北海道に住んでいるからでしょう、筆者は超望遠レンズが大好きです。エゾリス、エゾシカ、キタキツネに、オジロワシ、オオワシなどなど、いつどこで野生動物に出会うかわかりません。となると、カメラを持っているときは、いつも超望遠レンズを持ち歩きたいわけです。しかし、超望遠レンズはなんだかんだいっても2kgオーバーは当たり前、それなりに重くて、大きくなります。しかし、最近ケンコー・トキナーから発売されたレフレックス(ミラー)レンズはもっとも軽い300mmで約235g、缶コーヒーのショート缶並みの重さとサイズで450mm相当の超望遠撮影が可能だといいます。このTokina SZ 300mm PRO Reflex F7.1 MF CFを中心に最新のレフレックス(ミラー)レンズを紹介します。

執筆者のプロフィール

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齋藤千歳(さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。

3種類のレフレックスレンズを新発売

そもそもレフレックスレンズ・ミラーレンズって何?

画像: 写真左から「Tokina SZ 900mm PRO Reflex F11 MF CF」「Tokina SZ 600mm PRO Reflex F8 MF CF」「Tokina SZ 300mm PRO Reflex F7.1 MF CF」。かなり大きさが違います。

写真左から「Tokina SZ 900mm PRO Reflex F11 MF CF」「Tokina SZ 600mm PRO Reflex F8 MF CF」「Tokina SZ 300mm PRO Reflex F7.1 MF CF」。かなり大きさが違います。

2022年11月にクラウドファンディングサービス「Makuake」でケンコー・トキナーから3本のレフレックス(ミラー)レンズが発表されました。「Tokina SZ 300mm PRO Reflex F7.1 MF CF」、「Tokina SZ 600mm PRO Reflex F8 MF CF」、「Tokina SZ 900mm PRO Reflex F11 MF CF」の3本でAPS-Cサイズ用のため、それぞれ450mm、900mm、1,350mm相当となる超軽量・コンパクトな超望遠レンズ。11月末までの約20日間で目標金額の約3倍、1,000万円以上を集め、カメラ好きの間で話題になっていました。この「Tokina SZ PRO」レフレックスレンズシリーズが2023年2月3日から一般販売が開始されたのです。「Tokina SZ 300mm PRO Reflex F7.1 MF CF」に至っては180mlクラスの缶コーヒーのショート缶よりも小さくて軽いという超望遠レンズ、筆者はずっと気になっていたので、早速3本を入手して実際に試してみました。

とはいえ、そもそも「レフレックス(ミラー)レンズ」って何? というのが普通だと思います。簡単にいうなら、普通の撮影用レンズは光学レンズを使って光を収束させるのですが、「レフレックス(ミラー)レンズ」は、この光を収束させるための光学系の中にレフレックス(ミラー・鏡)を使っているのです。そのため、反射望遠レンズなどと呼ばれます。レフレックスレンズもミラーレンズも基本的に同じ意味ですが、本記事ではTokina(トキナー)が伝統的に使用しているレフレックスレンズに統一して表記しています。

レフレックスレンズ・ミラーレンズの特徴

大きな特徴(メリット)は下記の4つです。

1.非常にコンパクトにできる。

2.とても軽くできる。

3.点光源がリングぼけになる。

4.色収差はほぼ発生しない。

専門的な要素はいろいろあるのですが、とても軽くてコンパクト、そしてリングぼけという独特のぼけが発生する超望遠レンズが「レフレックスレンズ」だと思ってもらえば間違いありません。また、構造上の特性から一般的にマニュアルフォーカス(MF)で、絞り(F値)のコントロールができなくなっています。

一般的な超望遠レンズの常識では考えられないような軽量コンパクトを実現してくれるのが「レフレックスレンズ」の最大の魅力といえるでしょう。

「Tokina SZ PRO」レフレックスレンズシリーズ3本のスペック

缶コーヒーのショート缶サイズの「Tokina SZ 300mm PRO Reflex F7.1 MF CF」

画像: 「Tokina SZ 300mm PRO Reflex F7.1 MF CF」。成人男性なら手のひらに収まる程度の大きさしかない450mm相当の超望遠レンズです。

「Tokina SZ 300mm PRO Reflex F7.1 MF CF」。成人男性なら手のひらに収まる程度の大きさしかない450mm相当の超望遠レンズです。

「Tokina SZ 300mm PRO Reflex F7.1 MF CF」は今回発売された「Tokina SZ PRO」レフレックスレンズシリーズでもっとも小さく軽いレンズで、それでも画角は450mm相当という超望遠を実現しています。実際に手にとってみると驚くのですが、成人男性なら手のひらに収まるサイズ。大きさは直径約61mm、長さは約74.5mm、重さは約235mmしかありません。対応するカメラマウントはソニー E、キヤノン EF-M、富士フイルム Xマウント用がそれぞれ用意され、APS-Cサイズ用のため実質画角は焦点距離の約1.5倍(キヤノン EF-Mは約1.6倍)となります。対応マウントや実質画角の倍率は「Tokina SZ PRO」レフレックスレンズシリーズで共有です。「Tokina SZ 300mm PRO Reflex F7.1 MF CF」では450mm相当(キヤノン EF-Mは480mm相当)の画角を実現しています。

レンズの明るさはF7.1固定とさほど明るくありませんが、最短撮影距離は約92cmと短く、最大撮影倍率が0.4倍と、マクロレンズに迫るようなアップでの撮影も可能です。筆者は今回の3本のレンズのなかでも大きさ、重さ、価格の面からもっとも注目しています。

画像1: 【超望遠レンズの選択肢の一つ】超軽くて小さい超望遠!缶コーヒーのショート缶並みのサイズと重さの450mm相当レフレックスレンズ「Tokina SZ 300mm PRO Reflex F7.1 MF CF」で野生動物を撮ってみた!
Tokina 望遠レンズ SZ 300mm PRO Reflex F7.1 MF CF フジフイルムXマウント 反射光学系 マニュアルフォーカス
【クラウドファンディングでも大好評の手のひらサイズ望遠レンズ】大きく、重く、高い、望遠レンズが手のひらサイズで使える!ミラーレスカメラ用ミラーレンズ
【反射光学系により圧倒的なコンパクト化に成功】鏡筒の前後にミラーを組み込むことで、レンズ内で光を2回反射させることにより同じ焦点距離の屈折式レンズと比べ大幅なコンパクト化に成功。また、その性質上色収差が出にくいのも魅力です。
【「欠けない」。真のドーナツボケ】ミラーレンズの特長の一つ、ドーナツボケ。SZ PROシリーズはそのドーナツボケが欠けることが内容にケラレを減らし美しい円状のドーナツボケを実現しています。
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2023-02-18 6:05

900mm相当をわずか500gちょっとで実現する「Tokina SZ 600mm PRO Reflex F8 MF CF」

画像: 900mm相当の超々望遠撮影を可能にする「Tokina SZ 600mm PRO Reflex F8 MF CF」。重さはわずか545gとびっくりするほど軽いです。

900mm相当の超々望遠撮影を可能にする「Tokina SZ 600mm PRO Reflex F8 MF CF」。重さはわずか545gとびっくりするほど軽いです。

「Tokina SZ 600mm PRO Reflex F8 MF CF」は焦点距離600mmのレフレックスレンズですが、APS-Cサイズ用のため、900mm相当の超望遠の画角を実現します。キヤノン EF-M用に至っては960mm相当。この約900mm相当という画角は、筆者が普段から超望遠撮影に使っている「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports」や「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary」をAPS-Cサイズでの撮影で使用して得られる画角とほぼ同じです。ただし、これらのレンズはAFのズームレンズとはいえ長さ約25cm、重さは2kg前後あります。これに対してMFのレフレックスレンズですが「Tokina SZ 600mm PRO Reflex F8 MF CF」は直径約88.6mm、長さは約125mm、重さは約545gしかありません。一般的な望遠ズームレンズに比べて、長さは半分、重さは1/4といったイメージでしょうか。かなり持ち歩きも楽ですし、最短撮影距離も約177cmと短く、マクロレンズ並みのクローズアップ性能である最大撮影倍率約0.4倍を実現しています。

画像2: 【超望遠レンズの選択肢の一つ】超軽くて小さい超望遠!缶コーヒーのショート缶並みのサイズと重さの450mm相当レフレックスレンズ「Tokina SZ 300mm PRO Reflex F7.1 MF CF」で野生動物を撮ってみた!
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2023-02-18 6:07

1,350mm相当の「Tokina SZ 900mm PRO Reflex F11 MF CF」は異次元の超望遠

画像: 実際のところ、ちょっと意味がわからないレベルの超々望遠撮影を可能にする「Tokina SZ 900mm PRO Reflex F11 MF CF」。1,350mm相当はすさまじい。

実際のところ、ちょっと意味がわからないレベルの超々望遠撮影を可能にする「Tokina SZ 900mm PRO Reflex F11 MF CF」。1,350mm相当はすさまじい。

「Tokina SZ 900mm PRO Reflex F11 MF CF」はその名のとおり焦点距離が900mm、APS-Cサイズのレンズなので画角は1,350mm相当になります。一般的に個人が持ち歩く超望遠は600〜800mm程度が限界で900mmや1,350mm相当といった超々望遠? はかなり特殊なレンズといえます。「Tokina SZ 900mm PRO Reflex F11 MF CF」は約725g、直径約96.1mm、長さ約168mmで、この脅威的な超々望遠を実現しています。レンズの明るさ(F値)が固定で11とあまり明るくはありませんが、最短撮影距離も約261cm、最大撮影倍率も0.4倍と非常に優秀です。個人レベルで購入、携帯できる超々望遠レンズとしては、ある意味、異次元の存在といえるでしょう。

画像3: 【超望遠レンズの選択肢の一つ】超軽くて小さい超望遠!缶コーヒーのショート缶並みのサイズと重さの450mm相当レフレックスレンズ「Tokina SZ 300mm PRO Reflex F7.1 MF CF」で野生動物を撮ってみた!
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【反射光学系により圧倒的なコンパクト化に成功】鏡筒の前後にミラーを組み込むことで、レンズ内で光を2回反射させることにより同じ焦点距離の屈折式レンズと比べ大幅なコンパクト化に成功。また、その性質上色収差が出にくいのも魅力です。
【「欠けない」。真のドーナツボケ】ミラーレンズの特長の一つ、ドーナツボケ。SZ PROシリーズはそのドーナツボケが欠けることが内容にケラレを減らし美しい円状のドーナツボケを実現しています。
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2023-02-18 6:09


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