Q
無線LANの環境で、WindowsXPから7のパソコンに替えて使用しています。でも、XPパソコンも使いたいです。パソコンの中に大事なものは入ってないし、ほかのパソコンともつながないし、セキュリティソフトは入っています。この条件でも、ネット接続はダメでしょうか? 接続すると、どんなマイナスが生じるのでしょうか?(T・Mさん 愛知県 78歳)
A
WindowsXPパソコンを使いたいというご意見は今もよく届きます。
フリーライターの福多利夫さんに聞いてみましょう。
【福多】
WindowsXPは、2014年に延長サポート期間も終了していて、現在は製造元であるマイクロソフトのサポートがすべて終了している状態です。
そのため、新たにWindowsXPにセキュリティ上の問題点が発見された場合でも、製造元による対応・対策は行われず危険性が放置されます。
つまりWindowsXPは、最新のWindows10に比べて、ウイルスに感染する可能性が非常に高いということになります。
ウイルスの感染源は、メールだったり、閲覧するサイトだったり、ファイル交換ソフトやメッセージソフトでのやり取りといった、インターネットを経由したものが多いので、『セキュリティ的に無防備に近いWindowsXPをネットにつなぐのは厳禁』といわれているわけです。
──ウイルスに感染しても困らないパソコンでもダメなんですか?
【福多】
ウイルスに感染しても困らないパソコンなんて、存在しないんです。
ウイルスに感染すると、パソコン内の情報が漏洩するとか、情報が削除されるとか、パソコンが使えなくなるという被害を想像し、「重要な情報を保存していないパソコンだからウイルスに感染しても困らない」と思いがちですが、本当に怖いのは、パソコンが乗っ取られることです。
パソコンの所有者が気づかないうちに、ウイルスが勝手にネット上の掲示板に書き込みをしたり、見ず知らずの人にウイルスを送りつけたりするという事案もたくさんあります。つまり、ウイルスに感染したことにより、自分が加害者になってしまうおそれがあるわけです。
──そういうウイルスは、市販のセキュリティソフトで防げませんか?
【福多】
市販のセキュリティソフトは、ある程度の防御壁になりますが、土台になるWindowsXPの設計が古いので、新たな脅威と市販セキュリティソフトのいたちごっこになりやすいのです。
しかも、悪意のある攻撃者は、セキュリティが甘いのに稼働数が多いWindowsXPをねらい撃ちしてくるので、Windows10より攻撃されやすいともいえますね。
WindowsXPを延命するより、スペック的に条件を満たしているならば、そのパソコンをWindows10にアップグレードするほうが賢明だと思います。
マイクロソフトストアで1万9008円からダウンロード販売されています。
Windows10にできないようなら、名残惜しいですが、引退させたほうがいいでしょう。
──お持ちのパソコンをWindows10にアップグレードできるといいですね。ちなみにWindows7も、すでに延長サポート期間です。2020年1月にサポートが完全終了するので、そちらの対策も、今のうちから考えておきましょう。