子ども用電動歯ブラシを購入してみました。実際の使用感と汚れはどこまで落とせているのか、歯医者さんに質問もしたのでレポをします。子ども用電動歯ブラシの導入を検討している方、今すでに子ども用電動歯ブラシを使っている家庭の方は、参考にしてください。
子ども用電動歯ブラシってどんなのがある?
電動歯ブラシというと、大人が使うものというイメージがあるかもしれません。しかし子どもにだって、ちゃんと子ども用の電動歯ブラシがあります。
振動・回転・音波の磨き方がある
動き方のタイプも、大人と同じように振動式・回転式・音波式の3種類。ブラシ部分の振動や動くスピードは大人の半分ほどですが、大人用と同じように、歯にあてることで汚れを掻き出してくれます。
ブラシ部分が光るものがある
子ども用電動歯ブラシは、ブラシ部分が光るタイプが多いです。
わざわざブラシ部分を光らせる目的は、口の中を照らしてくれるだけでなく「子どもが歯ブラシを好きになるため」というのもあてはまるそう。
たしかにピカピカ光る歯ブラシ見たさに、子どもが鏡を見ながら歯みがきをしてくれればありがたいです。中には7色に光るタイプもあり、口の中がお祭りのように賑やかになる子ども用電動歯ブラシも販売されています。
人気キャラとのコラボ&アプリとの連動がある
子ども用電動歯ブラシの中には、人気キャラとのコラボ製品もあります。デザインにキャラクターを加えているだけのものもあれば、キャラクターによって歯みがきがもっと好きになるよう工夫がされているものも少なくありません。
例えば、ドイツの電気器具メーカーの「BRAUN」が販売しているポケットモンスターの子ども用電動歯ブラシ。こちらは専用のポケモンアプリと連動させることで、歯を磨くたびにアプリ内のポケモンが増えていくシステムです。
ゲーム感覚で歯みがきを楽しめれば、子どもも歯を磨くことに抵抗が少なくなっていくでしょう。
赤ちゃんサイズもある
子ども用の電動歯ブラシは、製品によって対象年齢がさまざまです。1歳くらいの歯が生え出した時期から磨けるものもあり、対象年齢によってサイズや振動の強度が異なります。
また、子ども用電動歯ブラシの中にはブラシ部分さえ交換すれば、年齢が上がっても使える製品も。長く使用する予定なら、対象年齢が広いタイプを選ぶと良いでしょう。
実際に子ども用電動歯ブラシを使ってみた!
虫歯がひどい次男のために、実際にこども用電動歯ブラシを購入して使ってみました。
次男の虫歯がすごい
わが家には2人の男の子がいます。9歳の上の子は長いこと虫歯がない健康的な歯をしていますが、5歳の下の子は対照的です。
どれだけていねいに磨いても虫歯が治った先から次の虫歯ができ、歯医者に電話をすれば受付の人に「あらまた?」なんて言われるほどです。
単純に虫歯ができやすい体質なのかと思ったのですが、歯医者さんに聞いてみたところ、「口の中がすごく狭いから歯同士に隙間が全然ない。これだけ小さいとフロスもうまくできないだろう」とのこと。
どうにかして少しでも口内環境を整えようと、食べ物・甘いものの規制に加えて、巷で「普通の歯ブラシより全然良い」とされている子ども用電動歯ブラシを、藁にもすがる思いで購入してみました。
買ったのは 子ども向け医療機器メーカーの製品
購入したのは、子ども向け医療機器メーカー「Aidee(エイディー)」が販売するAORAです。
「業界最小レベル」とされているAORAのブラシなら、次男の狭い口の中もしっかり磨いてくれそう、と思い購入しました。
さらにAORAは口の中を照らすLEDライト付き。歯みがきを自分でほとんどせず、親が90%を磨くわが家では重宝している機能です。
ほんとに磨けてるのか不安
いざ!電源をオン!
見た目的にはただ振動をしているだけ……でもこの振動が大切で、手磨きでは届かない歯周ポケットの汚れも掻き出してくれるのだそう。いざ!次男の口内に出陣!
子ども用電動歯ブラシの磨き方は、歯1本1本の表面、裏側、上部分にそれぞれあてる「だけ」が正しいやり方だとされています。へたに動かすと振動が歯にうまく伝わらず、汚れがきちんと落ちないのだとか。
学んだ通り、歯1本1本、すべての面に子ども用電動歯ブラシをあてていきます。
……「ちゃんと磨けてるの?コレ」と思うほど、手応えがありません。もちろん、子ども用電動歯ブラシとしての機能は十二分に果たしているのでしょう。
しかしこれまで腕をシャカシャカ動かして歯を磨いていた人間にとって、歯にあてるだけで本当に汚れが落ちているのか、なぜ振動で歯周ポケットの汚れまで落ちるのか、意味がわかりません
決して頭脳明晰ではない筆者では、汚れが落ちる原理のイメージが湧かず、不安になってきました。
不安だから仕上げ歯みがきをする
あてるだけではどうしても汚れが落ちていない気がして、耐えきれずに100均で隙間用歯ブラシを購入。
結局、子ども用電動歯ブラシを終えたあと、この隙間用歯ブラシですべての歯の歯茎周り、死角になっている部分を磨いていきます。正直、普通の歯ブラシで磨いていたときより神経質な仕上げ磨きです。
時間短縮になったかは……「?」
子ども用電動歯ブラシの口コミには「歯みがきの時短になりました」というコメントをたびたび見かけます。しかしわが家の場合、子ども用電動歯ブラシ+隙間用歯ブラシで磨く手法を選んでしまったため、時間短縮どころかこれまで以上に時間がかかる結果に。
子ども用電動歯ブラシの魅力である時短は、かないませんでした。
歯医者さんに聞いてみた!「子どもに電動歯ブラシって実際どう?」
わが家ではいろいろ不安が残る子ども用電動歯ブラシ。虫歯治療で歯医者さんに行った際に、思い切って「子ども用電動歯ブラシに変えたんだけど、どう思う?」というのを、担当医に聞いてみました。
結果:あまりおすすめはしない様子
答えは、「あまりおすすめしませんね」とのこと。
理由を簡潔にまとめると……
「子ども用電動歯ブラシでは磨けない部分(隙間など)も多い。頼りすぎて油断すると、あっという間に虫歯になる」
「手磨きのほうが、気をつけて磨きやすいでしょ?」
「強すぎる振動が歯茎を傷つける可能性もある」
「子どものうちに電動歯ブラシに慣れさせると、それでしか磨けない子になってしまうかも。歯を磨く行為は、手を動かす刺激&自分で磨いて自分を守ることの大切さを覚えるのにも繋がるから……」
「そんなあああーーー!」
という気持ちと
「やっぱそうなの?」
という気持ちと、半々でした。
まったく落ちないわけではない
しかし、担当歯科医師によると「まったく落ちない」というわけではないのだそう。あくまで問題なのは、子ども用電動歯ブラシを信じきって油断をすること。
「口にさえ電動歯ブラシを入れておけば、歯垢が全部落ちてると勘違いしやすいけど、正しく使わないと意味がないからね」
「だから子ども用電動歯ブラシは使いわけてください。たとえば、忙しい朝だけ電動歯ブラシにするとか、子どもに歯ブラシを好きになってもらうきっかけとして使うとか」
「で、夜は必ず親が仕上げ磨きをすること。これは電動も普通の歯ブラシも一緒です。遠藤さんの隙間歯みがきで仕上げ、とても良いと思いますよ」
やった褒められた!
どうやら子ども用電動歯ブラシは悪くありませんが、使うのであれば頼りきらない・信じすぎないことが大切なのだとか。結局、普通の歯ブラシかそれ以上の扱いをして口内に目を光らせていないと、息子の虫歯地獄は終わらないということでしょう……。
まとめ
子ども用電動歯ブラシは腕を動かさなくても良いぶん、たしかにラクです。しかし汚れを落としている実感が少なく、筆者にとってはやや不安を感じてしまいました。
とはいえ、正しく使えば汚れを浮かせてくれます。そのため腕を動かすのが疲れる人や普通の歯みがきが苦手な子どもには、向いているのではないでしょうか。
一方で、これからお子さんに電動歯ブラシの導入を考えている方は、「電動歯ブラシさえあれば歯がキレイになる」とは限らないため、油断しすぎないように要注意!
子ども用電動歯ブラシを使用しても、仕上げ磨きはきちんとやってあげてくださいね。