Macを使っていて、動きが遅い・重いと感じた場合、いくつかの原因が考えられます。シンプルな方法で解消できることもあれば、少し作業を必要とするケースもあります。この記事では、重さが気になった時にまず試したい、すぐに実践できる対処方法をご紹介します。
その1:Macを再起動する
試してみたい解消法としてとてもシンプルな方法ですが、Macを再起動するだけで動作の重さを解消できるケースがあります。画面左上のAppleアイコンから「再起動」を選択しましょう。
そのまま60秒経つと自動で再起動が行われますが、すぐに再起動したい場合は手動で「再起動」をクリックしても構いません。この画面で「再ログイン時にウインドウを再度開く」にチェックを入れたままにしておけば、現在開いているウインドウが再起動後にもう一度開きます。
その2:アクティビティモニタから負荷の大きいアプリを終了する
特定のアプリケーションが原因でMacが重くなっているケースもあります。起動中のアプリのメモリ使用状況などは、「アクティビティモニタ」から確認します。
Finderの「アプリケーション」➡「ユーティリティ」から「アクティビティモニタ」を選択するか、メニューバーの虫眼鏡アイコンをクリックしてSpotlight(検索)を表示し、「アクティビティモニタ」と入力しましょう。
上部のタブで、「メモリ」を選ぶと、メモリ使用率の高い順にアプリやプロセスの名前が表示されます。現在使っていないアプリが上位にある場合は、そのアプリの選択後に左上の「✖」をクリックし、その後表示されるウインドウで「終了」を選ぶことでアプリを終了できます。
また、「CPU」タブを選べば、同様にCPU使用率の高い順にアプリを確認できます。
その3:応答していないアプリを強制終了する
なにかしらの原因で正常に応答していないアプリは、アクティビティモニタ上で赤い文字で表示されます。この場合、アプリを選択して左上の「✖」をクリックした後、「強制終了」を選ぶことで、このアプリを強制的に終了させることができます。
アクティビティモニタからアプリを終了もしくは強制終了する際に注意したいのが、「アプリ以外の項目は触らない」ということです。アクティビティモニタには、Mac全体の動作に影響する重要なプロセスも表示され、これらを終了させてしまうとトラブルが起こる可能性があります。
「何の項目だか分からないけれど、メモリ使用量が大きいからとりあえず終了しておこう」という行為は、NGです。ここで紹介した手順で終了/強制終了するのは、自分で起動した覚えのあるアプリの項目だけにとどめるようにしましょう。
その4:ストレージの設定を見直す
ストレージの空き領域が少なくなっていることで、動作が遅くなるケースもあります。現在のストレージ使用状況を確認するには、アップルメニューの「このMacについて」をクリックして、表示されるウィンドウで「ストレージ」タブを選びます。空き領域が残り少なくなっている場合は、「管理」をクリックしましょう。
ここで表示される項目のうち、「iCloudに保存」は、クラウド上に写真や書類を保存することで、Mac本体のストレージ使用量を減らすものです。ただし、これを有効にするにはiCloudに十分な容量が確保されている必要があります。場合によってはiCloudのストレージの追加購入が必要になる場合もあります。
また、「ゴミ箱を自動的に空にする」を有効にすると、「ゴミ箱」にファイルを移してから30日が経過すると自動で削除されるようになります。
通常、Finderなどから削除したデータは「ゴミ箱」に移動しますが、この時点ではまだ、ストレージ領域を使用している状態です。そのため、領域を空けるにはゴミ箱を空にする作業が必要になりますが、それを自動化することができます。
また、Apple TVを利用している場合は、「ストレージを最適化」から、視聴済みの番組のデータなどを削除することも可能です。
その5:サイズの大きな不要ファイルを削除する
PC内のデータから不要なものを探すには、上記の管理画面で「不要なファイルを削除」の「ファイルを確認」をクリックします。
動画や写真、書類などを削除する場合は、左サイドの一覧で「書類」を選択。サイズの大きい順にファイルが表示されるので、不要なものを選択して「削除」をクリックします。
この作業を進める際は、誤って大切なファイルを削除してしまわないように注意が必要です。ファイルを右クリックして「Finderに表示」を選ぶと、そのファイルが格納されているフォルダが開くので、心配なときは元のフォルダをを確認して本当に削除して問題ないか判断するとよいでしょう。
また、左サイドの一覧で「アプリケーション」を選ぶことで、アプリをサイズの大きい順に表示することも可能です。今は使っていないアプリがあれば、削除することで空き領域を増やすことができます。
その6:OSをアップデートする
古いOSをそのまま使っていることで、動作が重くなるケースもあります。OSのアップデートを確認するには、アップルメニューの「このMacについて」を開き、「概要」タブの「ソフトウェア・アップデート」をクリックします。
ここに「このMac用のアップデートがあります」と表示される場合は、「今すぐ再起動」をクリックすることでアップデートを行えます。
また、「Macを自動的に最新の状態に保つ」にチェックを入れることで、自動アップデートを有効にすることができます。
その7:ログイン項目を見直す
Macには、特定のアプリケーションを起動時に自動で開く「ログイン項目」の設定があります。必要以上に多くのアプリがログイン項目に設定されている場合、数を減らすことでMacへの負荷を下げることができます。
「システム環境設定」の「ユーザとグループ」でアカウント名をクリックして「ログイン項目」を選ぶと、ログイン時に自動で開くアプリが表示されます。不要なものがあれば、アプリを選択して「ー」をクリックしましょう。
その8:ブラウザのタブを閉じる
意外と見落としがちなのがWebブラウザです。ブラウザで大量のタブを開いていることが、Macの動作を遅くしている可能性もあります。調べものに集中している場合など、つい大量のタブを開きっぱなしにしがちですが、見ていないものは小まめに閉じるように心がけたいものです。
なお、「今は必要ないけれど、後でまた見るから閉じたくない」という場合、表示中のタブをまとめてブックマークに追加する機能を使うと便利です。Safariの場合は、メニューの「ブックマーク」で「これら〇個のタブをブックマークに追加」、Chromeの場合は、「ブックマーク」で「すべてのタブをブックマークに追加」を選びます。保存したタブは1つのフォルダにまとめて保存されるので、もう一度見るときも簡単に開くことができます。
その9:ブラウザのキャッシュや履歴を削除する
さらに、ブラウザの設定からキャッシュや履歴を削除したり、使っていない拡張機能を削除することも動作を軽くする効果を期待できます。
Safariの場合は、メニューバーの「履歴」➡「すべての履歴を削除」で履歴の削除が可能です。キャッシュを削除するには、「環境設定」の「詳細」タブにある「メニューバーに"開発"メニューを表示」にチェックを入れた後、メニューバーの「開発」から「キャッシュを空にする」を選びます。
chromeの場合は、設定の「プライバシーとセキュリティ」の「閲覧履歴データの削除」で履歴およびキャッシュの削除が可能です。
その10:セーフモードで起動する
「その1」から「その9」の解消法を試しても問題が解消されない場合、「セーフモード」でMacを起動してみましょう。
Intel Macの場合は、再起動した直後に「shift」キーを押し続け、ログインウインドウが表示されたらキーを放してログインします。
Appleシリコンを搭載したモデルの場合は、一旦Macを終了させた後、再度電源を入れてそのまま電源ボタンを押し続けます。「起動オプション」のウインドウが表示されたら指を離し、起動ディスクを選択した後、「shift」キーを押しながら「セーフモードで続ける」をクリック。その後、自分のアカウントでログインします。
セーフモードで問題なく使える場合は、もう一度Macを再起動してみましょう。これで問題が解消している可能性があります。
まとめ
Macが重いと感じた時に、すぐに実践できる解決方法をご紹介しました。動作の重さにストレスを感じた際は、まずこれらの方法を試してみることをおすすめします。
文◆酒井麻里子(ITライター)
スマホ、PC、ガジェットなどのデジタル製品レビューや、アプリ・サービスの解説記事などを執筆。Twitter(@sakaicat)では、デジタル関連の気になる話題や、ちょっと役立つ小ネタを発信。