煙も蒸気も出さず、パウチを口に入れて歯ぐきにセットして使う「オーラルたばこ(無煙タバコ/スヌース)」。長時間の禁煙を余儀なくされる飛行機や新幹線などでも気軽にニコチャージできることで人気です。今回は初心者が知っておきたい使い方と選び方、大手3社3銘柄のBATジャパン『ベロ』、JT『ノルディック スピリット』、フィリップ モリス ジャパン『ジン by IQOS』を比較検証しました。
「オーラルたばこ」はれっきとしたニコチンを含むたばこ製品
禁煙場所でも使える自由度の高さが魅力のオーラルたばこ

長時間移動のプレッシャー
普段は紙巻きたばこや加熱式タバコなどを使用している人でも、新幹線や飛行機、永遠に終わらなそうな会議などで、長時間一服をガマンしなくてはならないシチュエーションもあるでしょう。そんなときの辛い「イップク欲」をふわっと鎮めてくれるのがオーラルたばこです。
オーラルたばことは?

オーラルたばこは、たばこ成分を含む小さなパウチ(小袋)を、上唇の裏側や歯ぐきと頬の内側の間に挟んで、粘膜吸収で使う無煙たばこです。燃焼も加熱も行わないため、煙も蒸気も発生しません。

「ベロ」白い粉の小袋はあやしいですが、”合法”です
オーラルたばこの代表格であるスヌースは、18世紀から北欧で発展してきたたばこ文化。そもそもはタバコ葉を粉砕して小袋に入れていましたが、近年は、植物由来繊維などを使ったタバコ葉を含まない白いパウチ型のモダンオーラルが広がり、日本でも『ベロ』を皮切りに、大手たばこ会社のモダンオーラル系(入っていてもタバコ葉は少量)製品が出揃いました。

「ノルディック スピリット」パウチの中身
「吸いたいのに吸えない!」そんな、いざというときのために

日本での普及のかたちは、全面的にオーラルたばこに切り替える人はまだまだ少なく、普段は加熱式タバコや紙巻きたばこを吸っている人が、緊急避難的にカバンに忍ばせて、喫煙場所がないときに活用する使い方をしている人が多いようです。
手がふさがらない、手軽に使える

使っている間は手がふさがらないので、作業中や移動中に使いやすいのが特徴です。充電やデバイスの手入れも不要で、容器からパウチを1つ取り出すだけで使えます。
オーラルたばこのデメリットは?
歯と歯ぐきの間、口の中でじんわりとニコチンを取り込むため、紙巻きたばこや加熱式たばこに慣れている人でも、最初は歯ぐきのピリピリ感や違和感に驚くことがあります。
日本のオーラルたばこの普及の現状
日本では、BATジャパン『ベロ』が駅ナカの『NewDays』、コンビニエンスストア、たばこ販売店などで展開され、オーラルたばこの存在が広く知られるようになりました。
続いてJT『ノルディックスピリット』、フィリップ モリス ジャパン『ジン by IQOS』が登場。2026年は、国内大手3社のオーラルたばこが出そろった年として注目されます。
オーラルたばこの使い方
使い方はシンプルです。

「ノルディック スピリット」の解説。
①容器側面のシールを剥がし、ぶちまけないように慎重にふたを開け、中からパウチを1つつまみ出す

②パウチを上唇の裏側、歯と歯ぐきの間(もしくは横の歯と歯ぐきの間)にセットする。
③そのまま動かさずに、約30分を目安にフレーバーを楽しむ。最初はピリピリ、その後ジンジンしてきたら成分の吸収が始まった証拠。
④使用後はパウチを取り出し、ゴミ箱へ捨てる。

※基本は普通ゴミですが、各自治体に従う。
注意点:飲み込んではダメ!
使用中は飲食を控えましょう。なぜなら食物と混ざり、誤って飲み込まないにするためです。初めて使う場合は、30分間フルに使い切ろうとせず、刺激や体調を見ながら早めに取り出して様子を見ましょう。
使いはじめの掟●たばこ熟練者でも、刺激が弱い製品から始めるべき理由

調子に乗って最初から強刺激製品を選ばないように。筆者はもう懲りました。最初は「●○○○」表示、もしくはミディアム、ライトを選ぶのが鉄則。
オーラルたばこは、肺へ吸い込むのではなく、口の中を覆う粘膜を通してニコチンを取り込む製品です。そのため、どんなに紙巻きたばこや加熱式たばこを普段から使っている人でも、吸収の仕方が違うため、自分のことを「初心者」と考えるべきです。
実際にセットして使うと、歯ぐきへの不快な刺激(ビリビリ、ジーン、ズンズンなど)を強く感じることがあります。それは最初から刺激の強い製品を選ぶことで、歯ぐきへの違和感を強く感じてしまう場合がほとんどです。
表記が各社微妙に違うこともあり、少し難しいですが、手順としては、「ベロ」「ノルディックスピリット」ならミディアム、「ジン by IQOS」ならLowと、一番低い強度が表記されている製品を使います。
いきなり強刺激製品を選ぶと刺激が不快!慣らし運転が必要な理由

強い製品をいきなり選ぶと、刺激を不快に感じたり、体調を崩したりするおそれがあります。ヘビースモーカーでも歯ぐきに関しては赤ちゃん状態と考えて、低刺激製品から始めます。
当初はそれでも今まで感じたことのないピリピリ感が不思議です。口内にセットしたらいじらずに過ごしてください。
最初は15分程度の使用でも大丈夫。3~5分経つとピリピリした感覚を歯ぐきに感じますが、それがニコチン特有の辛味です。しかし3~5回使用したあたりで、刺激に慣れます。不快な刺激は最初だけなのでガマンしましょう。
続けて使うのも、最初は厳禁

吸収のスピード感も違うので、紙巻きたばこのようにすぐに効果が現れたりはしません。加熱式たばこにくらべても遅め。ただ3~5分で確実に実感は湧いてくるはずです。簡単に言えば、「吸いたい気持ち」がスーッと収まっていくのです。
そうしたタイムラグを考えず、すぐに効果が出ないと、次から次へとパウチを続けて使うのは危険です。後から発揮してきた効果でクラクラすることもあります。
もちろん刺激に慣れてきたら、あとは一段階ずつ、強度を上げていくのが良いでしょう。
【初心者向け】大手3社3銘柄の特徴と使用感レビュー

中身はすべて白いパウチ。大きさもほぼ同じ。
それでは実際に市販されているたばこ製品のほとんどを使用したことがあるヘビースモーカーの筆者が各社各銘柄の特徴を、実際に使用してレビューしていきます。今回は入門編なので、初心者向けの刺激の弱い製品に絞りました。
BATジャパン『ベロ/VELO』シリーズ(15パウチ入・税込360円)

昔からあるタバコ葉を粉砕してパウチに入れる製法のスヌースタイプの製品は、JT「ゼロスタイル・スヌース」が先行していましたが、タバコ葉を使わずに植物の繊維などで仕上げたモダンオーラル製品の日本での元祖といえば、2020年登場のBATジャパン『ベロ』シリーズ。
たばこ製品とは思えない軽快なルックスと、クセのない味わいが特徴で、普及のきっかけはやはり2024年3月の新幹線全面禁煙だと思っています。それと、新幹線乗車直前に購入できるJR東日本のエキナカ店舗「NewDays」「NewDays KIOSK」などでの取り扱い、ファミリーマートなどのコンビニ展開などが後押ししたと考えます。
『ベロ』の特徴は、先行製品であるがゆえに製品のアップデートも行われて洗練されていることと、製品のバリエーションの豊富さです。価格もミディアムの場合は、割安な15パウチ入り。
『ベロ』初心者用ラインナップ7種
『ベロ』の初心者向けの刺激少なめ製品は「●○○○」表記のミディアムです。
『ベロ・スピッフィー・スペアミント・ミディアム』

ミント/メンソールの中でも、甘みのあるスペアミントのフレーバーがベースで、初心者がとっつきやすい『ベロ・スピッフィー・スペアミント・ミディアム』。口の中に清涼感が持続するので、ライトなメンソールタバコ的なニュアンスと、やさしいミントタブレットが合体したような感覚です。
『ベロ・スムース・ペパーミント・ミディアム』

ミント/メンソールの中でも、辛みの強いペパーミントのフレーバーがベース。ただニコチンのピリピリ刺激と相まって、歯ぐきには刺激が強めなので注意。
『ベロ・グルービー・グレープ・ミディアム』

ほのかな酸味が愉しめる、ジューシーなぶどうフレーバーが使いやすいタイプ。ミントタブレット的なおいしさで、グレープ味が好きな初めての人におすすめ。
『ベロ・アイシー・ベリーズ・ミディアム』

スペアミントの爽快感に、ラズベリー、プルーベリー、ブラックベリーなどのベリー風味が際立つ、リフレッシュ気分たっぷりの味わい。贅沢なミントタブレットで辛みを抑えたタイプ。
『ベロ・ブリージー・マンゴー・ミディアム』

南国気分の完熟マンゴーの香りに、パッションフルーツとオレンジが混ざり合う、ジューシーなトロピカルフレーバーが異国気分を感じさせます。ミント感なしで穏やかに味わえて、ニコチンの辛味にメンソールの辛味が加わると辛いと感じる人に。
『ベロ・ピーチ・アイス・ミディアム』

『ベロ・ピーチ・アイス・ミディアム』は2026年7月6日発売。みんな大好きピーチ味。そんなみずみずしいピーチの風味とひんやりとした爽快感が愉しめる、フルーティーフレーバー。ジューシーな味わいが初心者向け。
『ベロ・ロイヤルミルクティー・ミディアム』

メンソールなしで味わいたいなら、この上質なロイヤルミルクティーのコクと甘みで勝負するおいしい一品がおすすめ。ゆったりと味わえて、ニコチンのピリ辛が加わると、さながらスパイシーなチャイのような風味になっておいしいです。
以上が初心者向けのミディアムのラインナップです。馴れてきたらインテンス→エックスインテンス→ウルトラと強くできます。
JT『ノルディック スピリット/NORDIC SPIRIT』シリーズ(14パウチ入・税込500円)

タバコ葉を粉砕してパウチに入れる旧製法のスヌース製品「ゼロスタイル・スヌース」(2026年で終売)を先行させていたJTが、モダンオーラル発祥の地であるスウェーデン製で、素材や製法にこだわって生み出した高品質な商品が、2026年3月に登場したJT『ノルディック スピリット』シリーズです。
パウチは「リフレッシュパウチ」という名称で、贅沢な味わいを約30分間持続させることができます。まだ全4種類とバリエーションは少ないですが、初心者の入りやすいラインナップからスタートしています。
2026年4月にすかさず全国のセブン-イレブン、ローソン、NewDaysにて発売するなど、今後の拡大が期待されます。
『ノルディック スピリット』初心者用ラインナップ7種
『ノルディック スピリット』の初心者向けの刺激少なめ製品は、ベロに似た「①○○○」表記を持つミディアムです。
『ノルディックスピリット・コーラフィズ・ミディアム』

弾けるような甘さと、カシスとワイルドベリーをアクセントにした、どちらかというとクラフトコーラをイメージしたスパイシーな味わいが特徴。
口に入れた際のピリピリとした刺激が、強炭酸を思わせるところがうまい手だなと思いました。素直においしいです。
『ノルディックスピリット・ベリーミックス・ミディアム』

濃厚で甘酸っぱいカシスとワイルドベリーの味わいをうたう製品です。果実感のある香りを楽しみながら、後味の爽やかさも欲しい人に向きます。
『ノルディックスピリット・トロピカルミックス・ミディアム』

ジューシーでフレッシュなマンゴーとパイナップルの味わいが特長の商品。ふんわりとしたエキゾチックなフレーバーと、ピリピリ感はリフレッシュ感満点。おしゃれな味わいです。
フィリップ モリス ジャパン『ジン・バイ・アイコス/ZYN by IQOS』シリーズ(12パウチ入・税込500円)

「アイコス」の名を添えてフィリップ モリス ジャパンが登場させたのが、『ジン・バイ・アイコス/ZYN by IQOS』シリーズ。ただ、まだZYNオンラインストアと東京都内だけという限定的な範囲での発売です。
その特徴は、わかりやすさ。4種類のフレーバーが刺激の弱い「Low」としっかりした刺激の「Medium」にわかれているところ。他の2銘柄がミディアム始まりだと考えると、初心者に対するやさしさを優先させたように思えます。
パウチの量は少なめです。
『ジン by IQOS』初心者用ラインナップ4種
『ジン by IQOS』の初心者向けの刺激少なめ製品は、「Low」表記の4種類です。確かに使ってみると、ピリピリ感を極力抑えて違和感を排除した印象の低刺激。これは入門用に適しているかもしれません。
『ZYN by IQOS クールミント Low』

スーッとした冷涼感が気持ちいい基本のミント。そのスースー感をまとうことで、ニコチンのピリピリ感をうまくマスキングしている印象です。
しかし30秒も経てば、オーラルたばこ特有のジンジン感もしっかりやってくるので、初心者はLowだから弱いと甘く見ない方が良いでしょう。
『ZYN by IQOS スペアミント Low』

こちらはクールミントに比べて、甘みを感じるミント感。ミントタブレット的に気軽に味わうことができますし、口の中もサッパリして、吸いたい欲が収まるところがいい感じです。
『ZYN by IQOS アップルミント Low』

オーラルたばこ全体に言えることですが、アップルミントの味がするというよりは、あくまでフレーバーがするということです。ふんわりした甘酸っぱさが、リフレッシュに最適。
『ZYN by IQOS ピーチ Low』

この製品はミント感のないタイプ。筆者的には、メンソールも同様に歯ぐきを刺激するので、できればミント感のないタイプが使いやすいと感じています。ほどよいけれどしつこくない、自然なピーチ感がおいしい。
まとめ:見た目はお菓子のようだが、使用は慎重に!
今回はあえて全製品ではなく、初心者向けの刺激の少ないレベルのオーラルたばこに絞って紹介しました。なぜなら、やはり歯ぐきからの吸収というのはどんなにヘビースモーカーの人でもピリピリ、ジンジン、ズンズンなどの違和感を感じるものだからです。
使いこなせばとても便利なオーラルたばこですが、入り口を間違えてストロングなタイプから始めると、刺激が強すぎて「もうたくさん!」となってしまうので、あえて入門用低刺激製品に絞ったのです。
もちろん不思議なもので、最初は違和感ありありでも、3~5パウチで馴れます。基本は唇の裏(上)ですが、下にしてもOK。筆者はむしろしゃべってて落ちそうになる気がするので、右か左の頬の裏(上)にセットして楽しんでいます。
白い小さなパウチとコンパクトな容器が特徴で、ミントタブレットやお菓子のように見えることがありますが立派なニコチン製品で、連続使用はクラクラして危険であることは忘れずに。子どもやペットが誤って口に入れないよう、保管にも十分注意してください。
すると、喫煙所を探す苦労を大幅に削減できますし、その時間がとれない場合でもスッと口に含んで移動もできます。長距離の飛行機、新幹線などももう心配ありません。もちろん普段は紙巻きたばこや加熱式タバコユーザーでありつつ、併用するのがおすすめです。
いつも吸いたい欲に翻弄されている人には、とても良い選択肢になるはずです。
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