75歳以上のかたで過去3年間に信号無視、交差点右左折方法違反などの重大な事故を起こす可能性が高い違反があった場合は、運転技能検査の受検が必要となります。検査は100点満点からの減点方式で70点以上が合格となります。不合格となってもくり返しの受験が可能です。
[別記事:【75歳以上の免許更新】認知機能検査の内容は?更新手続きの流れを知っておこう→]
本稿は[『75歳からの免許更新はこれでバッチリ!運転免許認知機能検査完全ガイド』(マキノ出版)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
運転免許技能検査対象となる違反行為11
ここで取り上げた11の違反行為は、どれも重大事故につながるものです。75歳以上の高齢ドライバーが、免許更新時、過去3年間でこれら11の違反行為のいずれかの違反歴があった場合、「運転技能検査」(下項参照)を受けなければなりません。
1. 信号無視
【しんごうむし】
=赤信号での交差点進入等。
2. 通行区分違反
【つうこうくぶんいはん】
=反対車線へのはみ出し、逆走等
3. 通行帯違反等
【つうこうたいいはんとう】
=追越車線を進行し続ける行為、路線バス等が接近してきたときに優先通行帯から出ない行為等
4. 速度超過
【そくどちょうか】
=最高速度をこえる速度で運転
5. 横断等禁止違反
【おうだんとうきんしいはん】
[法定横断等禁止違反]
=他の車両等の交通を妨害するおそれのあるときに横断、転回、後退等をする行為
[指定横断等禁止違反]
=道路標識等により横断、転回又は後退が禁止されている場所でのこれらの行為
6. 踏切不停止等・遮断踏切立入り
【ふみきりふていしとう】
=踏切で直前で停止せずに通過等
【しゃだんふみきりたちいり】
=遮断機が閉じようとしているとき等に踏切に入る行為
7. 交差点右左折方法違反等
【こうさてんうさせつほうほういはんとう】
[交差点右左折方法違反]
=左折時にあらかじめ道路の左側端に寄らないなど
[環状交差点左折等方法違反]
=環状交差点での右左折時にあらかじめ道路の左側端に寄らないなど
8. 交差点安全進行義務違反等
【こうさてんあんぜんしんこうぎむいはんとう】
[交差点優先車妨害]
=信号機のない交差点で左方から進行してくる車両の進行妨害等
[優先道路通行車妨害等]
=信号機のない交差点で優先道路を通行する車の進行妨害等
[交差点安全進行義務違反]
=交差点進入時・通行時における安全不確認等
[環状交差点通行車妨害等]
=環状交差点内を通行する車両の進行妨害等
[環状交差点安全進行義務違反]
=環状交差点進入時・通行時における安全不確認等
9. 横断歩行者等妨害等
【おうだんほこうしゃぼうがいとう】
=横断歩道を通行している歩行者の通行妨害等
10. 安全運転義務違反
【あんぜんうんてんぎむいはん】
=前方不注意、安全不確認等
11. 携帯電話使用等
【けいたいでんわしようとう】
=携帯電話を保持して通話しながらの運転等
運転技能検査の概要
75歳以上のかたが運転免許の更新時に、過去3年間で上に掲載した違反があった場合、運転技能検査の受検が必要となります。検査の内容は下記のとおりです。
100点満点からの減点方式で70点以上(※第二種免許は80点以上)が合格となります。不合格となってもくり返しの受験が可能です。
指示速度による走行
指示された速度で安全に走行することができるかどうかを確認
速過ぎたり遅過ぎたりした場合は10点の減点
一時停止
道路標識等によって一時停止が指定された交差点で、 停止線の手前で確実に停止できるかどうかを確認
停止線の手前で停止できなかった場合は、その様子に応じて10点または20点の減点
右折・左折
右左折時に、道路の中央線からはみ出して反対車線に入ったり、 脱輪したりせずに、 安全に曲がることができるかどうかを確認
車体が中央線からはみ出した場合は、その程度に応じて20点または40点の減点。脱輪した場合は20点の減点
信号通過
赤色の信号機に従って、 停止線の手前で確実に停止できるかどうかを確認
停止線の手前で停止できなかった場合は、その様子に応じて10点または40点の減点
段差乗り上げ
段差に乗り上げたあと、 直ちにアクセルペダルからブレーキペダルに踏み換えて安全に停止することができるかどうかを確認
段差に乗り上げたあと、適切に停止できないときは20点の減点
その他
検査中、 衝突等の危険を避けるために検査員が補助ブレーキを踏むなどしたときは30点の減点
※情報は記事作成時のものです。
※この記事は『75歳からの免許更新はこれでバッチリ!運転免許認知機能検査完全ガイド』(マキノ出版)に掲載されています。
