【スマホのカメラ】複数レンズは何に使うの?撮った写真を家族に送る方法は?

Android

今や、スマホを使えば、誰でも手軽に高画質な写真を撮影できるようになりました。しかも、スマホのカメラ機能はどんどん進化していて、まだまだ知らない機能がたくさんあります。より満足のいく写真を撮るために、新しいノウハウを身につけましょう。

※本記事に掲載している画面写真は基本的に、iPhoneはiOS 15、AndroidはAndroid 11のものです。また、Androidの画面は「シャープ・AQUOS R6」のものです。

最新のスマホって、レンズが複数付いてるけど、何に使うの?

▶︎多目的に対応するため、広角や望遠のレンズが搭載されています。

最近のスマホは、複数のレンズを搭載するのが一般的です。デジカメとは異なり、スマホにはスペース的に大きなカメラ機構を組み込めないため、用途が異なるレンズを使い分ける必要があるのです。

スマホに使われるレンズの種類には、「超広角」「広角」「望遠」「マクロ」「深度センサー」などがあります。

幅広い撮影シーンに対応するには、「超広角+広角+望遠」の三つがそろっているのが理想的。超広角レンズは、広い視野角を撮影できることが利点で、マクロ(近接)撮影ができる機種もあります。望遠レンズは機種によって倍率が異なりますが、2〜3倍が主流です。

なお、深度センサーは、被写体までの距離を計測するもので、あくまでも撮影の補助的に使うもの。カタログに「広角+深度センサーでデュアルカメラ」と表記されていても、実際には「シングルカメラで、背景ぼかし撮影が可能」くらいにとらえるべきです。深度センサーを搭載していなくても、背景をきれいにぼかして撮影できる機種もあります。

iPhone 13シリーズは機種によってレンズ数が異なる

iPhone 13では「超広角+広角」のデュアルレンズカメラを搭載。iPhone 13 Proでは「超広角+広角+望遠」のトリプルレンズカメラを搭載し、望遠カメラでは光学3倍のズーム撮影が可能だ。また、iPhone 13 Proの超広角カメラはマクロ撮影にも対応している。

Androidのハイエンド機はトリプルレンズが主流

Androidは、例えば、Xperia 5 III(ソニー)のトリプルレンズカメラは、超広角+広角+望遠という構成。望遠カメラは焦点距離を70ミリまたは105ミリに切り替えられるようになっており、約2.9倍または約4.4倍で撮影が可能だ。デジタルズームと組み合わせれば、最大12.5倍で撮影できる。

写真がブレたり、暗かったりする。うまく撮るコツは?

▶︎ブレずに撮るには、撮影時にスマホを動かさないことが大切です。

写真のブレを抑えるために最も大切なことは、撮影時にスマホを動かさないこと。特にシャッターを切る際に動くことが多いので注意が必要です。

ブレやすい場合は、画面に触れずにシャッターが切れるセルフタイマー(下項参照)を使うのが効果的。明るい場所であれば、シャッターを押し続けて連写して、そこから1枚を選んでもいいでしょう。

暗い場所での撮影には、HDR(ハイダイナミックレンジ)での撮影が効果的です。

HDRとは、わかりやすくいえば、明るさが異なる複数の画像を撮影して、バランスよく合成してくれる機能。iPhone 13シリーズは自動で適用され、iPhone 12以前の機種では、オン/オフができます。Androidは、カメラの「設定」でオンにできるのが一般的です。

なお、露出補正でも明るさを調整できますが、全体が明るくなって、もともと明るい部分が白くなってしまうこともあります。まずはHDRで撮ってみて、露出補正で微調整することをおすすめします。

HDR撮影や露出補正を活用しよう

指でなぞると画面上のマークが上下に動いて明るさが変化する

iPhone 13シリーズは、暗い場所では自動でHDR撮影になるが、それでも暗く写るのなら、タップしてピントを合わせてから、画面を上下になぞると明るさを調整できる。

Androidは、機種にもよるが、カメラアプリの「設定」画面で、HDR撮影のオン/オフができる。また、マニュアル撮影モードにすると、明るさも調整できる。

iPhoneで写真を撮ったら、短い動画になってた!

▶︎「Live Photos」という機能で、シャッター前後の映像が記録されます。

iPhoneのカメラには、「Live Photos」という動く写真を撮れる機能があります。画面の右上に表示されるアイコンでオン/オフができ、オンになっていると、シャッターを切った前後1.5秒ずつの映像が記録されます。

撮影したLive Photosは長押しすると、動きを確認できる仕組み。「ループ」「バウンス」「長時間露光」といったエフェクトで編集することもできます。

Live Photosは、一般的な静止画データと同じように扱えることも利点。そのままメールやメッセージに添付して送ることができ、SNSに投稿したりもできます。

オン/オフは切り替えられる

画面右上の円形アイコンをタップすると、「Live Photos」のオン/オフが切り替えられる。

「写真」アプリで画像を表示させて、左上の「LIVE」をタップするとエフェクトを加えられる。

上手に自撮りをする方法があったら教えて

▶︎ややハイアングルでカメラを見上げるように撮ると、すっきりとした印象に。

イン(内側)カメラの性能は機種によって差がありますが、Androidのほうが自撮りの機能が充実していて、顔色などを補正できる機能も備えています。「美肌」「色合い」といった補正は、女性だけでなく男性も試してみる価値があるでしょう。

iPhoneのインカメラには美肌補正などの機能はありませんが、「ポートレート」にすると、背景をぼかしたり、「スタジオ照明」「輪郭強調照明」などのライティング効果を加えることができます。

なお、ややハイアングルでカメラを見上げるような角度で撮ると、すっきりとした印象になりやすいです。

ライティング効果や補正機能も活用しよう

iPhoneは「ポートレート」モードにして、ライティング効果を加えて撮るのがおすすめ。

Androidのインカメラは美肌補正などの機能が搭載されていることが多い。

セルフタイマーの使い方を知りたい

▶︎メニューから時計のアイコンをタップし、「3秒」や「10秒」などを選択します。

スマホのカメラには、自動でシャッターが切れる「セルフタイマー」機能があります。

iPhoneは、まず画面を上方向にスワイプして、アイコンのメニューを表示させます。次に、時計のアイコンをタップして、「3秒」または「10秒」を選択すると、それぞれの時間のセルフタイマーを設定できます。

Androidの場合も、カメラアプリで時計のアイコンをタップして起動するのが一般的です。見当たらない場合は、カメラの設定画面を開いて、セルフタイマーを有効にすると、時計のアイコンが表示されるようになります。

Androidでは「設定」で有効にする機種もある

iPhoneは、画面を上にスワイプして表示されるメニューで時計のアイコンを選択すれば、タイマーを設定できる。

AndroidのシャープのAQUOSシリーズでは、カメラアプリの「設定」で「セルフタイマー表示」をオンにする。

「QRコード」を手間なく読み取りたい

▶︎ほとんどのスマホで、カメラアプリを使ってそのまま読み取れます。

iPhoneのカメラでは、QRコードにかざすだけでそれを認識して、ウエブサイトにアクセスしたり、読み取った情報をほかのユーザーと共有したりできます。

Androidも、ほとんどの機種がカメラにQRコードの読み取り機能が組み込まれていて、そのまま読み取れます。もし、カメラアプリでQRコードを読み取れない場合は、「Playストア」から、QRコードの読み取りアプリをダウンロードしましょう。

なお、「LINE」アプリで友だちを追加するためのQRコードリーダーも、ウェブサイトのQRコードの読み取りに使えます。

読み取った情報をほかの人と共有できる

iPhoneは、カメラを起動してQRコードにかざすだけ。右下のアイコンをタップすると、情報共有なども可能。

Androidのほとんどの機種もカメラをQRコードにかざすだけで、スムーズにサイトに接続できる。

撮った写真がイマイチだった。修整できる?

▶︎iPhoneの「写真」、Androidの「フォト」では編集も可能です。

iPhoneの「写真」アプリ、Androidの「フォト」アプリは、写真や動画を見るだけではなく、編集できる機能も備えています。

iPhoneの「写真」では、修整したい写真を表示させて「編集」をタップすると、編集メニューが表示。自動で明るさを調整できるほか、ハイライト、コントラストといった細かい補正もでき、好みの明るさや色調にできます。また、傾きを正したり、不要な部分をトリミングしたりもできます。

Androidの「フォト」は、写真を表示させて、画面下の「編集」をタップ。「補正」で自動補正が行え、「調整」を選択すると明るさやコントラストなどの細かい調整ができます。

なお、「フォト」には、「ぼかし」「HDR」などの高度な編集機能もあり、有料でオンラインストレージの容量を増やせる「Google One」のメンバーになると利用できます。しかし、無料で使える画像編集アプリはたくさんあるので、まずはそれらを試してみましょう。

露出や明るさ、色調などのシンプルな補正は簡単にできる

iPhoneは、「写真」アプリで修整したい写真を表示させて「編集」をタップ。露出、ブリリアンス(明るさ)、ハイライト、シャドウなどを調整して好みに補正できる。

Androidは、「フォト」で写真を表示させて「編集」をタップ。青っぽく写った場合は「ウォーム」、オレンジっぽく写った場合は「クール」の補正も効果的。

どんどんたまっていく写真は、どこに保存しておくのがいい?

▶︎手軽なのはパソコンですが、オンラインストレージがおすすめです。

スマホのカメラで撮った写真は、スマホ本体に無制限に保存できるわけではありません。内部ストレージが満杯になったら保存できなくなり、すでに保存してある写真を削除するなどの措置が必要になります。

写真の保存先として最も手軽で経済的なのがパソコン。手順はWindowsとMacで少し異なりますが、デジカメで撮った写真を取り込む場合と同じように取り込めます。

クラウド(オンラインストレージ)に保存する方法もあります。広く普及しているのは「Googleフォト」ですが、無料で保存できるのは15Gバイトまで(GmailやGoogleドライブと共用)。それ以上は有料プランへの加入が必要です。

iPhoneは、「iCloud」に保存するのが便利ですが、無料で保存できるのは5Gバイトまでで、以降は有料でストレージ容量を拡張する必要があります。

比較的安く使えるクラウドとしては、Amazonのプライム会員(月額500円)が無制限で使える「Amazon Photos」が経済的です。

まずは無料で使えるクラウドを使ってみよう

iPhoneは、「iCloud写真」をオンしておくと、自動でクラウドに保存できる。ただし、5Gバイトを超えると、iCloudの有料プランに加入する必要がある。

「Googleフォト」で容量が15Gバイトを超える場合は、有料の「Google One」への加入が必要。

Androidは、「フォト」アプリの設定で、「Googleフォト」への自動バックアップを設定可能。節約画質に設定しておけば、より多くの写真を保存できる。

撮った写真を家族に送るには、どうやるのが簡単?

▶︎メールに添付するほか、まとめて送るならクラウド利用も便利です。

iPhoneの「メール」では、キーボードの左上の写真のアイコンをタップすると、写真を選択できる画面が表示され、選択した写真が添付されます。

Androidの「Gmail」では、メール作成画面の右上のクリップのアイコンをタップし、「ファイルを添付」を選択すると、写真を選択できる画面が表示されます。

以前は、モバイルデータ回線で送受信できるデータサイズに制約があり、ファイルサイズが大きい画像はリサイズする必要がありましたが、現在は、ほとんどの写真はそのまま送信できます。

多くの写真をまとめて送ったり、動画を共有したりするには、クラウド(オンラインストレージ)が便利。「Googleドライブ」「OneDrive」などにアップロードして、ダウンロードできるURLを相手に伝えるのが効率的です。

「LINE」「インスタグラム」などのSNSに投稿する場合は、写真が自動でリサイズされます。大切な写真はオリジナルのデータを保存しておきましょう。

メールへの写真添付は簡単

iPhoneは、容量の大きい画像を送信しようとすると、リサイズをすすめる画面が表示される。受信する側が使い放題プランではない場合は、なるべく小さいサイズで送るようにしたい。

Androidの「Gmail」アプリは、メール作成画面の右上にあるクリップのアイコンをタップして「ファイルを添付」を選択すると、「フォト」または「ドライブ」から写真を選択できる画面に進む。

スマホに保存してある写真を印刷したい

▶︎自宅のプリンターやコンビニのプリンターで出力できます。

自宅にプリンターがあり、スマホと同じWi-Fiにつながっている場合は、スマホからの操作で簡単にプリントできます。

iPhoneは「写真」アプリでプリントしたい写真を表示させて、共有メニューから「プリント」をタップ。接続できるプリンターが表示されるので、それを選択しましょう。用紙サイズと枚数を指定して「プリント」をタップするとプリントできます。

なお、複数の写真を指定して、まとめてプリントすることもできます。

Androidは、「フォト」アプリで写真を選択して、共有メニューから「印刷」を選択(見当たらない場合は「その他」をタップ)。プリンターを選択して、用紙サイズや枚数を指定して、印刷のアイコンをタップしましょう。

なお、「フォト」は、プリントしたい写真をアップロードして、セブン-イレブンで印刷できるサービスも利用可能です。

このほか、インターネットで注文したり、お店でプリントできたりするサービスもたくさんあります。

Wi-Fiを使って自宅のプリンターと接続できる

iPhoneは、「写真」アプリで写真を選択し、左下の共有アイコンをタップして「プリント」を選択。用紙サイズや枚数を指定して印刷できる画面に進む。

Androidは、「フォト」アプリで「ライブラリ」を選択して、左上のバッグのアイコンをタップすると、セブン-イレブンでプリントできる注文画面に進める。

カメラで翻訳ができるってホント?

▶︎「Googleレンズ」などを使うと、カメラをかざせば翻訳ができます。

Androidスマホには、カメラでさまざまなことを調べられる「Googleレンズ」という機能があります。Googleのウィジェット、またはカメラアプリから起動でき、「翻訳」をタップして文字を写すと指定した言語に翻訳できます。

なお、iPhoneでも「App Store」から「Google」アプリをインストールすれば、同じようにGoogleレンズを利用できます。

このほか、「Google翻訳」「マイクロソフト トランスレーター」などのアプリでも、カメラで外国語を読み取って、日本語や指定した言語に翻訳することができます。

目的の言語を選択して瞬時に翻訳が可能

iPhoneでも「Google」アプリをインストールすれば、Googleレンズの「翻訳」機能が使える。

Androidの画面。「Google翻訳」は、さまざまな言語に対応。ダウンロードした言語はオフラインでも翻訳できる。

「スクショ」を送ってといわれたけど、どうやる?

▶︎スマホ本体のボタン操作で、今表示されている画面をそのまま保存できます。

「スクショ」とは、表示された画面をそのまま保存する「スクリーンショット」のこと。

iPhoneでは、サイドボタンと音量を上げるボタンを同時に押す(ホームボタンがある機種はサイドボタンとホームボタンを同時に押す)と撮れます。

Androidは、電源ボタンと音量を下げるボタンを同時に押すと撮れますが、多くの機種では、より簡単に撮れる方法をそれぞれで用意しています。

スクショは、カメラで撮った写真と同じように、メールやメッセージに添付できます。スクショを撮ったあと、すぐに文字やイラストなどを描いて共有することもできます。

撮ったスクショはすぐに共有できる

iPhoneの画面。ウェブページのスクショを撮って一部を切り出したり、マークを付けたりして、保存・共有ができる。

Androidでは、スクショを撮ると、画面の左下にサムネールが表示。そこから「共有」や「編集」を選択可能だ。

※価格、サービス内容は記事作成時のものです。
■解説/村元正剛(ITライター)

この記事は『教えて!らくらくスマホ塾』(マキノ出版)に掲載されています。

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