仲のいい猫どうしは、ほっぺたや体の側面をこすりつけて互いのにおいを交換しますが、額にもにおいを出す臭腺があります。相手の頭に頭突きするときの猫のほんねについて、書籍『ねこほん 猫のほんねがわかる本』著者の卵山玉子さんと監修の今泉忠明先生に解説していただきました。
解説者のプロフィール
マンガ・イラスト 卵山玉子(たまごやま・たまこ)
猫好きのマンガ家。愛猫は里親募集で迎えたトンちゃん、シノさん。著書に『うちの猫がまた変なことしてる。』(KADOKAWA)、『ネコちゃんのイヌネコ終活塾』(WAVE出版)など。アメブロ公式トップブロガー。
▼ブログ
監修 今泉忠明(いまいずみ・ただあき)
哺乳動物学者。日本動物科学研究所所長。「ねこの博物館」館長。『猫はふしぎ』『飼い猫のひみつ』(ともにイースト・プレス)、『猫語レッスン帖』(大泉書店)、『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)、『わけあって絶滅しました。』(ダイヤモンド社)など著書・監修書多数。
本稿は『ねこほん 猫のほんねがわかる本』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
編集・執筆/富田園子(ライター・編集者)
相手の頭に頭突きするのは攻撃なの?
頭のてっぺんを相手にくっつけるのは親愛の気持ちを表す挨拶の一種。仲のいい猫どうしはほっぺたや体の側面をこすりつけて互いのにおいを交換しますが、額にもにおいを出す臭腺があります。そこを相手につけているのです。力強く何度も頭突きをする猫は、「好き好き!」の気持ちが抑えられないのでしょう。
自分から近づいていくのは下の立場
ちなみに挨拶のとき、しっぽを立てて自分から近づいていくのは下の立場の猫。子猫が母猫に甘えて体をこすりつけるように、下の立場の猫はボス猫などに自分から近づいて体をこすりつけます。上の立場の猫は動かずに相手のこすりつけを受け、母親のように相手のおしりをなめてやることもあります。
人間に対しては
人間に対しても、しっぽを立てて近づいてきて頭突きをしたり体をこすりつけてきたりするのは、その人を母猫やボス猫と思っている証拠。後ろ足でピョンと立ち上がって頭をつけてくる猫もいますが、それはなるべくなら相手の頭に自分の頭をつけたいからです。
猫のほんね
頭突きは「大好き!」を表す猫の挨拶。臭腺のあるおでこを相手につけてにおいを移してるんだ
◇◇◇◇◇
なお、本稿は書籍『ねこほん 猫のほんねがわかる本』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。猫好きのマンガ家、卵山玉子さんと哺乳動物学者の今泉忠明先生の強力タッグで贈る、猫のほんねがわかる本です。オールカラーのほんわかマンガで学べる猫の真実とは? 愛してるからぜんぶ知りたい、猫のきもちが100問100答で解説されています。猫も猫なりの理由があっていろんな行動をするのです。猫のほんねがわかれば、もっと理解できるようになりますよ。