【コストコのウイスキーレビュー】コスパはいかに?「カークランド シグネチャー アイラ ピーテッド シングルモルト スコッチウイスキー」を5種の飲み方で試してみた

レビュー

コストパフォーマンスが高いと評判のコストコのお酒類。筆者もいろいろと購入しているのですが、今回は「カークランド シグネチャー アイラ ピーテッド シングルモルト スコッチ ウイスキー」(実勢価格:4,998円税込)を購入。750mlで約5,000円と結構高価なアイラシングルモルトスコッチです。こんな趣味性の高いシングルモルトウイスキーもコストパフォーマンスが高いのか? 5種類の方法で味わってみましたので、その実際をお伝えします。

執筆者のプロフィール

齋藤千歳(さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9平方メートルの仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行って
いる。

「カークランド シグネチャー アイラ ピーテッド シングルモルト スコッチ ウイスキー」とは

スコットランド・アイラ島で作られるスコッチウイスキー

「カークランド シグネチャー アイラ ピーテッド シングルモルト スコッチ ウイスキー」750mlで実勢価格は4,998円税込。アルコール度は50%です。

コストコで販売されている「カークランド シグネチャー アイラ ピーテッド シングルモルト スコッチ ウイスキー」(以下、「カークランドアイラウイスキー」)は、スコッチウイスキーのなかでもスコットランド南西部のアイラ島で作られたもの。アイラ島の単一の蒸留所で100%麦芽大麦から作られたシングルモルトウイスキーになっています。

アイラ島は人口3,400人程度の島でおもな産業はウイスキーの蒸留と観光。島内には10カ所近いウイスキーの蒸留所があるそうです。

また、スコッチウイスキーのなかでもアイラウイスキーが特別視される理由は、そのほとんどが海岸沿いで生産されるためか、ヨード臭のようなと表現される潮や海藻のような海辺の香りが感じられ、そして、ほとんどのアイラウイスキーが原料である大麦麦芽を乾燥させる際にピート(野草や水生植物が炭化した泥炭)を使用するため強いピートの香りがあり、さらに独特のスモーキーさが加わり、その複雑な味わいが世界中のウイスキー好きを虜にしているからだといわれています。

ちなみにアイラウイスキーを飲んだことがないという方でも、多くのブレンデッドウイスキーのキーフレーバーとして使用されているので、実はどこかで飲んでいる可能性があります。

「カークランドアイラウイスキー」はそんなアイラウイスキーのなかでも蒸留所は伏せられていますが、アルコール度50%のシングルモルトウイスキー。実際、蒸留所は10カ所以下ですので、筆者にはわかりませんが、飲む人が飲めば、どこのアイラウイスキーなのかは、ある程度わかるのかもしれません。

ちなみにコストコの公式WEBでは「カークランドアイラウイスキー」を「カークランドシグネチャーアイラシングルモルトは、黄金色のスコッチウイスキーに仕上がりました。クリーミーなシリアルの香りとバランスの取れた、泥炭の様な特徴があります。 燻製肉、塩キャラメル、葉巻のスモークの香り、フルボディなウイスキーです。これらのフレーバーは口に残り、長く、暖かく、スモーキーなフィニッシュとなっております。」と評しています。

750ml1本約5,000円は高いのか? 安いのか? 「カークランドアイラウイスキー」を5種類の方法で実際に飲んでいきましょう。

「カークランド シグネチャー アイラ ピーテッド シングルモルト スコッチ ウイスキー」を飲む

「カークランドアイラウイスキー」をストレートで飲む

約30mlをワンショットグラスに注いでみました。それだけで明らかにスモーキーで複雑な香りが周囲に漂います。

まずは「カークランドアイラウイスキー」をストレートで試してみました。約30mlをワンショットグラスに注いで、味わったのですが、グラスに注ぐ時点で立ち上るスモーキーで複雑な香り、その香りに強さも、普段筆者が宅飲みしている1本1,000円クラスのスコッチとは、まったく異なります。さすが高いだけのことはあるといった感じです。

ひと口含んでみると、口のなかで味わいと香りが爆発的に広がります。ウイスキーが苦手という方には、ちょっと刺激が強すぎますが、筆者のような酒好きにはたまりません。濃厚でスモーキー、そしてピートの香り、それでいて華やかで甘みを感じる、まさにアイラウイスキーといった味わいです。素直にうまい。ただし、慣れていない人にはちょっと強すぎると思います。

「カークランドアイラウイスキー」をトゥワイスアップで飲む

約30mlの「カークランドアイラウイスキー」に常温のミネラルウォーターを同量注ぐだけのトゥワイスアップで味わってみました。

ウイスキーに同量の常温の水を加えるトゥワイスアップ。ウイスキーのもつ華やかな香りや甘みなどを引き出すために、あえて冷えた水ではなく、常温のミネラルウォーターを加えるといいます。この方法で「カークランドアイラウイスキー」を試してみました。

ストレートの強烈な味わいも筆者はかなり好きなのですが、「カークランドアイラウイスキー」のトゥワイスアップは、50度と高めのアルコールも半減し、まろやかさを増した印象です。ストレートではピートの香りやスモーキーさ、ヨード臭などが強く前面に感じられますが、加水するとその奥にある複雑で華やか、そして甘みが強く感じられる印象。

ちょっとウイスキーが苦手という方にもぜひ味わってほしい飲み方です。

「カークランドアイラウイスキー」を水割りで飲む

グラスに氷を入れ、約30mlの「カークランドアイラウイスキー」に対して、約2倍から2.5倍程度のミネラルウォーターを加えて水割りにしました。

個人的には濃厚で強烈な味わいを楽しみたいアイラウイスキーのシングルモルトを水割りにするのは、ちょっともったいないという気持ちもあるのですが……。「カークランドアイラウイスキー」を水割りにしてみました。

氷を入れているので、当然香りの印象は弱まります。また、2倍から2.5倍の水を加えているので強烈な味わいも薄まります。とはいえ、アイラウイスキーらしいスモーキーさやピートの香りといった特徴がなくなるわけではありません。

強烈なアイラウイスキーの味わいがちょっと苦手という方にはちょうどいいのではないでしょうか。おいしくないわけではないのですが、筆者はぜいたくな飲み方であるように感じました。

「カークランドアイラウイスキー」をロックで飲む

氷を入れたグラスに「カークランドアイラウイスキー」をワンショット約30mlを注いで、ロックで楽しんでみました。

ゆっくりと溶けていく氷といっしょに「カークランドアイラウイスキー」を楽しむという意味では、ロックはよい飲み方なのでしょう。冷やされることで独特の香りも弱まり、氷が溶けて加水されるのでストレートなどと比べると飲みやすくも感じます。

しかし、筆者は貧乏性なのか、ゆっくりとロックで少量ずつ味わう際に、口のなかで温めて、より香りや味を引き立たせようとしてしまうのです。そんな飲み方をするなら、トゥワイスアップのほうがよいのではないかと思う始末。

ロックでも強い香りと濃厚な味わいは十分に楽しめるので、普段からウイスキーはロックという方は「カークランドアイラウイスキー」のロックもありでしょう。

「カークランドアイラウイスキー」をハイボールで飲む

「カークランドアイラウイスキー」30mlに対して、約3倍量の炭酸水を加えて、ハイボールにしました。かなりぜいたくな楽しみ方でしょう。

最後に「カークランドアイラウイスキー」をハイボールにして楽しんでみました。「カークランドアイラウイスキー」は100mlあたり667円なので、ハイボールシングル1杯200円(氷・炭酸水別)です。

シングルモルトのアイラウイスキーを薄めて飲むのはもったいないという意識が働き、すごくぜいたくなハイボールに感じるのですが、正直うまい。炭酸水のシュワシュワ感とキレのよさに「カークランドアイラウイスキー」のスモーキーさ、ヨード臭、潮のような味わいがすごくいいのです。個人的にはダブル(60ml)でも、ゴクゴクいけます。普段からゴクゴクいっていい価格のウイスキーではありませんが……。

シングルモルトのアイラウイスキーを炭酸割りにするという背徳感も手伝って、クセになる味わいです。普段のハイボールよりも断然おいしいといった印象です。

まとめ

スコッチウイスキー好きなら一度は試しておきたい「カークランドアイラウイスキー」

筆者はウイスキーに専門的な知識があるわけではありません。しかし「カークランドアイラウイスキー」は典型的なシングルモルトアイラウイスキーといった印象を受けました。スモーキーでヨード臭があり、ピートの香り、かなりしっかりとしたシングルモルトアイラウイスキーだといえるでしょう。なにせ、アイラ島には蒸留所が10カ所もありませんから、どこか知りませんが、ちゃんとした蒸留所のシングルモルトのはずです。

もし、もっとも生産量の多いカリラ蒸留所で作っているのだとすると、こちらのオフィシャルボトルは「カリラ12年」です。実勢価格はほぼ同じ5,000円前後。ちなみにアルコール度は43%でボトルの容量は700mlになっています。

「カークランドアイラウイスキー」は750mlでアルコール度50%ですから、ちょっぴりお得といえるかもしれません。

どちらにしても高価なシングルモルトのアイラウイスキーですが、なじみのショットバーなどに持ち込んで、ほかのアイラウイスキーと飲み比べ、中身が一体どのアイラウイスキーなのか? といった楽しみ方もできることを考えると、スコッチウイスキー好きなら一度は試しておいて損のない1本だと筆者は感じました。ぜひ試してみてはどうでしょうか。

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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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