ティファールが火をつけた、温度コントロールができる電気ケトル。世界中で大ヒットしました。近頃では、どのメーカーもラインナップ。世界中「茶飲みメイト」が増えているとか。それを狙ってということではないでしょうが、茶漉しが付いた電気ケトル「テイエール 1.5L」も発売されました。3ヶ月ほど使い思ったことが色々、ティーブレイクのちょっとした話としてレポートします。
ガラスのケトル「テイエール 1.5L」をレポート
まず、「テイエール 1.5L」を見た瞬間に「ほおっ」と思ったのが、ガラスであることです。電気ケトルの素材でもっとも多いのは「樹脂」です。便利す。なんたって割れません。火傷もしにくい。しかし「味がね」と思う人は実に多い。臭いが移るというのです。特に新品は臭いが強いとされます。
美味しい白湯を飲むためには、金属の薬缶か電気ケトル。これが大人の選択というもの。しかし、テイエールが採用したのは「ガラス」。ガラスの薬缶はあるにはあります。ジャスミン茶などに使われます。茶葉が開くと、キレイですが何にでも使われる物ではありません。作りにくいし、全面ガラスだと耐久性が心配になります。
しかし、茶を電気ケトル自体で淹れる場合は大いにプラスなのです。茶がどの位抽出されたのかが視覚から的確にわかりますので。ニオイ移りがない、抽出具合が分かる。双方ともに、茶を楽しむ上では重要なポイントです。
ティエールのメリット
量がすごい!
テイエールのお湯を沸かす適正量は、0.5〜1.5L。最大7人分くらい淹れられるでしょうか? 大きさは、一つの魅力です。お茶を出すときに、「ごめんね。足らなくなったから、すぐ沸かすよ。」という言い訳することはないです。
パーティでお茶を振る舞うのにぴったりという感じです。
洗い物が少なくていい
ちなみに、お茶を淹れるには、茶葉により適正温度が違います。このため、茶の湯では、湯冷しという容器を用意するくらい。お湯の温度を合わせ込みますので、このようなことは必要ありません。
また、急須も兼用。洗いの手間も省けますし、この大きさ。手を中に入れてしっかり洗うことができます。
お茶を飲むのには、これだけでいい(なんたって薬缶と急須を足したようなモデルですから)ので、かなりのシンプルライフとも言えます。
テイエールのデメリットは・・・
では、これ弱点はないのかというと、あります。それは、日本での茶葉販売がプアーになっていることです。昔、大家族が当たり前だった時代、茶は箱買いしました。使われたのは茶箱。季節衣類をしまう時、最強の保存箱です。
しかし、紙パックが出て世の中が一変しました。それにペットボトルでお茶を買うのが普通になりつつあり、ますます茶葉は、スーパーなどから遠ざかります。
商店街があるとお茶屋が残っているところも多い。それができる理由は、学校(茶道部)、お茶の先生などとのつながりです。それがないところは、ネット通販ですかね。
このモデル、買う前にして欲しいのは、自分の周りで茶葉を売っている所を探すことです。一つや二つでなく、数種揃えているところが望ましい。お茶は元々、高級品。ちゃんとしたお茶を飲むには手間がかかります。
まとめ
ティファールが、お茶用の電気ケトル、しかも大型を発売すると聞いて初めはびっくりしました。しかし、入手して使ってみるとかなりの出来。電気ケトルとしても使い勝手いいです。
最低は0.5Lと一人暮らしには、やや多めですが、二人以上からはうまく使えます。正直かなり便利。独特のフォルムも魅力的ですし、ニオイ移りなしですからね。多くの人におすすめができます。
あと、ガラスの中で沸騰する様子は、ちょっと見入ってしまいます。日々の軽い刺激。あと、煮出しができるのも、酸に強いガラスだから。買って損しない一品です。
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング、ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散策とラーメンの食べ歩き。