「太りにくい体」に自力で変える方法は?おすすめの食事は腸を整える「ゴボウ鍋」

美容・ヘルスケア

太りにくい体質は、自分でも簡単につくることができます。そのために不可欠なのが、腸内環境を整えることです。腸内環境を整える「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類の食物繊維を、手軽に取り入れる食材として優秀なのが「ゴボウ」です。【解説】岸村康代(大人のダイエット研究所代表理事・管理栄養士)

解説者のプロフィール

岸村康代(きしむら・やすよ)
フードプランナー、管理栄養士、野菜ソムリエ上級プロ。一般社団法人大人のダイエット研究所代表理事。大妻女子大学家政学部食物学科管理栄養士専攻卒業後、商品開発、病院での指導などを経て独立。日本野菜ソムリエ協会ビューティーフードプログラムの監修を務める。2000人以上の顧客のダイエットを指導し、落とした脂肪は合計10トンを超える。著書『おからパウダーダイエット』(セブン&アイ出版)、『最強のやせ方』(東洋経済新報社)が好評発売中。

大食いで細身の友人と少食なのに太っている私

私は現在、管理栄養士としてダイエットの指導をしています。今まで直接、栄養指導をした人数は約2000人以上。10kg20kgクラスのダイエットを希望する人が多かったこともあり、これまで合計で20t(トン)近くの脂肪を落としてきました。

実は、私自身、かつては無理なダイエットとリバウンドのくり返しで悩んでいました。

初めてのダイエットは、13歳のとき。リンゴだけ食べるというやり方で、3日で3kgやせました。ところが、たった1日で3kgリバウンド。

その後は、さまざまなダイエットを試しては、やせてはリバウンドでさらに太るということをくり返していました。

お恥ずかしいことに、管理栄養士という資格を持ちながら、無理な食事制限で倒れたこともあります。

ピーク時の体重は65kg(身長は158.5cm)。私の友だちは、そろって大食いなのに細い人ばかり。かたや私といえば、お昼はコンビニのおにぎり1個だけなど少食なのに、どうして全然やせないのだろうと悲しく思ったものです。

しかし、そんな生活が15年も続けばさすがにいろいろと気づきます。「野菜をたくさん食べると、間食が減る」「食前に豆乳を飲むと、過剰に食べないで済む」といった具合にです。

その気づきに従って食事を見直していくと、結局、やせるには「栄養バランスのよい食事がいちばん」という、ごく当たり前のことに辿り着きました。

そして、栄養バランスを整えるため、食べる量を増やしたにもかかわらず、1ヵ月で苦もなく4kgもダウン。さらにその後もやせ続け、現在、私の体重は50kg。脂肪とむくみで増えていた足のサイズも24.5cmから23.5cmへと縮みました。

食物繊維には満腹感を持続させる効果がある

太りにくい体質は、自分でも簡単につくることができます。そのために不可欠なのが、腸内環境を整えることです。

腸内環境がよくなれば、便秘の解消はもちろん、免疫力(病気に対する抵抗力)が高まり
ます。また、人が幸せを感じる神経伝達物質「セロトニン」も、大部分は腸内でつくられているのです。

つまり、腸内環境を整えることは、肥満だけでなく、心や体の健康にも役立つのです。

腸内環境を整えるには、食物繊維の豊富な野菜や豆類を、たくさん食べることです。食物繊維は、胃の内容物が腸へ送られるさいの時間をゆるやかにするため満腹感が長く続きます。

食物繊維には、主に血糖値の急激な上昇を抑えたり腸内細菌のバランスを整えたりする「水溶性食物繊維」と、主に腸を刺激したり便のかさを増したりする「不溶性食物繊維」の2種類があります。

この2種類の食物繊維を、手軽に取り入れる食材として優秀なのが「ゴボウ」です。

水溶性食物繊維を含む食品の中には、加熱調理によって食材から喪失するものもあります。しかし、ゴボウの水溶性食物繊維は喪失が少ないといわれています。

また、ゴボウには、塩分の排出に役立つカリウムも多く含まれています。
そのほか、ゴボウの黒い色は、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸という、高い抗酸化物質(体内で老化や病気の原因となる活性酸素を除去する物質)があります。

鍋にすればほかの野菜もたっぷりとれる

冬の時期にお勧めの食べ方は今回ご紹介する「ゴボウ鍋」です(作り方は下記参照)。
ゴボウ以外の材料は、旬の野菜やお好きな食材に替えたり、味付けも好みのものに替えていただいてけっこうです。ただし、みそは必ず入れてください

というのも、ゴボウに含まれている不溶性食物繊維は、保水力が高く、便のかさを増す一方、栄養バランスの悪い状況で水分などをしっかりとらないと便が硬くなってしまうことがあるのです。

しかし、発酵食品であるみそなどと一緒にとることで、整腸作用を促してくれることが期待できます。

ゴボウの皮には、抗酸化物質とうま味が多く含まれているので、ぜひ召し上がってください。土がついている場合は、タワシや丸めたアルミホイルなどで軽くこそげ取ります。

また、ゴボウは水にさらさないでください。ゴボウは、食べる直前に切るのがポイントです。

ゴボウは、厚めに切れば食べ応えが増して、満腹感が得られやすいでしょう。薄く切れば、消化がよく、腸に優しいです。どちらでも、お好みでよいかと思います。

その他の食材も、ダイエットに非常に有効です。
エノキタケには、腸内細菌のエサとなる成分や脂肪の排泄を助ける成分が含まれています。

キノコの細胞壁はとても硬いので、栄養成分を効率よくとるためには、細かく刻むとよいでしょう。私はキッチンバサミを使って、お鍋の上から直接、切っています。

タマネギには、腸内で善玉菌を増やすオリゴ糖や、血液をサラサラにする硫化化合物が豊富に含まれています。

ブリは、オメガ3系と呼ばれる脂肪酸が豊富な食材です。オメガ3系の脂肪酸には、腸内の炎症を抑える働きがあります。

日々の食事は、万能薬にはなりませんが、心身の健康を支えてくれる頼もしい味方です。
外食が続いたとき、食べすぎた日の翌日など、ぜひゴボウ鍋を召し上がってください。胃腸をリセットし、快適なお通じがつく体になり、いつしか適正な体重に導いてくれるでしょう。

食物繊維たっぷり!「ゴボウ鍋」の作り方

【材料】(2人分)
ゴボウ…160g(1本)
タマネギ…小1個
エノキタケ…1袋
ブリ…2切れ
春菊…適量

Ⓐ塩…少々
酒…大さじ2
Ⓑ水…700ml
コンブ…5cm×5cmを1枚
酒…大さじ2
みそ…大さじ2~3

ゴボウは5mm~1cm幅の斜め切りにし、ラップをして電子レンジに2分かける。煮込む時間がある場合は、レンジにかけなくてもよい。
タマネギは一口大のくし形切りにして、20〜30分ほど空気にさらす。
エノキタケはみじん切りにする。キッチンバサミで切ってもよい。
ブリはⒶをまぶしておく。
春菊は食べやすい長さに切る。
鍋にⒷと(1)、(2)を加え、火が通ったら、(3)と(4)を入れてさらに煮込む。
仕上げにみそを溶き入れる。最後に(5)を加え、サッと火を通す。

この記事は『安心』2018年12月号に掲載されています。

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