【ウイスキー】日本限定の12年ものは実際どれだけうまいのか?通常ホワイトホースと12年を4つの飲み方で実際に比べてみた!

酒類

日本でもっとも売れているブレンデッドスコッチ「ホワイトホース」。スタンダードボトルともいえる「ホワイトホース ファインオールド」と日本限定の「ホワイトホース 12年」の2種類が流通しています。価格差は約1,000円。どっちを買うのが幸せか、4種類の飲み方で比べてみました。

 

日本でいちばん売れているブレンデッドスコッチは「ホワイトホース」

日本限定の「ホワイトホース 12年」は2,000円台前半で購入可能。かなりコストパフォーマンスの高い1本になっています。

 

世界的にみると10位前後の「ホワイトホース」がなぜ日本では1位!?

1週間でだいたいボトル1本、新しいウイスキーを買うのを楽しみにしている筆者ですが、今回の記事を書くために「ホワイトホース ファインオールド」と日本限定の「ホワイトホース 12年」を購入して以来、やや飲み過ぎです。だって、ハイボールが本当にうまいのですよ。

 

子どものときから、父親が大切そうに飲んでいるウイスキーとして「ジョニー・ウォーカー」と「ホワイトホース」そして「バランタイン」があった気がしています。そして世界的にも有名なのだろうと思っていたのです。

 

しかし、実際には現在のブレンデッドスコッチの販売量ランキングでいえば、世界的には「ジョニー・ウォーカー」が圧倒的な1位、その次に「バランタイン」が不動の2位。「ホワイトホース」は世界ランキングでは10位前後らしいです。意外。

日本におけるブレンデッドスコッチのド定番「ホワイトホース ファインオールド」。こちらもコストパフォーマンスの高い1本です。

 

ただし、日本での販売量ランキングは「ホワイトホース」が1位だそうです。これもちょっとびっくり。なんで、そんなに売れているのか? と調べてみても、伝説的なエピソードは日本の名監督黒澤明氏が愛飲していたとか、世界ではじめて金属製のスクリューキャップを導入したといったくらいのものしか出てこないのです。

 

ただし「ホワイトホース」といえば、アイラウイスキーの「ラガヴーリン」です。「ホワイトホース」の創始者のピーター・マッキーが蒸留所を継承。「ホワイトホース」にはキーモルトとして、この「ラガヴーリン」が使われているといいます。

 

個性的なアイラウイスキーのなかでも、スモーキーで濃厚な味わいが特徴といわれる「ラガヴーリン」。このような個性の強いウイスキーをブレンデッドのキーモルトとして使うのは珍しいそうですが、どうもこれが「ホワイトホース」のクセになるおいしさの秘密のようです。

 

そんな「ホワイトホース」の「ホワイトホース ファインオールド」と「ホワイトホース 12年」を飲み比べていきます。

 

そのままのストレートで楽しむ

色合いはほとんど変わりません。味わいについては「ホワイトホース ファインオールド」のほうが濃くて甘い印象です。

 

どちらもうまいが「ホワイトホース ファインオールド」が好き

「ホワイトホース」といえば、そのコストパフォーマンスの高さが話題になることもあります。確か、「ホワイトホース ファインオールド」でだいたい1,200円前後(税抜)、あまりにも普通に買っており、今回の正確な購入価格は不明です。「ホワイトホース 12年」は2,439円(税込)で購入しています。

 

「ホワイトホース 12年」との価格差も1,000円程度、「ホワイトホース ファインオールド」もかなりリーズナブルな価格です。その理由については諸説あるのですが、薄利多売との話もあり、酒好きとしてはうれしい限りです。

 

そんな「ホワイトホース ファインオールド」と「ホワイトホース 12年」をストレートで飲み比べて印象は、甘さはありながらほのかにスモーキーな「ホワイトホース ファインオールド」に対して、より華やかで洗練され、少し繊細な印象の「ホワイトホース 12年」といったところでしょうか。

 

筆者は「ホワイトホース ファインオールド」の甘みが結構好きなので、ストレートで飲むにはちょっと野暮ったい「ホワイトホース ファインオールド」のほうが好きです。

 

ロックで氷の溶けるのを楽しみながら飲む

「ホワイトホース ファインオールド」に比べるとスッキリとして苦みを感じるのが「ホワイトホース 12年」の特徴といえるでしょう。

 

どんなシーンで飲むかによって、好みがわかれそう

日本市場専用に開発されたという「ホワイトホース」のプレミアム品である「ホワイトホース 12年」は和食にも合うことを意識して作られたのでしょう。そのためか、華やかな香りが楽しめるのですが、どこか淡麗で洗練されたスッキリとした味わいなのです。

 

これに対して、リーズナブルでやや無骨、スモーキーさを感じる「ホワイトホース ファインオールド」は雑味感も含めて、やや骨太な印象。

 

同じロックで飲むと考えても、繊細な料理などをいっしょにロックで楽しむなら「ホワイトホース 12年」。夜更けに1人でお酒だけを楽しむなら「ホワイトホース ファインオールド」といった印象でしょうか。

 

同じ「ホワイトホース」の約1,000円違いのプレミアム品で「ホワイトホース 12年」と「ホワイトホース ファインオールド」には、かなり性格の違いを感じます。そこがとてもおもしろいところです。

 

「ホワイトホース」はやっぱりハイボール

「ホワイトホース 12年」のハイボールは非常にバランスがよく、筆者は何杯でも飲めそうな気がしてきます。つい、飲み過ぎてしまいます。

 

「ホワイトホース 12年」のハイボールは無限に飲めそう

CMなどの影響もあるのでしょうが「ホワイトホース」といえば、炭酸割りのハイボールという印象が筆者には強いのです。というか、筆者自身がウイスキーの飲み方としてハイボールか、ストレートがいちばん好きなのも大きいでしょう。

 

そして「ホワイトホース ファインオールド」と「ホワイトホース 12年」のハイボールです。当たり前ですが、普通においしい。「ホワイトホース ファインオールド」はリーズナブルな価格帯のウイスキーにありがちなアルコールのとげ感とほんのりスモーキーな味わいが炭酸水の刺激とマッチして、いい感じの味わいに仕上がっているように感じます。

 

これに対して「ホワイトホース 12年」のハイボールはワンランク上といった印象。洗練されたクリアな味わいに、余韻が長く、華やかな香り、ほのかに香るスモーキーさ。どれをとっても炭酸割り、ハイボールを強く意識したウイスキーなのだと感じました。とてもおいしい。

 

「ホワイトホース ファインオールド」もおいしいのですが、「ホワイトホース 12年」のハイボールは無限に飲めそうな、洗練された味わい。おかげで「ホワイトホース 12年」を購入してから、飲み過ぎの状態が続いています。

 

水割りにしても楽しんでみた

淡麗で苦みを感じる「ホワイトホース 12年」と甘みが前面に出てくる印象の「ホワイトホース ファインオールド」。好みがわかれるかもしれません。

 

ハイボールの印象が強すぎて水割りがあまり印象に残らなかった

ウイスキーの飲み方として最近では炭酸割りであるハイボールがいちばん好きですが、水割りも嫌いではありません。水でウイスキーを伸ばしたような、すーっと身体に入ってくるような水割りをゆっくり飲むのも好きなのです。

 

しかし、今回のテイスティングで「ホワイトホース ファインオールド」と「ホワイトホース 12年」の水割りは、あまり印象に残らなかったというのが素直な感想です。当たり前ですが、それぞれの味わいや特徴は水割りにしても感じられるのです。

 

ですが、「ホワイトホース ファインオールド」と「ホワイトホース 12年」、どちらの水割りを飲んでいても、これなら素直にハイボールにしたほうがおいしいよね、という気持ちが消えません。

 

おいしいハイボールにために「ホワイトホース 12年」をキープしたい

コストパフォーマンスの高い「ホワイトホース」は普段のみにあり

「ホワイトホース」は「ホワイトホース ファインオールド」も「ホワイトホース 12年」もコストパフォーマンスの高いブレンデッドスコッチです。

 

1本1,200〜1,300円程度とコストパフォーマンスの高い「ホワイトホース ファインオールド」ですが、筆者の知識や引き出しが足りないのもしれませんが、この価格帯で「ホワイトホース ファインオールド」を買うなら、似たような印象のブレンデッドスコッチである○○のほうがいいみたいなものが思い浮かびません。

 

「ホワイトホース」は「ホワイトホース」ということなのでしょう。筆者はいつも飲むウイスキーというよりも、時折なにやら飲みたくなる「ホワイトホース ファインオールド」といった印象です。実際、ストレートでも、ロックでも、ハイボールでも、水割りでも値段以上の働きをしてくれるのが「ホワイトホース ファインオールド」だと思っています。

 

これに対して「ホワイトホース 12年」には、実はさほど期待していませんでした。和食に合う淡麗で繊細ななどといって、アルコールのとげとげしさを抑えて、せっかくのクセをおさえた個性の弱いブレンドにしてしまうのだろくらいに思っていたわけです。

 

この予想は、完全に裏切られたわけではありませんが「ホワイトホース 12年」は思った以上においしいのです。今回筆者は2,439円(税込)とかなりリーズナブルに入手しているのですが、税込で2,000円台前半で購入できるのはかなり良心的です。

 

やや淡麗ですっきりとした味わいですが、ハイボールが本当においしい。すっきりと淡麗でクリアな味わいでありながら、華やかな香りと長い余韻、そして、ほんのりとスモーキー。非常に飲みやすくグビグビいけるわけです。まあ、おかげで飲み過ぎるのですが……。

 

ちょっと贅沢なおいしいハイボール用として「ホワイトホース 12年」を常備したいと思うほどです。「ホワイトホース ファインオールド」はそれほどと思っている方でも、ハイボール好きなら1度「ホワイトホース 12年」を試してみることをおすすめします。コストパフォーマンスも高く、ハイボール好きにはありがたい1本です。

 

 

 

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レビューグルメ・レシピ酒類
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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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