ダイソーで見かけた「アウトドア用フライパン(16cm)」。ハンドルが取り外しできることと、シーズニング不要で取り扱いの楽なステンレス製であると知り関心を抱きました。もちろん、アウトドア用途でどこまで使えるのかという興味も。そこで、ダイソーのポケットコンロと固形燃料を使って調理をしてみたところ、冷凍ハンバーグを焦がさずに火を通すことができていい感じです。以下で解説していきましょう。
執筆者のプロフィール
千秋(ちあき)
インドアな仕事をしながら、最近になってアウトドア・レジャーもいいなと思い始めたものの、本格的な登山をするほどではない「やわらかアウトドア」派。どちらかというとやや陰キャ。カメラ、コンピューター、デジタルガジェットも好きで、ネットショップ、ホームセンターあるいは百円ショップでも「安いけどお得な感じ」なものはないかと考えるのが好き。
直径16cmのアウトドア用フライパンを見つけた
ステンレス製というところに興味津々
ダイソー店頭で「アウトドア用フライパン(16cm)」を見つけました。300円(税込330円)商品です。直径16cm、重さは実測値で約200g(本体:約175g、ハンドル:約25g)でハンドルは取外しできます。
この大きさはソロキャンプで使われることを意図しているのでしょうか。皿と兼用できそうだし、直径16cmで本体のみ約175gならコンパクトで軽いので、複数持ち運べそうです。何個か使うのでもハンドルはひとつ持参すればいいですし。
「アルコールバーナーなどにのせて調理できる」「目玉焼きに」「肉料理に」とパッケージにも書かれています。食器洗い機、レンジ、オーブンIHでの使用は不可で直火調理用とのこと。
材質の欄を見ると「本体:ステンレス鋼」とあります。ここで筆者の好奇心の虫が目を覚ましました。「ステンレス製フライパンは使用前に油を塗って加熱してなじませるシーズニングが不要。手入れに気を使わないでいい」と聞いたことがあるからです。
そこで「アウトドア用フライパン(16cm)」もシーズニングをせずに焦がしすぎずに調理できるかどうか、試してみることにしました。「アルコールバーナーなどにのせて使用できる」とパッケージにあるので、ダイソーの「ポケットストーブ」と固形燃料で調理することに。ただし、天気の関係で自宅台所での作業です。
冷凍食品をあれこれ買って試すことに
蒸し焼きができるようになべ蓋なども
お弁当によく使っていて親しみがあり、野菜を細かく揃えて切らないで済むという理由で冷凍食品、鶏卵とベーコンを買ってきました。冷凍食品はミックスベジタブルと細切りポテト、そしてハンバーグ。自然解凍での喫食が可能とは書かれてはいない、ごく一般的な製品を選びました。
筆者の習熟を兼ねて、ミックスベジタブル、ベーコンエッグ、ポテト、そしてハンバーグという順番で試してみましょう。具材が小さいものから始めてだんだんと大きく厚みがある火を通しにくいものを、少しずつ試しながら調理していくということです。
蒸し焼きにもできるようにダイソーで「なべ蓋(16cm・18cm兼用)」とシリコン樹脂で表面加工を施したアルミホイルである「くっつきにくいホイル(6m)」もあわせて入手しておきました。アウトドア用品ではなく一般的なキッチン用品です。
さっそく使ってみます。前述のように、空焼きをして油ならし(シーズニング)はしていません。
固形燃料に点火して「アウトドア用フライパン(16cm)」を加熱します。あいまに水を垂らして温度を確かめます。フライパンの上で水滴のままであればまだ温度が低いということ。水がじゅうじゅうと蒸発するようになるまで加熱します。そして温まったら油を引きます。
まずはミックスベジタブルを冷凍のまま炒めました。たくさん盛ると火を通しにくいので、山盛りにしないように。ヘラや菜箸も木製など、金属製ではないものが向いています。じっくりと火を通しました。
ミニストーブをふたつ横に並べてベーコンエッグも並行して作りました。火の通りを心配して薄手のベーコンを選んだのですが、あっというまに火が通りました。ふつうの厚さのベーコンでも大丈夫です。
そこへ卵を割り入れました。卵に火が通るまでに薄手のベーコンを焦がしてしまいそう。筆者は目玉焼きは火を通したい派です。そこで、少量の水を入れてから蓋をして蒸し焼きにしました。
ベーコンをやや焦がしましたが、なべ蓋をして卵にも火を通すことができました。やはりなべ蓋はあるほうが便利です。
冷凍ハンバーグもいける!
なべ蓋かフライパン用アルミホイルがあれば活用範囲が広がる
こんどは具材に厚みがあるものを試します。まずは細切りポテトです。予熱をしてから油を引き、そこで解凍せずに炒めました。フライパンは浅いので揚げることはできませんが、炒めることはうまくできました。
おすすめはフライパン用アルミホイルで包んで蒸し焼きにすること。ホイルにポテトを凍ったまま入れて、塩コショウをまぶしてから包んでフライパンに乗せるだけです。油なしで済みますし、火の通りも早くなります。
最後に冷凍ハンバーグも焼きました。自然解凍させるなどの方法もふくめて、あれこれと数回試してみたところ、冷凍したままワインか水で蒸し焼きにする方法がうまく火が通り、焦がしすぎずにできるので気に入りました。
凍ったままのハンバーグをフライパンに乗せて水またはワインを注ぎ、そののちに火を点火して蓋をします。両面をそれぞれ10分程度焼きます。ときどきひっくり返し、最後は焦げ目をつけるために蓋を外して両面を数分間焼きます。25分弱の固形燃料ひとつぶんの燃焼時間で火が通りました。
まとめ
取り扱いはたしかにラクチン
アウトドア用フライパンをシーズニングをせずに使ってみて、焦がしすぎることなく冷凍ハンバーグも調理できたので、筆者は満足しています。
ハンドルが取り外せるため、焼きそばやチャーハンなどの、くっつきやすい食材を何度もひっくり返すような調理には向きません。16cmという大きさですので、大量の調理もできません。一口しか火力が使えないと調理時間がかかるかも。
そこで、おすすめしたいのがなべ蓋かフライパン用アルミホイルを併用すること。どちらかがあれば蒸し焼きにできます。火の通りも早く確実になり、調理できる種類も増やせます。
ステンレスとは、鉄にクロムを加えることで表面に非常に薄い被膜を作って錆びにくくした金属です。この被膜を強く傷つけてしまうと錆びる可能性があります。
フッ素樹脂コーティングがないために、加熱が十分ではないと焦げつかせることはあるでしょう。焦がしても洗う際にスチールたわしや先端の尖ったもの、クレンザーを使用すべきではありません。スポンジと中性洗剤で洗いましょう。
焦げは水につけておけばやわらかく落としやすくなります。また、水を張って重曹をひとつまみ入れて加熱し、沸騰させても落とすことができます。
このように使用にちょっとした工夫が必要かもしれませんが、この「アウトドア用フライパン(16cm)」は筆者にも取り扱いが楽だと思えました。シーズニングをしないで済むので、持ち運びも気楽です。今後も大活躍してくれそうです。