キリンビールから、「キリンラガー」「一番搾り」に続く新たなスタンダードビール『キリンビール 晴れ風』が登場。引き算のイメージで作り上げたという今の時代に寄り添う新ブランドの味わいをレビューする。
ターコイズブルーが目を引く令和の新ビールは、ビールとしての旨味や飲みごたえのバランスを重視
少し開花が遅れた今年の桜を見ようと歩いていると、缶ビールを片手に花見をする見物客をたくさん見かけた。普段なら銀や金などのきらびやかな色が多いのだが、今年はどうも様子が違う。よく見ると、それはターコイズブルーのボディに麒麟のイラストが描かれている。そこで筆者は思い出した。あぁ、今月頭に発売されたアレだと。
その正体は『キリンビール 晴れ風』(アルコール分5%・350ml缶・実勢価格 税込184円・2024年4月2日発売)。キリンビールが「ザ・ゴールド」を発売した2007年以来、17年ぶりの定番ビールとして発売した新商品である。
この17年で酒税法改正や新ジャンルの登場など、ビール業界が大きく動き、そして私たちのライフスタイルは大きく変わった。元号も変わり、食事の在り方も変わったことで、食中酒として親しまれていたビールに求められる味も変化した。そんな時代に対応するべく、現代のユーザーに向けて作られたのがこの「晴れ風」だ。
原材料は麦芽とホップだけ。すっきりと飲みやすく、後味に旨味と風味がくる2つの顔。きれいな味わいで飲みやすい!
『キリンビール 晴れ風』の特徴は、ビールのきれいな味が感じられるバランスの良さ。ビールの旨味や飲みごたえと飲みやすさを両立させるために、苦味や酸味が突出しない(引き算した)まろやかな口当たりと飲み飽きない味になっているという。
グラスに注ぐと、やや透明感のある黄金色のビールから日本産の希少ホップ「IBUKI」の爽やかな香りが感じられる。いわゆるビールくささが抑えられていて、清々しい香りが「晴れ風」によく似合う。
飲んでみると、きれいな味を見事に表現した軽やかな飲み心地。ホップの爽やかさはもちろん、酸味や苦味が抑えられていて飲みやすく、おいしい。ビール特有のビール臭さも最低限に抑えられているため、ビールが苦手な人でも飲みやすいのでは?
そして、飲み終えたタイミングで麦の旨味と苦味、香ばしい風味が感じられた。その余韻にいわゆるビールらしさが隠れており、この後味を堪能したくなるような2面性のあるビールとも思えた。
基本的には雑味のない飲みやすいビールとしての印象が強く、たしかに今の時代に求められている重すぎないビール。食中酒としてもぴったりだろう。100年以上にわたり培った技術とノウハウによって、キリンビールの新定番になるのかもしれないと思った。
入手は全国の取り扱い酒販店、スーパー、コンビニなどで可能だ。
【お酒は20歳になってから】