血流を悪化させる原因の一つは、食事です。現代人は、体質に合わない食事によって、血液がドロドロになり、血流を悪くしているといえます。本記事で紹介する「オクラ水」は、血流を促し、動脈硬化の改善に効果があります。痛みや病気の予防・改善に是非お役立てください。【解説】市橋研一(市橋クリニック院長)
解説者のプロフィール
市橋研一(いちはし・けんいち)
市橋クリニック院長。日本整形外科専門医。医学博士。関西医科大学卒業後、神戸大学整形外科学教室に入局。その後、公文病院整形外科、適寿リハビリテーション病院診療部長、市橋クリニック副院長を経て、2000年より同院長。2015年、韓国八体質医学食事療法を開始。食事療法をベースに、ひざ軟骨再生療法など、独自の治療法で成果を上げている。
▼市橋クリニック(公式サイト)
「オクラ水」を雑誌で紹介
私が、雑誌『壮快』2018 年3月号と7月号でオクラ水をご紹介したところ、おかげさまで、今でも多くの反響をいただいております。記事を見て来院するかたがいたり、全国からオクラ水に関する問い合わせがあったりと、多くの皆さんにオクラ水の魅力を知ってもらえて、非常にうれしく思います。また、テレビや週刊誌でも取り上げられて、今注目を集めているようです。
では、あらためて、オクラ水の効果について解説しましょう。
ドロドロ血液の改善
血流を悪化させる原因の一つは、食事です。現代人は、体質に合わない食事によって、血液がドロドロになり、血流を悪くしています。当院は整形外科ですが、血流改善を促すため、食事指導を治療の主軸に据えています。そして、ほぼすべての患者さんに勧めているのが、オクラ水なのです。これによって、腰やひざの痛みの改善だけでなく、血圧や血糖値が下がったというご報告も受けています。
私が食事指導のベースにしているのは、食養生(食事で健康を維持する考え)を学んでいるときに出合った、「八体質医学」ですこれは、八つのタイプに分類された体質ごとに、食べてよい物、避けるべき物を指導する食事療法です。
関節痛も「血流」に原因?
これまで整形外科では、慢性的な痛みが生じるのは、体のバランスがくずれることによる負担のため、と考えられてきました。
しかし、私は、食養生を学ぶうちに、関節の痛みなどの疾患も、血流の悪化に起因するのではないかと考えるようになりました。実際、患者さんの血流を測定してみると、腰やひざの痛みを訴える人のほとんどが、毛細血管の血流が悪くなったり、動脈硬化を起こしていたりするのです。私が専門とする椎間板ヘルニア(背骨を構成する椎骨の間にある椎間板がはみ出し、神経を刺激する病気)も、動脈硬化から腰の痛みを発症している人が、多くおられます。
そこで、八体質医学を軸に、鍼治療などを組み合わせて血流改善を図ったところ、患者さんの症状改善に、多くの成果を得られるようになりました。
オクラ水は、6年近く前に、中国の食養生の先生から教えていただきました。オクラは、アレルギーを起こしにくく、八体質医学においても、全体質の人にお勧めできる食材です。今や、オクラ水は、血流改善に有効な、当院の治療の切り札といえます。特に動脈硬化の改善には、私も大変驚いています。
私はダイエットに成功
ちなみに私も5年半以上、毎朝、オクラ水を飲み続けています。身長171cmで71.5kgあった体重は現在67kgになり、靴のサイズは26・5cmから25cmになりました。オクラ水は、むくみに対する効果も高いため、足のサイズが小さくなったのでしょう。娘からは、体臭が消えたことも指摘されました。
冷凍と加熱は注意
オクラ水は、オクラのネバネバ成分が溶け出るため、少しとろみがあります。このネバネバの正体は、水溶性食物繊維です。整腸作用があるほか、血糖値や血中コレステロール値を抑える作用があります。当然、この水溶性食物繊維も体に有用な働きをしますが、私は、それだけが血流改善をもたらすとは考えていません。
前述の食養生の先生からは、「オクラ水の冷凍と加熱は厳禁」と教わりました。
水溶性食物繊維は、冷凍しても加熱しても、さほど影響はありません。ということは、オクラ水には、冷凍や加熱をすると摂取できない別の成分が含まれているのではないか、と思うのです。
私が考えるに、オクラのヘタを切って水に浸けると、なんらかの揮発性成分が水に溶け出るのではないかと推測します。タマネギも、切ったときに出てくる揮発性成分が、血液をサラサラにするといわれています。実際、この方法で浸けると、オクラを刻んだときほどネバネバにはなりません。それでも、オクラ水を飲むと、きちんと効果が出るのです。
ですから、そのような揮発性成分がオクラにもあり、水に溶け出ているのではないでしょうか。オクラ水を作る際に、必ずふたかラップをするのも、揮発性成分の蒸発を防ぐためではないかと思います。このあたりは、いまだに不明な点が多いため、さらなる研究による解明が待たれます。
血圧と動脈硬化が改善
徳島で開催された「第25回日本健康体力栄養学会」で、当院のオクラ水の効果に対する調査報告を行いました。問診で「オクラ水をほぼ毎日摂取している」と答えた64名をオクラ水群とし、それ以外の258名を非オクラ水群としました。それぞれの群で、1年後の血圧と動脈硬化の検査数値を比較したのです。
その結果、非オクラ水群は血圧に大きな変化はありませんでした。一方、オクラ水群は、血圧が有意に下がっていることが判明しました。
また、PWV検査(脈派の伝播速度で動脈硬化の度合いを測定する検査)でも、非オクラ水群は変化がなかったのに対し、オクラ水群では、血管がやわらかくなっていることが示されました。
今回の調査は、服薬状況を調査内容に加えていないので、純粋にオクラ水だけの効果を証明しているとは断言できません。しかし、傾向として、オクラ水の摂取習慣が、血圧や動脈硬化によい影響を及ぼすとわかったのです。
ひざの水が抜けていく
整形外科的な疾患にもよい効果が出ています。例えば、ひざに水(関節液)がたまる関節水腫は、血流の悪化によって起こります。ひざ周りの静脈に老廃物が詰まることで血流が悪くなると、古い水が排出されなくなり、ひざにたまっていくのです。
そこで当院では、まず、オクラ水や食事指導で血流改善を図ります。すると、多くの場合で、ひざにたまった水が自然に抜けていくのです。何度も注射針を刺して水を抜く必要はありません。おかげで、当院では、薬を使う機会も激減しました。オクラ水で多くの人がよくなるので、血流改善の薬は、ほとんど必要ないのです。
オクラは、家庭でも比較的簡単に栽培できます。ちなみに、当院でも栽培していますが、初夏から秋口にかけて、毎日のように収穫できます。自分で栽培すれば、農薬や費用の面でも安心です。
ぜひ皆さんも、痛みや病気の予防・改善に、オクラ水をお役立てください。
「オクラ水」の作り方
オクラ水は、一晩冷蔵庫におくだけで、誰でも簡単に作れます。皆さんも、早速お試しください。
監修:市橋研一(市橋クリニック院長)
材料
作り方
飲み方
●朝に1日1~2杯を目安に飲む。食前、食後、どちらでもよい。余っても、その日に飲み切る。
●飲みにくい場合は、黒酢や出汁、メープルシロップやオリゴ糖などを加えるなど、味つけして飲むとよい。
●冷えたままか、常温に戻してから飲む。ぬるま湯を足して人肌程度に温めてもよい。ただし、加熱したり、冷凍保存したりするのはNG。
※浸けたオクラは調理して食べる。オクラ水には再利用しない。
※農薬が気になる場合は、よく洗うか、30分ほど水に浸けてから使用するとよい。
詳細は『オクラ水で病気が治る! 痛みが消える!』をご覧ください。