サバ缶をみそ汁に入れると栄養をまるごと摂取できるのが大きな魅力です。ビタミン類についていえば、B群とD、Eが豊富ですが、いずれも熱に強いため加熱調理で栄養価が損なわれることはありません。【解説】村上祥子(福岡女子大学客員教授・管理栄養士)

解説者のプロフィール

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村上祥子(むらかみ・さちこ)
福岡女子大学国際文理学部客員教授。管理栄養士。料理研究家。電子レンジ調理の第一人者として知られる。「ちゃんと食べてちゃんと生きる」をモットーに、国内外で実践的な食育指導に情熱を注ぐ。メディア出演・著書多数。近著に『血管が若返る 水煮缶レシピ』(永岡書店)がある。

サバの栄養まるごと!出汁いらずでおいしい!

私は料理教室で、魚の水煮缶を取り入れた料理を、積極的にお教えしています。多くのレシピのなかで、特に人気なのが、サバの水煮缶で作る「サバ缶みそ汁」です。

そもそも私が、「サバ缶をみそ汁に入れよう」と思いついたのは、みそ汁が好きだから。私は毎朝、必ずみそ汁をとっています。朝食がパンのときでも、マグカップで1人分のみそ汁を作り、とるようにしているのです。

私の冷凍庫には、チャック袋に入れた食材が常備してあります。肉や魚などのたんぱく質は50gずつ、野菜類は100gずつ小分けにしてあります。

これらを気分で組み合わせて、凍ったまま、耐熱容器に入れます。そこにみそと水を加えたら、600Wの電子レンジで、4~5分加熱。これでもう、熱々のみそ汁の出来上がりです。

この毎朝のみそ汁に、サバ缶みそ汁もしばしば登場します。サバ缶は、標準的なサイズで200gほど。これを4等分にして冷凍しておけば、いつでもおいしくみそ汁に加えることができるのです。

とはいえ、電子レンジのみそ汁は読者の皆さんになじみが薄いかもしれません。そこで鍋を使った、出汁いらずでもおいしいサバ缶みそ汁の作り方を紹介しましょう。

画像: 【サバ缶の人気レシピ】骨粗鬆症や貧血を予防!栄養を丸ごと摂れる「サバ缶味噌汁」の作り方

《サバ缶みそ汁の作り方》

【材料】(2人分)
サバ(水煮)…1/2缶分(100g)
水…300ml
みそ…大さじ1/2

【作り方】
鍋にサバを缶汁ごと入れ、水を加えて火にかける。
煮立ったら火を止めて、みそを溶き入れ、器に盛る。
★①で、好みの野菜を加えてもよい。

サバ缶をみそ汁に入れると、おいしいだけでなく、サバの優れた栄養をまるごと摂取できるのが、大きな魅力です。

まずは、豊富に含まれているEPA(エイコサペンタエン酸)。

これは、最近話題のアマニ油などと同様に、オメガ3系に分類される不飽和脂肪酸の一種です。血液の流れをスムーズにする効果があります。「GLP-1」という血糖値の上昇を抑えるホルモンの分泌を促すことでも、注目を集めています。

また、同じくオメガ3系の不飽和脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)も、多く含まれています。これは、認知症の予防に効果があると判明しているため、中高年の人は積極的にとりたい成分ですね。

ビタミン類についていえば、B群とD、Eが豊富ですが、ここで注目すべきは、カルシウムと併せてとると骨密度がアップする、ビタミンD。サバにはビタミンDが含まれているうえ、水煮なら骨まで食べられるので骨粗鬆症の予防・改善には、まさに一石二鳥といえます。

そしてビタミンEには、強い抗酸化作用があり、「アンチエイジングのビタミン」と呼ばれるほどです。私たちの体内で絶えず発生している活性酸素は、老化や病気の原因となりますがビタミンEはその働きを抑制する作用があります。また、貧血の予防にも効果的です。

貧血といえば、サバの血合い部分にも、改善に役立つ成分が含まれています。赤血球の合成に深くかかわり「赤いビタミン」と呼ばれるビタミンB12や、鉄分も豊富。正常な血液の産生に不可欠です。

ここまで挙げてきたビタミンはいずれも熱に強いため、加熱調理で栄養価が損なわれることはありません。安心してサバ缶をみそ汁に仕立ててください。

朝はパンでもみそ汁を組み合わせるのが習慣

みそは、発酵食品というだけでも十分に健康的ですが、栄養面でも優れています。

人体の細胞を構成するたんぱく質は、20種類のアミノ酸でできています。このうち、体内で作り出せない9種類のアミノ酸が、必須アミノ酸と呼ばれるものです。必須アミノ酸は、食事からとる必要があります。

9種類のうち、リジンとスレオニンは、米などの穀物には、ほとんど含まれていません。ところがみそには、これら二つが含まれています。つまり、炭水化物とみそ汁を併せてとれば、すべての必須アミノ酸を摂取できるというわけです。

みそ汁の具に、野菜だけでなく肉や魚を加えれば、もちろん完全無敵ですが、粗食が常だった昔を考えれば、「ご飯にみそ汁」という組み合わせは、先人の知恵といえるでしょう。

栄養学を学んだ私は、学生時代に、このことを知りました。以来、朝はパンでも、必須アミノ酸をくまなく摂取できるようみそ汁を組み合わせるのが長年の習慣になっているのです。

サバ缶みそ汁を朝にとると、体の隅々まで元気がみなぎりますよ。ぜひ、お試しください。

画像: この記事は『壮快』2019年3月号に掲載されています。

この記事は『壮快』2019年3月号に掲載されています。

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