『ピース』が市場に登場したのは、国民的アニメ「サザエさん」の新聞連載開始と同じ1946年(昭和21年)。第二次世界大戦敗戦の翌年。今年2026年で80周年。二十歳から吸っていた人も100歳になっているほど、永きにわたって愛されてきました。そんな名品煙草『ピース』3種を改めて吸ってみました。
戦後復興の象徴タバコ『ピース』とは?

象徴的なロゴは、紺色の背景に平和の祈りを込めたオリーブをくわえたハト。1946年に誕生した『ピース』は昭和の時代を”ガツンとくる硬派タバコ”として「ホープ」とともに駆け抜けてきました。同じく基本はショート系でありながら、「ショートホープ」はフィルター付きで、「ショートピース」は両切りタバコ(フィルター無し)という違いがあります。
定番の『ピース』は、今ではすっかり主流ですが、日本でバージニア葉を中心にブレンドした初めてのタバコ。旨味と酸味をバランスした上質なバージニア葉のアロマに、バニラ香をまとって、香りのよいタバコとして君臨してきました。

缶ピー。
1965年にはフィルター付きの「ロングピース」(背景が紺色ではなくイエロー系)も登場しましたが、基本はやはり両切りの「ショートピース」で、缶ピーの愛称で知られる50本入りの缶(税込1,500円)はヘビースモーカーに大人気でした。
歴史を感じる「ピース(ショートピース)」(10本入り)を味わってみた

かっこいい。
えっ、今どき1箱300円!?と「ピース(ショートピース)」の価格にはびっくりしてしまいますが、それは10本入りだからで、長さも短めです。ただ両切りタバコゆえに、フィルターにあたる部分までしっかりタバコ葉が詰まっているのでおトクと言えばおトク。20本入換算だと600円です。

ただ箱の横を見ると、タール: 28mg ニコチン: 2.3mgの表記に驚いてしまいます。今となってはキツめのタバコの王道「セブンスター」でさえタール: 14mg ニコチン: 1.2mgだというのに、小柄なくせに倍スコアです。
両切りタバコの吸い方

どっちからも葉っぱが見える。
箱を開けると生木のような上質なタバコ葉の香りがふんわりとして、ご満悦確実。1本手に取ると、どちらもタバコ葉がむき出し。両切りを吸ったことがない人は、どうやって吸うのか悩んでしまうかも。
実際にフィルターありで馴れていると、そのまま吸うとタバコ葉が口の中に入って、タバコ葉を食べてしまうことも珍しくありません。そうならないように事前の準備がいります。

まず、1本手に取ったら先端の片方を平らな机などにとんとんと数回当てます。するとタバコ葉が下の方に移動するので、上の端の巻紙のフチが余ります。そこを指で回しながら押さえていくと、葉が出にくくなりますので、そちらから吸います。

それでもタバコ葉を食べてしまうという人は、周りの巻紙をねじって引き締め、タバコ葉全体が動きにくいようにするとよいでしょう。
久々だなあと思いつつ、吸うとこれが実においしい。フィルターを通してないとは思えないシルキーな煙がなだらかに入り込んできて、バニラ香とバージニア葉の旨味・香りがあいまって、至福の時間が訪れます。

ただタール値が高いので、勢いよく吸い込むと辛味が強くなってしまいますので、ゆっくりめに吸う必要あり。くゆらすように吸うと、じんわりとした一服の幸福感を味わえます。
葉巻たばこ「ピース・リトルシガー」を味わってみた

近年はすっかり定着した、リトルシガータイプの「ピース・リトルシガー」(1箱20本入・税込650円・限定発売中)。とはいえ本来の葉巻はラップ葉という葉で巻いているから葉巻ですが、リトルシガーの場合は、タバコ葉を練り込んで紙状に成型した巻紙を使っていることが多いです。

筆者の場合は、リトルシガータイプが好きで、紙巻きタバコ特有の紙の燃えるタール感がマイルドに感じるので吸いやすく感じます。

実際に箱を開けると「ショートピース」と同様のアロマにうっとり。火を付けて吸ってみると、さらにまろやかな味わいで、湿度の高いシルキーさがうまいです。フィルター付きなので通常の紙巻きと同じように吸えます。
特別編:5年に1度の限定品でSNSで人気が過熱した「マスターズ・ピース」を吸ってみた

昭和レトロブームの流れで、缶ピース人気の再燃などがSNS中心に巻き起こったのも記憶に新しい昨今。ピースブランドのイベントなどでおよそ5年に1度しか限定発売されない、1本ずつ缶入りの特別な「マスターズ・ピース」も1本だけ入手できたので味わってみた。

好きになったら困るなと思いつつ、一服。うわ、シルキーなのに旨味が濃い。キツさを感じさせない上質な煙がたまらなくプレミアム。うまい、うまい、でも5年経たないと手に入らないことを考えると、なるべく距離を置きながら本来のタバコ葉の旨味を堪能したのでした。

銀座の隠れ家バーで期間限定ポップアップイベントも開催

まとめ:吸える場所の少なくなった現代で、80年の歴史を誇る『ピース』を堪能する贅沢
紙巻きタバコは日に日に吸える場所が少なくなっている昨今。かつてよりは喫煙可能時間も喫煙本数も少なくなっているはずです。その分、限られた一服の充実度を高めていくのもよいのではないでしょうか。密度の濃い上質な時間を過ごすのにきっと、『ピース』が役に立ってくれるはずです。
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