【カーボンニュートラルとは】地球温暖化を止める?排出した二酸化炭素を差し引きゼロにする考え方

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地球温暖化を防ぐために、日本を含む世界各国が、2050年までに「カーボンニュートラル」達成を宣言しています。いったいカーボンニュートラルとは、なんでしょうか?「京都議定書」や「パリ協定」、「カーボンニュートラル」について解説しています。

解説者のプロフィール

一般財団法人 エネルギー総合工学研究所

1978年4月1日「財団法人エネルギー総合工学研究所」として設立。「エネルギーの未来を拓くのは技術である」との認識のもと、シンクタンクとしての研究活動を続けている。対象分野は地球環境、新エネルギー、電力システム、水素エネルギー、炭素循環エネルギー、原子力と多岐にわたり、とくに昨今では、CO2 の有効利用技術開発推進やカーボンニュートラルなど、脱炭素エネルギーシステム分野での最先端の情報を有する。著書に『図解でわかるカーボンニュートラル』(技術評論社)など。

本稿は『イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める! エネルギーのしくみ』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

イラスト/添田あき、堀口順一朗、北嶋京輔

地球温暖化を止める?「カーボンニュートラル」

二酸化炭素を排出したぶん吸収。差し引きゼロにするのがカーボンニュートラル!

地球温暖化を防ぐために、日本を含む世界各国が、2050年までに「カーボンニュートラル」達成を宣言しています。
いったいカーボンニュートラルとは、なんでしょうか?
それは、温室効果ガスの排出量を可能な限り削減する努力を行うけれど、どうしても排出してしまったぶんを、植林やカーボンリサイクルなどで吸収して、温室効果ガスの量を差し引きゼロにすることです。

カーボンニュートラルの考え方

排出せざるをえなかった二酸化炭素などの温室効果ガスを、ほかの取り組みで削減して、±ゼロにするのが「カーボンニュートラル」。

世界各国が地球温暖化対策を話し合うために、国連の主導のもと「国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)」という国際会議が、1995年から毎年開催されることになりました。
COPが大きく前進したのが、1997年のCOP3で採択された「京都議定書」と、2015年のCOP21で採択された「パリ協定」です。

本稿は『イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める! エネルギーのしくみ』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。

「京都議定書」と「パリ協定」

「京都議定書」と「パリ協定」

京都議定書は、温室効果ガス排出量の削減目標を国際的な数値目標としてはじめて定めたことが画期的でした。
しかし、この目標は先進国だけに課せられたため、不満をもった国々が離脱するなど、足並みが乱れます。
そこで先進国も途上国も分け隔てなくすべての国が目指す努力目標に合意したのが、パリ協定なのです。
その目標とは、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」というものです。

主要国の二酸化炭素削減目標

パリ協定では、すべての参加国が二酸化炭素の削減目標を定めた。

パリ協定の目標

世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする

2021年11月に開催されたCOP26で結ばれた合意文書「グラスゴー気候合意」では、2℃ではなく「1.5℃」に抑えることが目標として明記された。

※出典:外務省ホームページ「気候変動 日本の排出削減目標」

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なお、本稿は書籍『イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める! エネルギーのしくみ』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。近年、「エネルギー問題」や「再生可能エネルギー」という言葉をよく耳にします。「エネルギーって、なに?」と尋ねられたとき、適切に答えるのはなかなか難しいことです。この本を読めば、エネルギーとは何か、という基本的な知識が理解できます。同時に、私たちはその存在に気づかないうちに、数多くのエネルギーに囲まれて生活していることがわかると思います。エネルギーがなければ、世界中の人々の生活や経済活動が成り立ちません。一方、地球温暖化対策や脱炭素化により、エネルギーをめぐる状況は大きな転換期を迎えています。本書では、エネルギーの学問的な基礎知識に加え、最新の科学技術や、エネルギーにまつわる国際的なデータや制度についてなど、重要でおもしろいトピックをイラストと図解でわかりやすく説明しています。

イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める! エネルギーのしくみ
¥1,078
2022-09-14 11:03

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