています。それに、マスクがずれるのが嫌で、無意識のうちに口先だけで話したり、表情を動かさなくなったりしがちになっていませんか?

顔は、大小30以上もの筋肉で出来上がっています。これらが複雑に関わり合い、様々な表情を作っているのです。特に口の周りには、顔の筋肉の7割が集まっています。

その筋肉の運動量が減ると、筋肉へのリンパ(体内の老廃物や毒素、余分な水分を運び出す体液)の流れが滞ってむくみやすくなり、筋肉の衰えも進行します。

これにより、口角が下がって、たるみも目立つ老け顔になってしまうのです。

舌の汚れは感染リスクを高める

マスクによる弊害は、美容的なことばかりではなく、健康面にも及びます。

マスクをしている生活では、会話が少なくなり、舌の筋肉の動きが鈍くなります。実は、舌は約200gもある、大きな筋肉です。厚めのステーキ1枚分と考えると、意外に大きいと感じるのではないでしょうか。

この舌の筋肉が弱ると、顔全体を流れる血流が滞り、唾液の分泌も不足します。

そして、マスク下では、息苦しさから口呼吸になりやすく、口内が乾燥しやすくなります。すると、抗菌物質を含む唾液が減ることで口内の菌が増えやすくなり、歯周病が悪化したり、口臭の原因になったりと、口内環境が悪化します。

また、口を閉じたときに、本来であれば舌先が上の前歯の裏側に収納されています。この正しい位置に舌があるときには、舌苔(ぜったい:舌上の老廃物)のたまりやすい舌の中央部が、口蓋(上あご)に触れているため、自然と掃除ができています。

しかし、舌の筋肉が衰えたり、口呼吸になったりすると、舌先の位置が下がります。すると、無意識の舌苔の掃除ができなくなり、菌が繁殖しやすくなります。

口の中にすむ細菌は、「プロテアーゼ」という酵素を出します。この酵素は、細胞膜を傷つけ、外からウイルスや細菌が体内に侵入するのを手助けします。つまり、舌の位置が下がると、ウイルスなどへの感染リスクが高まってしまうのです。

ちなみに、舌苔を落とすのに歯ブラシを使う方がいますが、お勧めは綿棒で優しくなぞること。綿棒は口内のお手入れ道具として優秀で、歯に着いた茶渋などを落とすのにも便利です。

舌の汚れは軽く綿棒でこすって落とす

現在、日本でも日々ワクチン接種が進んでいますが、まだしばらくはマスクに手洗い、うがいといった感染対策は続ける必要があると思います。

舌や口の周りの筋肉は、意識的に動かさないと、どうしても筋力が衰えて下がってしまいます。私は祖父母も父母も歯科医師という歯科医師一家に生まれたため、子どもの頃から、口笛を吹くなど、口周りや舌の筋肉を動かすことの重要性を説かれてきました。

そこで、私が考えたのが、舌を使って口の周りの筋肉をほぐす顔のトレーニング「顔トレ」です。舌の筋トレ、表情筋のマッサージ、唾液腺の刺激と一石三鳥です。

今回は特に効果的な三つのメソッドをご紹介します。どれもいつでもどこでも簡単にできるのがいいところ。マスクの中でこっそり行うこともできます。

肌の新陳代謝も促されるので、シミやくすみの改善にも役立ちます。たるみ、むくみのないスッキリ小顔を取り戻してくださいね。

マスク老け撃退顔トレのやり方

【こんな悩みがある人に効果絶大!】口角が下がってきた ほうれい線が深くなった 口の横からあごにかけてシワが出た 上唇が薄くなった。唇がシワっぽい 二重あごになった 目元がたるんだ。 シワが出た 口臭が気になる 口の中が乾燥してカラカラだ 気付くと口で呼吸している 以前より滑舌が悪くなった 歯を食いしばっている 口が開きづらくなった気がする

モダイオラスほぐし

モダイオラス(口角結節)は、頬や口周りの筋肉が集まるターミナル駅のような場所。口角の横、えくぼができる人ならその内側辺りで、舌で探るとブヨッとした盛り上がりを感じるところ。

口を閉じ、モダイオラスに舌先を当てる。下から上になぞるようにゆっくり舌先を動かす。10回くり返したら、反対側のモダイオラスも同様に行う。

10秒舌回し

唇の裏側と歯茎の外側の間に舌先を当て、左の口角の裏側から上の歯茎、右の口角、下の歯茎と舌でグルリと一周なぞる。1周に10秒以上かけるように舌をゆっくりと動かすのが最大のポイント。

一周したら右の口角から同様に、上の歯茎→左の口角→下の歯茎と同様に舌でなぞる。

舌掃除

口蓋(上あご)に舌をぴったり押し付け、舌の表面を優しくこすりつけるように舌を前後に10回動かす。口は閉じたままでもよい。

■この記事は『安心』2021年9月号に掲載されています。

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