店頭で焼き芋を焼く甘い香りがすると、つい足を止めてしまう筆者。「サツマイモを洗って焼くだけ」と簡単であることはわかっているのに、自分で焼き芋を作ろうとレシピサイトを検索するたびに「アルミホイルを巻くべきか問題」などを見て「どっちなの!」と悩んでいました。ところがドウシシャ「甘熟焼き芋&BIGオーブントースター OTX-111」ならば、専用ケースに洗ったイモを入れて焼くだけと非常にシンプルです。簡単で便利でいい! 今回はそんなお話をしていきます。
執筆者のプロフィール
千秋(ちあき)
インドアな仕事をしながら、最近になってアウトドア・レジャーもいいなと思い始めたものの、本格的な登山をするほどではない「やわらかアウトドア」派。どちらかというとやや陰キャ。カメラ、コンピューター、デジタルガジェットも好きで、ネットショップ、ホームセンターあるいは百円ショップでも「安いけどお得な感じ」なものはないかと考えるのが好き。
焼き芋のあの甘い香りが恋しい
もっと簡単にできればいいのに
スーパーマーケットや青果店(いわゆる「八百屋さん」)の店頭で焼き芋を焼く甘い香りがただよっていると、みなさんもつい足を止めてしまうことはありませんか。筆者が東京都内に住んでいた子どものころには、石焼き芋の移動販売車の姿も見かけました。新聞紙にくるんで売ってもらった焼き芋の香りや感触も、忘れられません。そのせいか、焼き芋というとなんとなく、子どものころの冬の楽しい記憶を連想します。
焼き芋を作るのは簡単ですよね。サツマイモを洗って焼くだけですから。それなのに、このところ焼き芋は筆者にとって「日常的な食べ物」にはなっていませんでした。なぜだろう。おいしく焼くのにそれなりに時間がかかるからかも。
土鍋のような焼き芋鍋をガス台で使っていたこともありました。ただ、できれば専用器具よりもいろいろな用途に兼用できるほうが便利ですよね。そのためか、最近はイモを買ってきても、蒸し器でふかすばかりで焼き芋にしていませんでした。そして残念ながら、焼き芋のあのいい香りはふかし芋では味わえません。
そんなおりに目にしたドウシシャの「甘熟焼き芋&BIGオーブントースター OTX-111」はいわば、大きめなサイズのオーブントースターに専用の焼き芋メーカーが付属するセットですが、ふだんはオーブントースターとして使用でき高い汎用性があります。寒くなってきて焼き芋の香りを思い出したところで気になります。そこで、使ってみることにしました。
焼き芋メーカーで有名なドウシシャの製品
食パンなら4枚同時に焼ける広い庫内
株式会社ドウシシャのプレスリリースによれば、現在は「第4次焼き芋ブーム」なのだそうです。そして筆者は不勉強で知らなかったのですが、同社が2017年に発売開始した焼き芋メーカーは「累計出荷台数が10万台を超える『単機能型ホットプレート』としては異例の大ヒット&ロングランを記録」しているのだとか(同社プレスリリースより引用)。
「甘熟焼き芋&BIGオーブントースター OTX-111」(実勢価格8,000円から9,000円程度)は前述のように、オーブントースターと「甘熟焼き芋ケース」をセットにした商品です。単機能型ホットプレートも焼き芋以外の調理に応用は可能ですが、オーブントースターである本製品はほかの調理にもより使いやすいでしょう。
オーブントースターとしては、定格消費電力1,100Wと十分な性能を持ちます。温度調節は80〜240℃で可能。タイマーも最長60分まで。受け皿と「甘熟焼き芋ケース」、ハンドル、取扱説明書(保証書付)のほかにレシピ集も付属します。
専用の「甘熟焼き芋ケース」はサツマイモを2本並べて焼くことができます。イモの直径は5cm、長さは22cmまで。そのため、このケースが入るオーブントースターの庫内も広く、食パンならば4枚を同時に焼くことができます。直径25cmのピザも入ります。
サツマイモを洗ってケースに入れて焼くだけ
ずっとそばで見ていないでもいいところは楽ちん
焼き芋づくりに関してもどうもいろいろな「流派」があるように思えます。オーブントースターで焼くにも、アルミホイルに包むかどうか。事前に水に浸しておくべきかどうか……。レシピを調べようとグーグル検索をしていろいろなレシピサイトを見るたびに「いったいどっちなの!」と思い、焼き芋への情熱がなんとなく少し冷めてしまう……みなさんはそんなことはありませんか。
筆者の勝手な被害妄想的な思い込みにすぎないでしょうし、やってみて気に入ったほうを採用すればいいだけなのはわかっているのですが。
どうやら、大きなさつまいもの場合はアルミホイルに包んだほうが火の通りが早いということのようです。
本製品を使うとずっとシンプルです。サツマイモを洗って水分をざっと拭い、ケースに入れてフタをしてから焼くだけ。アルミホイルに包む必要はありません。温度は基本的には200℃。イモの大きさにもよりますが、基本的には1本なら40分から50分程度、2本なら50分から60分にタイマーをセットします。
ほくほくとした食感の「ベニアズマ」「高系(こうけい)14号」などには、水を100ccケースに入れるといいとレシピ集にあります。
タイマーをセットして焼き始めてからは、ガス台での調理のようにずっとそばで見ている必要はありません。ようすをときどき観察すれば十分です。
タイマーが終了してからは、できれば蒸らしの時間を置きましょう。余熱でさらに火を通します。
箸を刺してみてすっと通れば完成です。やけどをしないように、付属のハンドルやミトンを使ってケースからイモを取り出して、皿などにサーブして熱いうちに食べましょう。
サツマイモの食べ比べも楽しい
食感や甘さを好みで選ぼう
サツマイモの種類にも流行があります。また、地域による差も。東日本ではほくほくした食感の「ベニアズマ」の栽培が多く、「高系14号」とその改良品種である「なると金時」「紅さつま」などはおもに西日本で多く栽培されているとか。旅行先でその土地で栽培されているサツマイモを買って帰り、焼き芋にするというのも楽しそう。
「安納芋」が流行してからは、甘さが強くて水気の多いねっとりとした食感のイモが主流なのだそうです。しっとりした食感の「紅はるか」も今後広まりそうです。筆者はじつをいうと、イモの甘さや食感を意識して買ったことがあまりなかったのですが、今回は品種をあらかじめ調べておき、JA(農業協同組合)の直売店で複数のイモを買いました。
まずは、舌触りがなめらかで甘さの強い「シルクスイート」を選びました。2012年から種苗が販売されているまだ新しい品種で、最近注目されているそうです。
立ち寄ったJA直売店は埼玉県西部のお店だったので、「川越いも」としてかつて有名だった「紅赤(金時)」も見つけました。栽培がむずかしく東日本で主流の「ベニアズマ」に置き換えられてしまい、一時期はほとんど栽培されなくなったそうですが、一種のブランドイモとして最近では見直されているようです。購入時にもシルクスイートの倍の値段がしました。こちらは、むかしながらのほくほくした食感だそうです。
そんな事前知識を得てから焼いて食べ比べてみると、「シルクスイート」はたしかに水分が多くてなめらかですし、甘みが非常に強い。いまどきの焼き芋という感じ。
いっぽうの「紅赤(金時)」は、1898年に現在のさいたま市で突然変異したものが発見されたのがきっかけで栽培され始めたそう。「当時とても甘いイモとして人気を博し」たとさいたま市のウェブサイトにありましたが、より甘いイモが増えたいまとなってはむしろ、素朴な甘みとほくほくした食感がなつかしい。昭和時代の焼き芋はこんな感じだった気がします。
複数の種類のサツマイモを同時に食べ比べるのははじめてでしたが、おもしろいですね。日本には40品種ほどあるそうです。どこかにでかけたときには、いままで見たことのないサツマイモを探してみたくなりました。
まとめ
こんなに簡単ならば焼き芋が日常的な存在になりそう
焼き芋はけっして調理が難しいわけではないと思いつつ、火を通すのにそれなりに時間がかかることもあって、店頭で思い出しはするのに自分ではしばらく作ってはいませんでした。
それが「甘熟焼き芋&BIGオーブントースター OTX-111」を使えば、ケースに入れて待つだけ。2本焼くのに60分かかるのが嫌ならば、大きなイモを選ばないこと。さらに、イモを切って大きさを揃えてしまえば早くなるはずです。
焼けるのを待つあいだにも香ばしい香りを楽しむことができることと、なによりもガス台のそばにずっといなくて済むことが筆者にはずいぶん便利に思えました。これだけ簡単ならば、焼き芋をもっと日常的に作りたくなります。
そして、いまでも外出先で農産物直売店や地元のスーパーマーケットに立ち寄って、地元野菜を見るのが好きなのですが、そのさいに「見たことのないサツマイモをチェックする」ことも行おうと思いました。
単機能型ホットプレートの焼き芋メーカーと、オーブントースタータイプの本製品のどちらを選ぶかは、焼き芋を作る頻度の高さによるのではないでしょうか。大きな受け皿を収納できる本製品は、焼き芋以外の調理への応用がきくぶん、筆者にはより魅力的に思えます。大きなグラタン皿を買おうかな……などと思うと冬を楽しく乗りきることができそうです。むしろ、料理の作りすぎと食べすぎによる体重の増加に気をつけるべきかもしれませんね。