数ある金融商品の中でも、初心者に比較的向いているのが「投資信託」(ファンド)です。ここでは、投資信託の基本的な仕組みを解説します。投資信託の種類による違いなどをチェックしてください。
パッケージ型でプロが運用
証券会社で販売している「投資信託(投信)」は、投資家から集めた資金をひとまとめにして、株や債券、不動産などに分散投資するパッケージ型の金融商品です。
投資先の選定や実際の運用は、投資のプロであるファンドマネージャーが行います。少額から購入でき、運用は専門家にお任せです。分散投資でリスクを低減できるなど、初心者にとって始めやすい商品といえます。
一般の投資信託とは別に、市場に上場している「ETF」(上場投資信託)という種類もあり、こちらは株と同様に売買できます。
●一般的な投資信託の仕組み
投資信託は、金額単位や口数単位で購入できる。証券会社によっては積立購入も可能。保有している間は運用成果によって分配金が支払われ、売却時に基準価格が値上がりしていれば売却益も得られる。
●ETFは上場型の投資信託
ETFは、株式と同じように価格がリアルタイムで変動し、取引市場で売買できる。
投資信託 | 種類 | ETF |
---|---|---|
非上場 | 上場種別 | 上場 |
いろいろある | 売買手数料 | 安い |
いろいろある | B2 | 安い |
販売会社が 定める時間内 |
取引時間 | 市場の 取引時間内 |
基準価格 (1日1回更新) |
取引価格 | リアルタイム |
一般の投資信託とETFの違いをまとめた。ETFは好きなタイミングで売買できるが、取扱数は投資信託の方がかなり多い。
投資対象や手法がいろいろある
ひとくちに投資信託といっても、投資対象の資産や国、運用手法などの組み合わせによって、さまざまな商品があります。
対象資産としては、リスクは高いものの収益性に優れる株式、低リスクで安定している債券を組み入れたものが多く見られます。また、高い分配金が見込める不動産、独自の値動きを示すコモディティ(金などの商品)を対象とした投資信託もあります。
投資対象国もさまざまで、日本国内だけでなく、海外の株式や債券を中心にした商品もたくさんあります。
運用手法は、リターン(運用成果)が特定の指数(日経平均株価など)に連動するように設計された「インデックス型」と、指数を上回る成果を積極的に狙う「アクティブ型」に分けられます。これらの特徴を理解しましょう。
投資信託の基本的な種類
●投資対象資産
株式 | 企業が発行している株式で運用する。値動きが大きいため、高いリターンが見込めるが、値下がり時のリスクもある |
---|---|
債券 | 国が発行する国債や、企業が発行する社債で運用する。発行元が破綻しない限り元金と利息を確保でき、値動きも安定しているが、高いリターンは期待できない |
不動産 (REIT) |
「REIT」(不動産投資信託)と呼ばれる。オフィスビルや商業施設などの不動産を購入し、賃貸収入や売買益を分配する。分配金の利回りが高い傾向にある |
コモディティ | 商品先物市場で取引されている原油や金、穀物などが投資対象。商品相場は独自の値動きを示すため、リスクヘッジ目的でも注目されている |
●投資対象国
国内
日本国内の株式や債券などに投資するタイプ。安定した大型株中心のタイプや、成長株中心のものなど、さまざまだ。
海外
海外の株や債券などで運用する。米欧中心のものが多いが、値動きが激しい新興国を対象にしたものもある。
●運用手法
日経平均株価、TOPIX(東証株価指数)など、特定の指標(インデックス)に連動するように設計されている投資信託。比較的低リスクで平均的な収益が期待できる。
指標(インデックス)を上回る運用成果を目指したハイリスク・ハイリターンの投資信託。インデックス型と比べると、信託報酬などのコストが割高であることが多い。
※本書および本記事に記載された内容は、特に記載のない限り、2021年10月現在のものです。
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