ネット銀行では大半の取引がインターネット上で行われるだけに、セキュリティ対策には万全を期しています。ここでは、ネット銀行で使われているセキュリティの基本について知っておきましょう。
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セキュリティがしっかりしていて安心
複数セキュリティで不正操作などに対応
近年はフィッシング詐欺などによる不正送金事件が社会を騒がせているため、ネット銀行の利用に不安を覚えるかもしれません。
しかし、大半のネット銀行では強固なセキュリティシステムを採用し、安心して利用できます。ID・パスワード認証や取引暗証番号はもちろん、取引時に一度しか使えないワンタイムパスワードを発行するなど、2要素以上の認証方法が基本となっています。
さらに、SSL/TLS、ファイアウォール、システム常時監視などにより、不正侵入や情報漏えいにも万全の体制を敷いています。
ネット銀行でよく使われるセキュリティ
【CASE(1)】SSL/TLS
ネット上でデータを暗号化して送受信する仕組み。通信内容が暗号化され、個人情報の漏えい・盗聴・データの改ざんを防止できる。
【CASE(2)】ファイアウォール
ネットワーク境界部に設置されるセキュリティシステム。外部からの不正侵入や攻撃に対し、内部ネットワークを保護する役割を果たす。
【CASE(3)】ID・パスワード認証
銀行サイトへのログインに必要となる。パスワードは文字数や組み合わせに条件があり、簡単な文字列は使えないケースが多い。
【CASE(4)】取引暗証番号
ネット振込などの取引、ATMでの入出金などの際に必要となる暗証番号。桁数は銀行によって異なるが、4~12桁程度のことが多い。
【CASE(5)】ワンタイム認証
取引時に発行する1回限りの使い捨てパスワード。万一、ログイン用IDやパスワードを知られても、ワンタイムキーがないと取引できない。
【CASE(6)】システムの常時監視
ネット銀行の多くでは、サーバーやシステムを24時間365日常時監視している。障害や不正を未然に防止する体制が整っている。
独自セキュリティを導入する銀行もある
ネット銀行の中には、独自のセキュリティ機能を提供しているところもあります。
例えば、住信SBIネット銀行では、無料のセキュリティアプリを提供。住信SBIネット銀行のサイトにアクセスすると自動で起動し、ウイルスや不正送金からパソコンを守ってくれます。
一部の銀行ではスマホの生体認証にも対応。安全で確実な本人認証で、スマホでも安心して取引できます。また、最近注目なのが「スマホATM」。スマホアプリを使ってATMから出金でき、アプリのログインなどのステップが必要になるため、キャッシュカードより安全性が高くなります。
なお、万一、不正アクセスなどにより被害をこうむった場合は、全国銀行協会の申し合わせ等に基づいて補償が行われます。
銀行独自のセキュリティにも注目
●スマホでカードレス入出金
住信SBIネット銀行、auじぶん銀行、PayPay銀行、セブン銀行などでは、対応するセブンイレブンまたはローソンのATMで、スマホアプリを使って入出金が可能。キャッシュカード不要で、なおかつ安全に入出金できる。
●銀行推奨のセキュリティアプリ
住信SBI銀行では、「SaAT Neti
zen」というセキュリティアプリを提供。フィッシング、ウイルス、不正アクセス、情報窃取まで、さまざまな危険性に対応する。
住信SBI銀行にログインすると、自動的に起動して不正送金などを防止できる。
●スマホによる生体認証・多要素認証
多くのネット銀行では、スマホ用アプリにログインする際に指紋や顔などの生体認証の設定が可能。IDとパスワードを使ったログインより安全性が高くなる。
住信SBIネット銀行などでは、ブラウザーからのログイン時にスマホによる認証が必要となる多要素認証を採用。スマホなしではログインできない仕組みだ。
●ATM利用をロックできる機能も
auじぶん銀行などでは、スマホアプリでATMでの現金出金、残高照会を禁止できる。出金したいときは、アプリでロック解除を行う必要がある。
◆この記事は2022年3月12日発行の「絶対得する!ネット銀行の賢い選び方&使い方」(マキノ出版)から掲載しています。記事内の情報は発行日のものです。最新の情報は各銀行の公式サイト等をご確認ください。