災害時やコロナ禍を経験し、照明が少なくなった街を目の当たりにして、人間がいかに視覚に頼った生き物かということがわかりました。今回は、2022年に買うべきおすすめライトを2種類紹介します。一つは外出時に使えるネックライト、もう一つは、省スペースデスクでパソコン作業を行う人におすすめなバーライトです。
2022年注目のライトは?
引っ越しをした夕方、照明をつけるのを忘れて慌てて取りつけたことがあります。この時感じたのは、人間がいかに視覚に頼った生活をしているか、そして、灯りがなければ人間何もできないのだな…ということです。
近年、物理的に一番暗かったのは、東日本大震災の後でしょうね。商業施設の照明は完全にオフ。たまたま隅田川の川辺りを歩いていたのですが、建物や街灯がない上に、その晩は蒴(さく)の日。本当に暗かったです。次は、コロナ禍。街灯はあるのですが、やはり暗い。商業施設の照明がいかに明るいか、思い知ります。
その上、最近は、所々、自転車侵入禁止の柵が施されています。住宅街ではありません。完全道路の横、2m位の幅を持つ歩道に、ひょっこり設けられているのです。白色にペイントされているので、それなりなのですが、公共道路だからバリアフリーということはないですね。どちらかと言うと、バリアを付けまくっていると言う感じがします。
今回、自衛手段として、二種類の照明を導入してみました。1つは、外に出た時に使うパナソニックのネックライト。もう一つは、パソコンのディスプレイで占拠された机でも使えるバーライト。どんな感じなのでしょうか?
2022年お勧めライト(1)ネックライト
パナソニック
LEDネックライト(強弱切替え機能付きタイプ)
BF-AF12P-H
パナソニックの商標でもある「ネックライト」は、2012年にグッドデザイン賞を受賞していますので、ほぼ10年選手。もはやベテランのライトと言えます。
アウトドアを嗜む人なら、すぐ分かると思いますが、人間、手に持って移動すると、どんなに軽いものでも自由が効きません。それが灯りでもそうです。バランスを崩した時のフォローができないのです。このため、アウトドアで使うメインライトは、ヘッドマウント、額に装着するが当たり前です。人間は、動物の中で、最も視覚に頼る生き物です。ヘッドマウントは視線の方向を照らすので、問題ありません。そして明るさは100ルーメン以上。お金を出すと、500ルーメン以上のモノが買えます。
ここで使われるルーメン(単位:Lm)は光の単位。光源からでた全ての光を合わせた光束量のことです。170ルーメンで20Wの電球相当と言われます。(算出の前提条件で変わってきます) 20Wの白熱電球は昔、トイレなどで使われていました。正直、かなり暗い灯りです。
夜室内で使われるのは、60〜80W。810〜1160ルーメンととても明るくなります。字の読み書き、昔は蛍の光、窓の雪と言われたモノですが、すごーく見えにくい。と言うより、字が書いてあるのはわかるのだけど判読できないレベル。人間が夜、普段通りに動くには、その位、明るくなければならないのです。
思ったほど明るくないが…?
では、パナソニックのLED ネックライト:BF-AF12P-Hは、どの位でしょうか? 街灯の下で装着、付けてみました。足元は…なんと暗いまま変わりません。「えっ」と思いましたね。思わず、手をライトに近づけます。手は明るく照らされます。手帳の文字も読めます。壊れてはいないようです。
ちょっと歩いてみました。街灯から離れても、足元が街灯の下と同じように見えます。要するにハンディタイプの1000lm近い、明るさではなく、足元が危なくないレベルの、場合によってはちょっと弱い光を送る。パナソニックのネックライトは、そういう明るさでした。
家に戻りマニュアルで確認すると、強:20ルクス、弱:4ルクスとあります。ルクス(単位:Lux)というのも光の強さを表す単位です。こちらは照度。照らされた場所に、どれだけ光が入っているかを表す「照度」の単位です。光源から遠ざかるほど数値は小さくなります。昔はよく用いられましたが、今ではルーメン表示の方が多いと思います。
ちなみに街灯のない星あかりで0.8ルクス。住宅街街灯下で5ルクス。バーの客席で20ルクス。室内だと200ルクス。曇りの屋外で5万ルクス。晴天だと10万ルクスとされています。なるほど、マニュアル通りの性能です。
これで十分か、否かと言われると、個人差、個人がいた環境差により変わってきます。個人差というのは、夜目がどの位効くのかということ。個人がいた環境差というのは、ネックライトをつける前にどんな環境にいたのかということです。暗いところにいたなら、目が暗いところに慣れているので十分な明るさでしょうし、室内から出たらちょっと見えにくく感じるかも知れません。
当初、暗いかなとも思いましたが、どこでも街灯下の明るさを確保できるなら、問題ないわけで今では外出時の七つ道具の一つになっています。
使い勝手は抜群
では何故、ネックライトはそんなに、使えるギリギリまで暗くされているのでしょうか? 答えはバッテリーにあります。
まずネックライトは首に掛け続けられる重さでなければなりません。そうでないと肩が凝ります。ちなみに、BF-AF12P-Hの重さは40g。付けていることを忘れることができるレベルです。
この重さを実現するために、パナソニックは、バッテリーにコイン型リチウム電池 CR3202 2枚採用しました。これで強なら15時間、弱なら70時間の点灯が可能です。このコイン電池、コンビニでもほぼ確実に手に入るところがいいです。
その上、防水。実に使い勝手がいいです。外でなくても、発表会の時にも使えます。発表会はパワーポイントでのプレゼンが多いのですが、この時、室内は真っくらにされます。当然、メモなど異常に取りにくい。そんな時にも便利です。
明るすぎると不都合な場合も、多々あります。都会的なサポートライト。パナソニック ネックライトはそんな一品です。
2022年お勧めライト(2)バーライト
Xiaomi
screenbarライト
パソコンで仕事するのが当たり前になって以降、デスクで細かい作業をすることが少なくなりました。理由は簡単。デスクライトが置けなくなったからです。細かい作業を今引き受けてくれているのはテーブルですね。当然、デスクライトも置きます。
このようにパソコンが知的作業に不可欠になって以降、デスクはパソコンの定位置。パソコンで能率は抜群に上がったとは言え、その逆もまた真なり。細かい作業をするスペースがなくなったとも言えます。私も、奥行きの深い小型机を使っており、中央にディスプレイ。その手前で使うキーボードとマウスは使わない時、ディスプレイの下に置けるようにしているのですが、デスクライトが思うようになりません。
そういった時代のニーズでしょうか、ディスプレイの上縁にセットでき、それより手前を照らすライトが出てきました。まぁある意味 隙間商品ですが、今後定番になる可能性もあります。不便を感じていた私は当然設置ですね。しかしトライ&エラーの可能性もあります。こんな時、嬉しいのがXiaomi製品。デザインは流麗ですし、性能は中以上がほとんど。しかも安い。トライ&エラーにもってこいです。
日本への正式輸入は今からですが、2022年の先取りで、テスト結果をレポートします。
使ってわかる良さ
当モデルは、LEDが多数埋め込まれた幅42mmのバーライト。変形鰐口クリップのような固定治具。そしてUSB-Cケーブル、そしてリモコンから成り立っています。
まずバーにあるLEDの数に圧倒されます。本当にUSBでの電力供給で間に合うのかという感じです。そして固定治具ですが、クリップのようにディスプレイの外縁を挟み込みます。そして当たるところはラバー。傷つけないように設計されています。
そして、リモコン。ジョグダイヤルを思わせるリモコンで、電源のOn/Off、灯りの色(白色と電球色)、あかりの強さを設定できます。
電源を入れるとデスク上が明るくなります。少なくともディスプレイから手元、40〜50cmは十分な明るさを確保できます。しかし、そんな時でもほとんどディスプレイには影響しません。弱でも強でもですし、色を電球色にすると、正確にはちょっとそちらに引っ張られるものの、ほとんど気にはなりません。とてもいい感じなのです。要するにいつも手元を明るくできるというわけです。
少し残念ポイントも
しかし、残念なことが一つあります。それは固定治具は90°傾けて使うので、後ろ側にあったUSBケーブルの接続口が真上に。USBケーブルが、漫画の登場人物のアホ毛のようにディスプレイから出てしまうことです。ちょっと美意識的にはNGですし、個人的にはかなり気になります。
最後に
人間は視覚情報が80%超えます。そのためには、目を大切にしてやらなければならないのですが、スマホがないと仕事もできない時代では、目はどうしても酷使してよくない方向へシフトしていきます。結果、暗い道でつまづいた、資料の読み落としがあったなど、トラブルを経験された人もあるのではないでしょうか?
この2つは両方買っても、1万円でお釣りがきます。もし、見えにくいと思うことがある場合は、躊躇なく買うことをお勧めしたいです。体への負担が減りますし、仕事のミスも防げます。どうぞ、2022年は明るい年でありますように。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング、ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散策とラーメンの食べ歩き。