たんぱく質と糖が加熱されて結びつく「糖化」によって劣化したたんぱく質「AGE」が、老化やさまざまな病気をもたらす元凶として、研究が進められています。AGEの害を防ぐ働きが強いとされるのが、ビタミンB₁、B₆、そしてカテキンです。

解説者のプロフィール

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牧田善二(まきた・ぜんじ)
1979年、北海道大学医学部卒業。医学博士。糖尿病専門医。米国のロックフェラー大学医生化学講座などでAGEの研究を行う。北海道大学医学部講師、久留米大学医学部教授を経て、2003年、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のためのクリニックを開院。『医者が教える食事術 最強の教科書』(ダイヤモンド社)、『老けたくないなら「AGE」を減らしなさい』(ソフトバンク新書)など著書・監修書多数。

老化の元凶物質として注目されるAGE

たんぱく質と糖が加熱されて結びつく反応を「糖化」と呼びます。糖化によって劣化したたんぱく質が「AGE(終末糖化産物)」で、老化やさまざまな病気をもたらす元凶として、研究が進められています。

このAGEから自分の体を守るための習慣として、私が提案したいのが、粉茶ときな粉と豆乳を混ぜて作る、「カテキンきな粉ドリンク」です。

まずAGEが、どのように私たちの体に悪影響を及ぼすかを見ていきましょう。

私たちの体は、血管、臓器、脳、骨、筋肉、髪、爪にいたるまで、内側も外側もたんぱく質でできています。

食事で摂取した糖が、たんぱく質と結びついて、体温で加熱されて徐々にAGEが生み出されるのです。AGEが形成され、劣化したたんぱく質が増えてくると、機能が損なわれたり、褐色化したりします。

たとえば、肌のコラーゲン線維は、正常であれば、3本の線維が絡み合うことで柔軟に伸び縮みする構造をしています。

ところが、AGEがコラーゲン線維の間にくっつくと、縮むことができず、伸ばされると切れてしまうようになるのです。

その結果、肌は弾力性を失い、シワやたるみの原因となります。また、AGEは褐色化するので、肌の透明感が失われ、くすみが出てきます。

骨の「鉄筋」に当たるのもコラーゲン線維なので、骨が糖化すると骨がもろくなり、骨折しやすくなります。

特に、ひざ軟骨のコラーゲンや水晶体のクリスタリンといったたんぱく質の寿命は100年以上ととても長く、一生入れ替わらないので、AGEはたまっていく一方です。

AGEがたまり、ひざ軟骨の強度や弾力性が失われると、変形性ひざ関節症を起こします。

目のレンズに当たる水晶体のたんぱく質、クリスタリンが糖化すると褐色を呈して濁り、白内障になります。

また、血管にAGEが増えると、動脈硬化が進行します。

糖尿病だと、血液中に糖が多い状況が長時間続くので、血管の糖化が急激に進みます。糖尿病の合併症で、動脈硬化による網膜症や腎症、壊疽が起こるのはそのためです。

そのほか、アルツハイマーやパーキンソン病、がんなどの発症にも、AGEが深くかかわっていることが解明されてきています。

ビタミンB群とカテキンがAGEを撃退

体内での糖化を抑制するために重要なのは、血糖値の上昇をできるだけ抑えることと、ビタミンB群のほか、カテキンやイソフラボンなどのポリフェノールやαリポ酸といった抗酸化物質を積極的にとることです。

なかでもAGEの害を防ぐ働きが強いとされるのが、ビタミンB₁B₆、そしてカテキンです。

金沢医科大学の竹内正義教授らの実験で、ビタミンB₁は70%、ビタミンB₆とカテキンはなんと90%も、たんぱく質のAGE化を阻害するという結果が出ています。

大豆製品であるきな粉と豆乳には、ビタミンB₁、B₆、イソフラボン、食物繊維が豊富に含まれています。

ビタミンB₁は、糖質や脂質の代謝を助ける働きがあり、ビタミンB₆は、たんぱく質の代謝や神経伝達物質の生成にかかわる働きをするビタミンです。

大豆のポリフェノールであるイソフラボンにも、AGE化を防ぐ働きがあります。食物繊維は、糖が腸から吸収される速度をゆるやかにする働きがあり、食後に血糖値が急上昇するのを防ぐことができます。

一方のカテキンは、緑茶の苦味や渋味のもととなっているポリフェノールの一種です。殺菌作用や血中コレステロール低下作用を持っています。

カテキンは緑茶に多く含まれますが、お茶として飲む場合(一煎目)は、茶葉に含まれているカテキンの6割しか抽出されず、4割が茶葉に残ります。ですから、粉茶を用いて茶葉ごと摂取するのがお勧めです。

同じような粉状のお茶の葉として抹茶がありますが、抹茶はカテキンを増やさないように日差しを遮って栽培した茶葉で作られています。

そのため、通常の緑茶を粉にした粉茶よりも、抹茶のカテキンの含有量は少なくなります。粉茶が手に入りにくければ、すり鉢やミルで手持ちの緑茶の葉をすりつぶすとよいでしょう。

ビタミンB群は水溶性ですから、余剰分は尿から排出されてしまいます。カテキンきな粉ドリンクは、毎日コツコツ続けることが大切です。

「カテキンきな粉ドリンク」の作り方

画像: 老化の元凶【AGE】にはどんな害がある?専門医おすすめの「カテキンきな粉ドリンク」とは?

【材料】
きな粉…大さじ1
粉茶…大さじ1
豆乳…200ml
材料をすべてコップに入れ、よくかき混ぜる。

画像: この記事は『安心』2018年12月号に掲載されています。

この記事は『安心』2018年12月号に掲載されています。

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