「やわらかアウトドア」派な筆者は、まだまだ経験が少ないためにガソリン式バーナーでうまく着火できずに苦戦したことがあります。使い慣れているカセットコンロならば、筆者でも苦労せずに使えるはず。そこで風防と一体式X型ゴトクを備えて専用キャリングケースもあるキャプテンスタッグ「UF-31 ウインドブレイク カセットコンロ〈ジュニア〉」​​を試してみたところ、じつにいい感じなのです。今回はそのお話をしていきます。

執筆者のプロフィール

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千秋(ちあき)

インドアな仕事をしながら、最近になってアウトドア・レジャーもいいなと思い始めたものの、本格的な登山をするほどではない「やわらかアウトドア」派。どちらかというとやや陰キャ。カメラ、コンピューター、デジタルガジェットも好きで、ネットショップ、ホームセンターあるいは百円ショップでも「安いけどお得な感じ」なものはないかと考えるのが好き。

コンパクトなアウトドア用カセットコンロという選択肢

コンロ本体はB5用紙くらいのサイズ

画像: 特徴的なX型ゴトクを強調した外観写真がめだつパッケージ。

特徴的なX型ゴトクを強調した外観写真がめだつパッケージ。

筆者は「やわらかアウトドア」派という感じの軟派です。屋外でアウトドア用品を使って調理した経験は、まだ数えるほどしかありません。そのためか、屋外での調理に対して、いまでもふんわりとしたあこがれのようなまぶしさを覚えますし、非日常の楽しさを感じます。

画像: 専用キャリングケースに入っています。

専用キャリングケースに入っています。

画像: 専用キャリングケースを開いたところ。

専用キャリングケースを開いたところ。

ずいぶん前になりますが、ガソリン式バーナーを借りて外出前に手入れをして、事前に着火の練習もしたのに、いざ当日にキャンプサイトでなかなか火をつけられない、というカッチョ悪い経験もしています。ふんわりとあこがれてばかりいないで、操作回数や使用機会を増やして慣れればいいのに。

そんな軟派な筆者が見つけたのが、キャプテンスタッグの「UF-31​​ ウインドブレイク カセットコンロ〈ジュニア〉」(メーカー希望小売価格:税込20,900円)​​です。家庭で使い慣れているカセットコンロ(カートリッジガスこんろ)ですが、バーナー部分に風を当たりにくくする風防があり、ゴトクの部分が小型調理器具向けにX型になっています。風防と汁受け部、ゴトクが一体式になっているので、吹きこぼしなどの後始末も簡単にできそうです。

コンロ本体のサイズはB5用紙程度の幅と奥行で、専用のキャリングケースの幅と奥行もA4用紙くらい。一般的なカセットコンロは30cm×30cmのサイズだそうですから、ひと回り小さいわけです。

画像: 本体の外形寸法は幅約274mm×奥行約188mm×高さ約110mm。幅と奥行はB5用紙(182mm×257mm )くらいです。

本体の外形寸法は幅約274mm×奥行約188mm×高さ約110mm。幅と奥行はB5用紙(182mm×257mm​)くらいです。​

キャリングケースがあるうえに持ち運びにも便利そうなサイズです。そして、操作に慣れているカセットコンロで風防もあるならば、持ち出しても「あれあれあれ。火がつかない」とあわてないで済むのではないか、と期待がふくらみます。

画像: 本体の幅と奥行はB5用紙くらいで、ケースはA4用紙くらいのサイズという数値を可視化しました。標準的なカセットコンロは30cm×30cmだそうですから、B5用紙(182mm×257mm )程度の幅と奥行というのはじゅうぶんコンパクトですよね。

本体の幅と奥行はB5用紙くらいで、ケースはA4用紙くらいのサイズという数値を可視化しました。標準的なカセットコンロは30cm×30cmだそうですから、B5用紙(182mm×257mm​)程度の幅と奥行というのはじゅうぶんコンパクトですよね。

画像: 重さはこんろ本体は約1.3kg。専用キャリングケースは約1kgで、組み合わせると約2.3kg。ガスカセットボンベは1本約250gです。

重さはこんろ本体は約1.3kg。専用キャリングケースは約1kgで、組み合わせると約2.3kg。ガスカセットボンベは1本約250gです。

各種安全対策もOK

外形寸法は小さくても、各種安全対策もきちんと考えられています。ガスカセットボンベの装着部分はマグネット式。一定の向きではないとカセットボンベの着脱ができないようになっていますし、器具栓つまみが消火の位置にないとカセットボンベは取り外せません。ボンベが加熱され内部圧力が高まると、自動でボンベが外れる圧力感知安全装置もあります。

さらに、ゴトクが反転していると汁受けが正常にセットできない汁受け反転安全機構も備えています。

画像: ガスボンベの取り付け部分は、ボンベの装着がしやすいマグネット式です。

ガスボンベの取り付け部分は、ボンベの装着がしやすいマグネット式です。

画像: 風防と一体式の汁受け部とゴトクの裏面にガイドの突起があります。これも向きや方向をまちがえると使えない安全対策のひとつです。

風防と一体式の汁受け部とゴトクの裏面にガイドの突起があります。これも向きや方向をまちがえると使えない安全対策のひとつです。

画像: 別売の「M-7621 キャプテンスタッグ ガスカセットボンベ3本パック」。容量は1本約250g。メーカー希望小売価格は税込1,485円です。

別売の「M-7621 キャプテンスタッグ ガスカセットボンベ3本パック」。容量は1本約250g。メーカー希望小売価格は税込1,485円です。

画像: ガスカセットボンベを組み合わせたところ。

ガスカセットボンベを組み合わせたところ。

小型調理器具向けのX型ゴトクが特徴

外径20cm以下の調理器具に

ケースが付属する風防付きアウトドア用カセットコンロという製品はすでにありますし、コンパクトサイズのアウトドア向け製品もいくつかあります。

ただ「ケースが付属する風防付きアウトドア用カセットコンロ」でも、「小型調理器具向けのX型ゴトクを持つ製品」は、いままで見たことがありません。

画像: 小型調理器具向けにゴトクがX型をしています。

小型調理器具向けにゴトクがX型をしています。

一合用のメスティンや、以前手に入れて試したダイソー「アウトドア用フライパン(16cm)」にはちょうどいい大きさです。

画像: ダイソー「アウトドア用フライパン(16cm)」がちょうどいいサイズです。1合用のメスティンでももちろんバッチリ合います。

ダイソー「アウトドア用フライパン(16cm)」がちょうどいいサイズです。1合用のメスティンでももちろんバッチリ合います。

本製品の説明書には、外形寸法20cmを超える大きさの調理器具を使用しないようにとあります。本体の奥行が18cm程度ですので、それを大きくはみ出てカセットボンベのカバーを覆うような大きさの鍋や鉄板などは、ボンベを加熱させて爆発につながる危険性があるために向きません。

また、輻射熱の影響も考えられるため、土鍋、長時間のおじや料理など鍋の空焚きも行わないようにとも書かれています。

画像: 取扱説明書の使用上の注意より。赤枠は筆者が追加しています。安全に使うために重要な部分です。使用前にきちんと読んでおきましょう。

取扱説明書の使用上の注意より。赤枠は筆者が追加しています。安全に使うために重要な部分です。使用前にきちんと読んでおきましょう。

コンパクトタイプとして十分な火力なのでは

また、全体が小型化されているためにバーナー部分もやや小ぶりです。そのためか火力は2.2kW(1,900kcal/h)とあります。説明書には、周囲の温度が20℃から25℃の場合のガス消費量は約160g/h、専用ボンベの使用時間は1本で約90分と記載されています。

キャンプに使うには2,500kcal/hぐらいの火力がひとつの目安になる、と読んだこともあります。もしかしたら火力はやや弱めなのかな、とカタログスペックだけを見ると気になりました。

画像: ホーローのケトルで0.5Lの水を実際に沸騰させました。キッチンのビルトインガスコンロとも比較し、さらに外気温が低いところでも。それぞれ2回ずつ繰り返しています。

ホーローのケトルで0.5Lの水を実際に沸騰させました。キッチンのビルトインガスコンロとも比較し、さらに外気温が低いところでも。それぞれ2回ずつ繰り返しています。

そこで、1.1L用のホーローのケトルに入れた0.5Lの水をじっさいに沸騰させて時間を測ってみました。ひとりであればカップ2杯ぶん、あるいはインスタントラーメン一袋に必要だろうと想定した量です。

室温は17℃、水道水をケトルに入れて測ると水温は11℃です。キッチンのビルトインガスコンロは都市ガスを使用する標準出力コンロで、2.97kw(2,550kcal/l)とありました。キッチンのコンロでは5分50秒程度で沸騰したのに対し、本製品では7分30秒ほどかかりました。思っていたほどの差が感じられないというのはひいき目でしょうか。

画像: 外気温6℃、北東の風風速3メートルの屋外で。体感温度は3℃と寒いことは確かなのですが、炎がゆらゆらと揺れるようすを眺めながら待つのも楽しめました。火が消えてしまうようなことはもちろんありません。

外気温6℃、北東の風風速3メートルの屋外で。体感温度は3℃と寒いことは確かなのですが、炎がゆらゆらと揺れるようすを眺めながら待つのも楽しめました。火が消えてしまうようなことはもちろんありません。

そして、ほぼ無風で外気温11℃の屋外で本製品を使って10℃程度の水道水を沸騰させたところ、所要時間は10分30秒ほどでした。さらに風速3メートルで外気温6℃の日没後に、10℃程度の水を沸騰させるのに12分23秒かかりました。

これだけの火力ならば筆者には十分に思えましたが、みなさんはどうでしょうか。いずれも家庭用のホーローのケトルを使っているので、アウトドア用の熱伝導率のより高いアルミのケトルなどでは、もっと短い時間で沸騰させることができるかもしれません。

また、ひとりでコーヒーを飲むだけならば0.5Lも沸騰させる必要はないかも。パスタを大量に茹でるならば話はべつですけれど、メスティンなどで水を少なめにして茹でる工夫をするのもおもしろそうです。

本製品はソロから2人程度での調理に特化するために、火力も実用上は問題ないレベルに抑えて、本体寸法を小型化したというわけなのでしょうね。



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