園芸やガーデニング、農作業などでロープを結ぶ場合、庭の植木を支柱に固定したり家庭菜園の棚を作ったりするなど、大きな物から小さな物まで植物などを支える用途が多く、屋外で使われることが基本なので耐久性が要求されます。また対象物が成長して変化することもあるので柔軟な性質も持ち合わせておく必要があります。利用される期間や場所に合わせて、ロープの太さや耐久性を選べば、効率のいいロープワークができるでしょう。
本稿は『写真と図で見る ロープとひもの結び方大全』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
イラスト・写真:出典/西東社
園芸で使うロープワークのポイント
園芸やガーデニング、農作業などでは、庭の植木を支柱に固定したり、家庭菜園の棚を作ったりするなど、大きな物から小さな物まで、植物などを支える用途が多いです。また、庭の柵を作ったり、花壇を囲ったりするときにもロープワークが活躍します。
屋外で使われることが基本なので、耐久性が要求されますが、対象物が成長して変化することもあるので、柔軟な性質も持ち合わせておく必要があります。そして、利用される期間や場所に合わせて、ロープの太さや耐久性を選べば、効率のいいロープワークができるでしょう。
植物を支えるための支柱などを作るときは、しっかりと対象物に力がかかり、風雨でほどけにくい結び目が必要になってきます。
柵を作る
花壇や庭に柵を作るためのロープワーク。素材に丸太や竹を使い、園芸用の細めのシュロ縄で固定すると、趣のある仕上がりになります。
スーパーヒッチ
(1)ロープを杭に回し、元側の上に端を通す。
(2)端をゆるめてループを作り、1回ひねって輪にする。
(3)(2)で作った輪を杭のほうへ持っていく。
(4)輪を杭の上からかぶせる。
(5)端と元側を引いてしめる。
(6)完成 簡単に結べて、すぐにほどくことができる結び方だ。
支柱や角材を組む・束ねる
大きめの木を支える支柱や、角材や丸太を縛るときに使うロープワーク。長めのロープを使い、巻きつける回数が多いのが特徴です。
▼支柱や角材を束ねる
たすき掛け
(1)棒を交差させ、縦棒に「巻き結び」する。
(2)ロープの左端を手前から持ち上げ、縦棒の上裏を通してひと巻きする。
(3)ひと巻きしたロープの端を今度は下でひと巻きする。
(4)端を横棒の左表に通し十字部分の左上に持ってくる。
(5)端が縦棒の上裏を通るように、ひと巻きする。
(6)端を十字部の左下に持ってくる。
(7)(4)~(6)をもう一度繰り返したら、端を横棒の左裏、縦棒の上表、横棒の右裏の順に通す。
(8)巻いている途中ロープがよじれないように注意する。
(9)(7)を繰り返し、もうひと巻きする。
(10)端を縦棒の下にひと巻きする。
(11)端を縦棒の下にもうひと巻きして、できた交差部の下を通す。
(12)完成 結び目を引いてしっかりしめる。樹木や草花の支柱を作るときに適した結びだ。
本稿は『写真と図で見る ロープとひもの結び方大全』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
▼支柱を組む
三本支柱
(1)端に結び目を作ったロープで輪をふたつ作り、その中に支柱を1本通す。
(2)端を引っ張って「巻き結び」にする。
(3)3本の支柱の先端の向きが交互になるよう並べ、ひと巻きする。
(4)さらに3本まとめて5~6回巻きつけたら、一番外側の支柱と真ん中の支柱の間に矢印のように端を通す。
(5)矢印の方向に2回ロープを巻く。
(6)反対の外側の支柱と真ん中の支柱の間を、(5)と同じように矢印の方向に2回巻きつける。
(7)外側の支柱に「巻き結び」で端を止める。
(8)完成 支柱を立ち上げ、3方向に足を開いて完成。
植木鉢を吊るす
ガーデニングの空間作りに役立つ植木鉢の吊るし方を紹介します。時間経過で緩まないようバランスよく結ぶことが重要です。
ビン吊り結び
(1)ロープをふたつ折りにしてさらに折り返し大きな輪をふたつ作る。そして、矢印の方向にロープを重ねる。
(2)折り返した輪の上側を、矢印の方向へ通す。
(3)(2)で通してできたループ部を、さらに矢印に沿って外へ出す。
(4)Aの部分を持ち、矢印の位置へ裏返すようにしながら持っていく。
(5)Bの部分を持ち、矢印の位置へかぶせるようにしながら持っていく。
(6)できた輪の中に植木鉢を置く。
(7)植木鉢の真ん中より少し上に輪がくるようにして、両端の2本とループを引いて固定する。
(8)完成 ロープの両端を吊るしたい箇所に結ぶ。安定感と強度のある結びだ。
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なお、本稿は書籍『写真と図で見る ロープとひもの結び方大全』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。本書は、ロープとひもの結び方が「全200」も解説・収録されています。イラスト図解で結び方の工程が見やすく、写真で完成イメージがわかりやすくなっています。基礎知識、アウトドア、荷造り、園芸、防災・緊急時からロープのメンテナンスまで、さまざまな場面で役立つ結び方が網羅されていて、もしものときのために持っておくと安心の一冊です。詳しくは下記のリンクからご覧ください。
※(4)「たすき掛け・ラッピングリボンの結び方」の記事もご覧ください。