収穫したコーヒーチェリーから種子を取り出す加工処理のことを、「精製」というが、この精製方法もコーヒーの味わいに影響を与える。同じ農園で収穫された同じ品種のコーヒー豆でも、精製方法の違いで味に違いが出る。
[前記事:【コーヒーの基礎知識(1)】コーヒーの美味しさとはいったい何?実は「豆」ではなく「種子」のこと→]
加工処理の方法でコーヒーの味が変わる
収穫したコーヒーチェリーから種子を取り出したものがコーヒーの生豆になるというのは、前記事でも解説したとおり。
この種子を取り出す加工処理のことを、コーヒー豆の「精製」というが、この精製方法もコーヒーの味わいに影響を与える。
精製方法には「ウォッシュド」「セミウォッシュド」「ナチュラル」という、三つがある。
「ウォッシュド」はコーヒーチェリーを水槽に入れて選別と果肉除去を行ったうえで、ミューシレージ(粘液質)を除去し、乾燥・脱穀へと進むが、「セミウォッシュド」はミューシレージを一部残したまま乾燥・脱穀へと進む。
これに対し「ナチュラル」は、まず天日干しでコーヒーチェリーを乾燥したうえで、そのまま脱穀、選別を行う。
「ウォッシュド」はよりクリアですっきりとした味わい、「ナチュラル」はコクがある濃厚な味わい、「セミウォッシュド」はその中間的な味わいになる。
コーヒー豆の精製
同じ農園で収穫された同じ品種のコーヒー豆でも、精製方法の違いで味に違いが出る。コーヒー豆を選ぶときは、どんな精製なのかもチェックするといいだろう。
■イラスト 田村 梓(ten-bin)
※この記事は『自宅で楽しむおいしい珈琲の淹れ方』(マキノ出版)に掲載されています。