ダイソーの「電動ドライバー」。税込1,100円。気になってたのですが、数千円の電動インパクトドライバーを持っているのに、わざわざ乾電池式の「電動ドライバー」を買い足すメリットは? となっていましたが……。好奇心に負けて、結局購入。これが一般家庭には予想以上におすすめだったのです。
乾電池で十分な力(トルク)が得られるのか?
ダイソーの「電動ドライバー」が単3形乾電池4本で駆動
カラーボックスや組み立て家具を組み上げる際に「電動ドライバー」がほしくなりますよね。1本や2本のネジならいいのですが、引っ越しや部屋の模様替えで数十本のネジを締めなくてはいけないといったシーンでは、電動ドライバーが必須といえるでしょう。

必要な機能のみに割り切ったのでしょうが、やり過ぎ感があります。
ですから、我が家には既に電動ドライバーがあります。普通の電動ドライバーではなく電動インパクトドライバーというやつです。なので、我が家にもう電動ドライバーはいりません。わかっているのですが、100均好きの筆者はダイソーの「電動ドライバー」が気になって仕方ないのです。
税込1,100円という価格の制限、さらに今回の「電動ドライバー」は電源が単3形乾電池4本。コストパフォーマンスを優先しての選択でしょうが、電池のパワー的にもリチウムイオンが有利でしょう。そんな制約をクリアして販売されているダイソーの「電動ドライバー」がどれだけのものか、知りたくて実際に購入してみました。筆者はそういうヤツです。
ダイソーの「電動ドライバー」の基本スペック
実用本位最低限という印象だが、11種類のビットセット付き

付属のビットの数と種類は充実しています。
ダイソーの「電動ドライバー」の基本スペックは以下のとおりです。大きさは約7.3×4.6×21.5cm。材質はABS樹脂とクロムバナジウム鋼。重さは実測で約293g(電池あり)、電池なしでは約205g。ともにビットは未装着の数値。入力電圧/電流は6V/0.8A、消費電力は4.8W。無負荷での回転数が200rpm、3.7N・mです。手で回すよりは圧倒的に速い。
使用電池は別売りの単3形乾電池4本。充電式電池は使用できません。また、電池を入れる際に気になったのですが、電池ボックスが非常にきつく、電池が入れづらい。かなりギリギリまでコストを削った印象ですが、11種類ものビットが付属します。

11種類ものビットが税込1,100円の「電動ドライバー」に付属します。
マグネット式で取り付けるビットの内容は、マイナスドライバー3種(4mm、5mm、6mm)、プラスドライバー3種(PH1、PH2 、PH3)、ホシドライブビット3種(PZ1、PZ2、PZ3)、六角ビット2種(H2、H3 )と充実しています。
パッケージでは「力のかけやすいL字ハンドル」と解説されていますが、くの字に近い形状といえます。くすんだグレーと表面にむき出しの本体をとめるネジが、非常に無骨でコストを優先した印象を与えてくれます。道具として愛着はもてそうにありません。
「電動ドライバー」を実際に使ってみた
カラーボックスの解体・再組み立て

素人の筆者は、ネジ山とビットのサイズがきちんと合っているかを確認してから使っています。
一般家庭で電動ドライバーを購入して使う際に、もっとも多そうな条件として、カラーボックスの解体・組み立てを行ってみました。想定としては、引っ越しの際に解体して、再度組み立てるイメージです。
これは予想以上にスムーズにできました。以前は確か手動でネジを締めたと思うのですが、わずか数秒でネジは抜け、再度ねじ込むのも数秒レベル。手で回すのに比べると本当にラク。大量にネジを回すと翌日筋肉痛になる手動のドライバーにはもう戻れません。
また、充電式不可の単3形乾電池4本での駆動なので、トルクを心配しましたが、さほどの不満は感じません。新品の電池で定格時間は30分なので、ほとんどが秒単位で終わるネジ回しに限っては、不満は起きない印象です。

ネジ自体を緩めたり、閉めたりするのは普通に快適。
逆に、突然使いたくなったときに、充電池式で充電されていないよりも便利かもしれません。充電を待つよりは電池を買ってくるほうが早いでしょう。この点は意外な結果といえます。家庭用としては乾電池でもいいのかもしれません。
ただし、気になったのは「電動ドライバー」のパッケージに大きく「本締めとして使用しないでください」と明記されていること。本締めとして使用しないこととは、素早くネジを回転させてねじ込むのはよいが、最終的にネジを締めきる強度は手などでしっかり調整するようにということらしいです。この点はちょっと面倒。
ヒノキの工作板にも木ネジを入れてみたが……
数千円のインパクトドライバーでも苦戦したので仕方ない

ヒノキの工作板に木ネジをねじ込むためにはおすすめしません。
カラーボックスの解体・再組み立てが思った以上にうまくいったので、気分をよくした筆者は同じくダイソーで買ってきたヒノキ工作板に木ネジをねじ込もうと考えました。ガイド的な穴もない天然木材にネジをねじ込もうというわけです。
これは、あまりうまくいきませんでした。材が硬いためか、トルクが不足するようでうまくネジが入っていかず、打撃力のない普通の電動ドライバーなので、最後までネジをねじ込めない結果でした。
ただし数千円の電動インパクトドライバーで同じことをしたのですが、こちらも思ったより苦戦しました。こちらは最後までネジをねじ込むことができました。この点を考えると、組み立て家具の組み立てくらいまでで考えたほうがよいでしょう。
突発的な使用が多いならダイソー
頻繁に使うならキャンドゥの充電式も考慮したい

乾電池で動くのが一般家庭向けとしては便利です。
はっきり言ってしまうと、あと数百円も出せば、過去の記事でも紹介している「100均キャンドゥで発見!ミツキの「USB充電式電動ドライバー」が税込1,320円!使ってみた実力は?」

が買えます。そのためダイソーの「電動ドライバー」はちょっと、とも思ったのです。
とはいえ、逆に購入時には弱点に思えた単3形乾電池での駆動が大きなメリットに感じるのです。多くの場合「明日はネジを締めるぞ」と電動ドライバーを充電して用意し、作業をするわけではないでしょう。そして、使用頻度も低い。
となると、突然使いたくなっても乾電池で約30分も使うことができるダイソーの「電動ドライバー」は、一般家庭での突発的な使用を想定するコストパフォーマンスも高く、便利だといえるわけです。

個体差の可能性もありますが、電池ボックスが入れる電池が壊れそうなほどきつい。
アイテムとしての出来や所有する喜びは不問とし、コストパフォーマンスと実用性という点に絞るならダイソーの「電動ドライバー」はありといえます。とりあえず使えればいいという方には、非常におすすめの優れた商品です。
常に充電を管理して頻繁に使うならキャンドゥの「USB充電式電動ドライバー」。普段はほとんど使わず突発的に使う人には乾電池式であるダイソーの「電動ドライバー」がおすすめといえる結果です。
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