弱った腸では、どれほどすばらしい食事を取っても、高価なサプリメントを飲んでも吸収ができません。体の栄養にならないのです。みそは多種の栄養素が豊富に含まれているだけでなく、それらが消化されやすい形で含まれていて、腸を回復させる成分まで含まれています。【解説】関由佳(内科医・みそソムリエ・メディカルフード料理研究家)

解説者のプロフィール

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関由佳(せき・ゆか)
内科医・みそソムリエ・メディカルフード料理研究家。学生時代から予防医学に興味があり、野菜を多く使った料理を得意とし、野菜ソムリエの資格を取得。同時期に食事で血糖値をコントロールする方法を学び、ダイエット外来や糖尿病治療にそのメソッドを応用。2013年にニューヨークの料理専門学校に留学しChef’s Trainingディプロマ取得。現在は岡山大学公衆衛生学分野で腸の炎症と発酵豆の研究をしながら、オンラインで「21days challenge program」の監修医師を担当。近著は『みるみる痩せる! 味噌汁ダイエット』(宝島社)。

消化力が落ちていると肌はきれいにならない

私は内科医として、糖尿病など生活習慣病の患者さんを診てきました。そこでは特に、薬に頼らず、患者さんの食生活を改善して病気を治すことに力を入れてきました。

この経験からわかったのは、ほとんどの患者さんは「消化力(消化吸収力)」が低下していた、という事実です。

私たちの体に必要な栄養素の消化と吸収は、胃腸で行われます。忙しいあまり食べ物をよくかまなかったり、コンビニの弁当や外食ばかりで済ませたり、深夜にドカ食いをしたり……。

それに加えて、ストレスの多い生活を続けていると、胃酸が出にくくなります。これでは、食べ物をしっかり消化できません。

こうして食べ物は未消化のまま、腸に届きます。この未消化物が、腸内環境を悪化させます。未消化物は、腸に炎症を起こす原因になるからです。

炎症が起きた腸では、栄養の吸収が悪くなったり、便秘がちになったりします。また、腸が炎症を起こしてボロボロになっていると、本来は排出されるべき未消化物が、体内に入り込みやすくなります。

未消化物は免疫細胞(体内に侵入してきた異物を排除する細胞)に異物として認識され炎症を起こし、アレルギーの原因になったりもします。

何より、このような弱った腸では、どれほどすばらしい食事を取っても、高価なサプリメントを飲んでも、吸収ができません。体の栄養にならないのです。

食事をしても栄養不足になるということです。

栄養が足りなければ、必要な代謝酵素や消化酵素もうまく作られないので、代謝が落ち、病気や不調が治りにくい体になってしまいます。

もちろん肌にも影響があります。肌に必要な栄養素が不足するのですから、皮膚の新陳代謝がうまく進みません。その結果、肌からみずみずしさが失われて、シワやシミといった肌の老化が進みます。

消化力の低下は、肌の老化を促進させる原因にもなるわけです。

みそは完全栄養食で消化力を回復させる

では、どうすれば衰えた消化力を回復させられるのでしょうか。

私は患者さんなどへの栄養指導で、毎日みそ汁を飲むことを勧めています。みそ汁が消化力の回復によい最大の理由は、みそが、体に必要な栄養素をバランスよく含む「完全栄養食」である点です。

みそは、大豆が発酵することで、栄養的にとても優れたものに変化します。

【みそに含まれる主な栄養素】
・生命維持に欠かせない8種類のアミノ酸
・細胞の新陳代謝を進めるビタミンB群
・若返りのビタミンと言われるビタミンE
・マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛などのミネラル
・食物繊維
・良質の脂質

紹介したのはごく一部ですが、一つでこれだけ豊富な栄養素を含む食品は少なく、みそはまさに日本発祥のスーパーフードです。

大豆が発酵してみそになるときには、栄養素が増えるだけではありません。消化吸収のしやすさもアップします。

本来、大豆のたんぱく質は、それほど消化がよくありません。しかし、発酵を経ることで、大豆のたんぱく質のほとんどが、より消化されやすい形に分解されます。

さらに、みそに含まれる麹菌や酵母菌、乳酸菌などは、腸内にいる善玉菌の働きを活発にします。これが弱った腸の回復につながり、消化力も改善するのです。

つまりみそは、多種の栄養素が豊富に含まれているだけでなく、それらが消化されやすい形で含まれていて、なおかつ、腸を回復させる成分まで含まれています。消化力の立て直しに最適な食品なのです。

画像: みそは完全栄養食で消化力を回復させる

朝のみそ汁習慣でエステ並みに若返った

毎朝、1杯のみそ汁を飲むことを習慣にしただけで、肌荒れや便秘に悩まなくなったり、ダイエットに成功したり、血糖値やコレステロール値が改善したりする患者さんを、これまで多く見てきました。

何も不思議なことではありません。消化力が回復した結果、栄養がしっかり行き渡るようになり、体の機能が本来の状態に戻ったためだと考えられます。

例えば、40代後半のある女性は、毎朝みそ汁を飲み始めて1カ月で、周りから「エステに通ってるの?」と聞かれるほど、肌が若返りました。

もともときれいな女性でしたが、顔の血色がよくなって、表情もイキイキと輝いてきました。体調がよくなって、疲れにくくなり、カゼを引かなくなったと言います。

アボカドを入れると美肌効果がアップ

みそ汁の具は、肌の若返り効果を期待するなら、「アボカド」がお勧めです。

アボカドはビタミンやミネラル、食物繊維や脂質など、みそと同じく栄養素が豊富な食材で、特に老化を防ぐ作用が強いビタミンEの含有量は、食品中でもトップクラスです。

みそ汁にアボカドを入れるなんて、変わった組み合わせだと思われるでしょうか。

これが意外とおいしいのです!濃厚でまろやかなみそ汁になり、アボカドが好きな人なら、気に入るはず。「試してみたらおいしかった」と好評です。

作り方も簡単で、半分に割ったアボカドから果肉をスプーンでくり抜いて、みそといっしょにおわんに入れて、お湯を注ぐだけ。まな板いらずで、コーヒーを入れるのと大差ない手間で作れます。

みそ汁を飲むタイミングは、朝がよいと思います。昼食や夕食は外が多い人でも、朝食は自宅で取るので習慣にしやすいでしょう。

最近は朝食を抜く人も多いですが、朝食を抜くと、昼食で血糖値の急上昇を招きますから、何かおなかに入れておくのが賢明です。

アボカドみそ汁は、若返りに必要な栄養素を、余すことなく吸収でき、腹持ちもよいので、朝にぴったりだと思います。

また、「みそ汁は朝の毒消し」ということわざがあるほど、朝のみそ汁は体によく、昔から日本人がたいせつにしてきた習慣でもあります。

なお、みその塩分を気にされる人もいますが、みそ汁1杯の塩分量は1.2g程度です。最近では「みその中の塩分は、精製塩(塩化ナトリウム)とは違い、血圧を上げない」という研究論文も発表されています(※)。

16ℊのみそを入れたみそ汁を1日2杯、3カ月間飲んでもらった長期摂取試験でも、血圧の上昇は認められなかったとの結果が出ているので、みその塩分は心配しなくてもよいでしょう。

 ※ 2017年、広島大学名誉教授の渡邉敦光医師が、アメリカの高血圧学会誌に「みそのなかの塩分は塩化ナトリウムとは異なる」という研究論文を発表

肌が若返る!まろやか「アボカドみそ汁」の作り方

画像1: 肌の老化は栄養不足が原因?肌が若返る「アボカド味噌汁」の作り方

【材料】(1人分)
・アボカド…1/2個
・みそ…大さじ1弱
・熱湯(またはだし汁)…おわんに8分目
・焼き海苔(または乾燥ワカメ)…少々

画像2: 肌の老化は栄養不足が原因?肌が若返る「アボカド味噌汁」の作り方

【作り方】
アボカドは半分に切り、スプーンでくり抜く

画像3: 肌の老化は栄養不足が原因?肌が若返る「アボカド味噌汁」の作り方

アボカド、みそ、細かくちぎった焼き海苔をおわんに入れ、熱湯をそそぎ、混ぜたらでき上がり

画像1: 肌が若返る!まろやか「アボカドみそ汁」の作り方

【アレンジレシピ】アボカド豆乳みそスープ

画像2: 肌が若返る!まろやか「アボカドみそ汁」の作り方

上記のレシピに豆乳50mlを追加すると、クリーミーな洋風みそ汁になる

【アボカドの保存方法】

画像4: 肌の老化は栄養不足が原因?肌が若返る「アボカド味噌汁」の作り方

半分に切ったアボカドの、使わなかったほうは、種付きのまま、皮をむかずにラップをして冷蔵保存すると変色しにくい。2日はもつ

画像: この記事は『ゆほびか』2019年2月号に掲載されています。

この記事は『ゆほびか』2019年2月号に掲載されています。

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