デジタルカメラを使っていて「充電が面倒」と感じたことはありませんか? 特に旅先で複数のカメラのバッテリーを充電しようと思うと、それぞれに専用の充電器が必須であったりと、筆者はかなり面倒だと思っています。そんなデジタルカメラ類のバッテリー充電を1台で8ブランド200機種行えるという「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」を筆者は実際に導入しました。そして、その便利さを痛感、皆さんにそのメリットをお伝えします。
執筆者のプロフィール
齋藤千歳(さいとう・ちとせ)
元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9平方メートルの仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。
カメラの充電器だけで配線はゴチャゴチャ
2メーカー4台分の充電だけでかなりの面積を専有
日常的にレンズ交換式のデジタル一眼カメラなどで撮影を楽しんでいる方だと、デジタルカメラは1台ということはないでしょう。少なくても2台、そしてそれ以上という方も珍しくないと思います。さらにカメラのメーカーも1社ではなく、複数社。すると、メーカー・ブランドごとだけでなく、カメラごとにそれぞれバッテリーが異なり、充電器がそれぞれ違うことも珍しくないでしょう。
筆者の家でも、比較的使用頻度の高いカメラだけで4台。メーカーはキヤノンとソニーで2社、ブランドはEOS、α、Cyber-shotで3ブランド、バッテリーはそれぞれ異なる物を使用するので、充電器が3台、Cyber-shotはUSBで本体充電する必要がありました。ひとつひとつはさほどの大きくないのですが、充電器も複数台になると邪魔。また、それらに電気を供給する電源タップといっしょに我が家の片隅でそれなりの面積を専有していました。
しかも、見た目もあまり美しくない状態です。
「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」ならすっきり片付く
筆者の場合、キャンピングカーなどで撮影旅行に行くときなどは、デジタルカメラの充電器も持って出掛けます。その時に毎回充電器を積み下ろしすると、持っていくのを忘れることもあるので、お出かけ用の充電器を別途購入することも多いわけです。そんなときに知ったのが「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」。日本国内ではケンコー・トキナーが取り扱っています。
この「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」は1台で8ブランド(キヤノン、ニコン、ソニー、富士フイルム、オリンパス、パナソニック、GoPro、DJI)のカメラなど200以上の機種のバッテリーを充電できるといいます。
カメラ好きには驚くに十分値するのですが、例えばキヤノンとソニー、ニコン、オリンパスのバッテリーを同じチャージャーで同時に充電できるといいます。普段あまりカメラに興味のない方にはわかりづらいかもしれませんが、極端にいうとソニーのプレイステーションとニンテンドーのスイッチのソフトが両方使えるみたいなイメージ。それくらいデジタルカメラのバッテリーはメーカーごと、どころが機種ごとに異なり、充電器もバラバラというやっかりなものなのです。
そして、実際に「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」を導入した筆者の家のデジタルカメラ用バッテリー充電スペースの写真が上に掲載したもの。メーカーも異なる4種類のバッテリーがスッキリとした状態で充電されているのがわかるでしょう。
「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」とは
本体となるチャージャー部分とアダプターで構成されるシステム
さすがに「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」でも、充電器をひとつ買えば、8ブランド200機種以上のバッテリーがすべて充電できるわけではありません。上に写真を掲載した充電の中心パーツとなるチャージャーを購入。筆者は最大でアダプターを同時に4つセットできる「Bronine 4ポートチャージャー」(実勢価格:13,500円前後)をセレクトしています。同時充電できるバッテリーが2種類でよければ、「Bronine 2ポートチャージャー」(実勢価格:8,300円前後)も用意されています。このチャージャー部分に充電したいバッテリーに合わせて「Bronine アダプター」を購入、このアダプターを取り付けて、充電を行います。
アダプターは充電したいバッテリーの合わせてセレクト
8ブランド200以上の機種のバッテリーを充電するために使う「Bronine アダプター」はひとつ実勢価格1,900円前後からです。とはいえ高いもので実勢価格2,500円程度なので極端に高いパーツではありません。
筆者の場合、ソニー用に「NP-BX1用アダプター」「NP-FZ100用アダプター」「NP-FW50用アダプター」の3種類、キヤノン用に「LP-E6NH用アダプター」を用意し、実際に充電に使用しています。
チャージャー本体部分とアダプターはマグネット式でとても簡単に取り付けることができます。しかも1ポートあたり最大18Wまでの電力を供給してくれるので、高速でのチャージが可能だといいます。
USB-Cに対応するチャージャーはさまざまな電源に対応
実際にレンズ交換式のデジタル一眼カメラといった本格的なカメラを使っている方なら、ご存じだと思いますが、本格的なカメラになるほど、バッテリーが大きいということもありますが、充電器自体も大きく、しかもほとんどの場合家庭用コンセント(交流)に対応したものが付属します。
そのため家庭用の交流電源がある場所でしか、充電できないのです。しかし、実際には本格的な撮影をする方ほど、車中泊であったり、キャンピングカーであったりと屋外のフィールドで長期間撮影することが多いでしょう。
そのため家庭用の交流電源だけでなく、そのほかの電源からもバッテリーに電気を供給したいわけです。「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」はチャージャーに対してPD対応のUSB-C1本で電源を供給するしくみ。電源供給を行うアダプターを変更すれば、さまざまな電源がからバッテリーの充電が可能です。
しかも電源コードは基本的にUSB-C1本なので、充電器まわりがすっきりと片付きます。これが気持ちいい。
自宅はもちろん、旅先などでも大活躍
筆者は元々、キャンピングカーや車中泊での撮影旅行での使用をメインに想定して「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」を導入しました。しかし、充電まわりが非常にすっきりと片付き、撮影旅行でも便利なので、最近は自宅でも出先でも「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」をメインに使用しています。その実際の様子を紹介します。
自宅の充電スペースが劇的にスッキリと片付き、気持ちいい!
チャージャーへの電源供給がPD対応のUSB-Cということもあり、充電まわりがすっきりとするだけでなく、電源アダプターを使いわけるとさまざまなシーンに対応できる「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」。
筆者の自宅では純正電源である「Bronine 65W GaN 3ポートUSB充電器」を使って家庭用の交流電源からチャージャーに電気を供給しています。「Bronine 65W GaN 3ポートUSB充電器」は実勢価格が8,700円前後と安くはないのですが、65Wまでの大容量に対応するので、容量をオーバーしないように気を付けるとPD対応のUSB-Cで電源供給可能なノートパソコンでも使えるため、パソコンのACアダプターをもうひとつ買うよりもコストパフォーマンスが高く、汎用性も高いので重宝しています。しかも3ポートなので、ほかの家族がスマホやタブレットの充電に使っていることも多い状況。
デジタルカメラだけでなく、スマホやタブレットの充電まわりもすっきりと片付くのがうれしいところです。
出先のクルマのなかでも充電が劇的に便利に!
元々筆者が「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」を導入したきっかけは車中泊での撮影旅行やキャンピングカーでデジタルカメラのバッテリーを快適に充電したかったからです。
実はクルマのなかで家庭用の交流電源に対応したデジタルカメラの充電器を使おうとするとシガーソケットの直流電源をインバーターなどで交流に変換、これをバッテリーの充電器に供給して、直流に変換しバッテリーを充電します。簡単にいうなら「直流」→「交流」→「交流」→「直流」というルートで充電しているわけです。
しかし「交流」→「直流」の変換ロスはあまり大きくないそうですが、「直流」→「交流」の変換には10〜20%程度の電力ロスが発生するといわれています。しかも、容量にもよりますが、「直流」→「交流」に変換を行うインバーターはファンなどを搭載しているものも多く、予想以上にうるさい。そのため、筆者は走行時に発電している電気を使用する普通車のシガーソケットでも、できれば「直流」→「直流」で電源供給がしたいのです。「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」は、これを可能にしてくれるので、とても静かで快適です。
また、キャンピングカーの場合は、充電しておいたサブバッテリーの電気を使用するので「直流」→「交流」→「交流」→「直流」という変換だけで2割近い電力が失われるのは我慢できない事態といえます。そのため、普通車での充電以上にキャンピングカーでの充電では「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」がよりありがたく感じます。
モバイル・ポータブルバッテリーにも対応しアウトドアでも大活躍
PD対応のUSB-Cから電源供給可能な「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」はモバイルやポータブルのバッテリーからの電源供給でカメラのバッテリーなどを充電することができます。これははっきりいってかなり便利。
ただし、筆者が実際に試したところ、当たり前なのですがバッテリーのUSB-Cから供給される電力が弱いと4ポートタイプのバッテリーすべてに同時の電源が供給できないなどと問題が発生します。マニュアルには1ポートでPD45W以上に対応するUSB-Cから電源を供給するようにと書かれていました。
モバイルやポータブルでPD45W以上に対応するUSB-Cコネクタを装備したバッテリーを用意する必要がありますが、それでもバッテリーから各種デジタルカメラ用のバッテリーが充電できるのはとても便利です。なお、シガーソケット電源を装備したポータブルバッテリーなら、そこからPD45Wに対応したシガーソケットUSB変換器を使って「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」に電源を供給するのもありでしょう。
まとめ
純正の充電器をもう一台買うなら検討するのがおすすめ
実際に導入してみて「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」はすごくいい。でも、高くない? と実は筆者も思いました。実際に筆者が導入したシステムを実勢価格でみていくと、「Bronine 4ポートチャージャー」13,500円前後、「Bronine アダプター」「NP-BX1用」1,900円前後、「NP-FZ100用」1,900円前後、「NP-FW50用」1,900円前後、「LP-E6NH用」1,900円前後に電源アダプターの「Bronine 65W GaN 3ポートUSB充電器」8,700円前後を加えると合計は29,800円と決してお安くありません。
しかし、純正ですべてのバッテリーの充電器を購入すると「NP-BX1用」5,300円前後、「NP-FZ100用」9,200円前後、「NP-FW50用」5,900円前後、「LP-E6NH用」4,600円前後で合計25,000円ほどします。
当たり前ですが、純正の充電器はカメラを買い換えてバッテリーが変われば充電器すべてを買い換える必要がありますが、「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」はアダプター部分だけ2,000円前後を買い換えれば対応可能。しかも電源アダプターの「Bronine 65W GaN 3ポートUSB充電器」はスマホやタブレット、ノートパソコンの充電などにも使えます。
そんな汎用性の高さと充電コーナーがすっきりと片付くといったメリットから筆者はもうひとセットほしいくらい。もし複数台のデジタルカメラなどを使っていて「充電器を買い増そう」と考えているなら、一度「Bronine VOLKIT バッテリーチャージャーシステム」を検討してみるのがおすすめです。