2020年にスタートを目指すのが、次世代の通信方式となる5Gだ。スマホの4Gと5Gとの違いとは、「世代」のこと。5Gは4K動画や8K動画といった大容量コンテンツに対応するため、現行の4Gよりさらに「通信速度の向上・低遅延」を目指したものとなる。近い未来登場する「5G」について専門家が解説する。
あなたの疑問にズバリお答え!
『特選街』読者から質問!!
スマホの5Gと4Gの違いは何ですか? そもそも原理が違うんでしょうか? (N・Oさん 東京都 67歳)
専門家から回答
編集部:
5Gは、新しい携帯電話(スマホ)の通信方式ですね。
日本では、2020年のスタートを目指しています。この質問はフリーライターの福多利夫さんに聞きましょう。
そもそもGってなんですか?
専門家:
「Gはジェネレーション(世代)の頭文字ですね。
4Gは第4世代、5Gは第5世代と訳します。現行のLTE方式が4Gなので、5Gは次世代の方式ということになります」
編集部:
5Gの特徴を教えてください。
専門家:
「5Gが目指すのは、4Gが目指していたものを発展させることです。簡単にいえば『より速く、より反応よく』ということになりますね。『より速く』は、通信速度の向上です。現状の4Gはドコモの場合、この春から理論最高速として下りで1288Mbps、上り133.1Mbps超のPremium4Gのスタートを予定していますが、5Gは下り20Gbps超、上り10Gbps以上を目指しています。
『より反応よく』は、低遅延のこと。端末からインターネット側に何かリクエストを出したとき、どの程度の間で相手に届くかということです。4Gの場合は5ミリ秒(0.005秒)以下を実現できていますが、5Gでは1ミリ秒(0.001秒)以下を目指しています。なぜ、それらを目指しているかというと、4K動画や8K動画といった大容量のコンテンツを、ストレスなくやり取りするためです」
編集部:
なるほど。
4Gと5Gでは、通信方式の原理は違うんでしょうか?
専門家:
「電波を使って通信するという、基本中の基本の原理は共通していますが、実際の通信を実現するための技術はかなり異なっています。だから、直接的な互換性はありません。そのため、近い将来登場する5Gスマホは、5Gと4Gの兼用になります。そうしないと、通信できるエリアが極端に狭くなってしまいますからね。
そもそも、5Gは使用する電波帯が4Gとはかなり違います。電波は周波数が高いほど高速通信できるという特性があるので、日本の5Gは、4Gでは使っていない3.7Gヘルツ帯、4.5Gヘルツ帯、28Gヘルツ帯も使うことになります。従来の電波帯も含めて、これらの電波帯を複数同時利用(キャリアアグリケーション、いわゆるCA)して高速通信を実現することになります」
編集部:
今以上に高速化が求められているということなんですね
専門家:
「それだけじゃないんですよ。4Gは1平方キロメートル当たり6万台の端末が通信できるとされていますが、5Gだと1平方キロメートル当たり100万台の端末が通信できるようになるんです。そうなると、ネット対応家電もWi-Fiに接続したりしないで、5Gの回路を内蔵して、買ってきて電源を入れればすぐに通信できるようになるんです」
編集部:
スマホだけじゃなく、家電も5Gを求めているんですね。
了解しました!
イラスト/はやし・ひろ