【脊柱管狭窄症を改善】正しい「筋トレ」の必要性とは?間欠跛行を解消するスクワットのやり方

美容・ヘルスケア

私は筋力低下そのものが、脊柱管狭窄症の痛みを引き起こしたり、間欠跛行を悪化させたりする原因になると考えています。それに歯止めをかけ、症状を改善させるうえで必要なことは実に明確です。運動、というよりも、正しい筋肉トレーニングです。【解説】小島央(央整形外科院長)

解説者のプロフィール

小島央(こじま・ひさし)

央整形外科院長。1970年、京都府生まれ。近畿大学医学部卒業。日本体育協会公認スポーツドクター。高校時代から、レジスタンストレーニングに取り組む。2007年、京都府ボディビル選手権にてベストルーキー賞を受賞。「筋肉ドクター」の愛称で親しまれる。2009年、アイアンクリニック零号店を開業。2014年、近鉄京都線伏見駅前に移転し、央整形外科&フィットネスジム・アイアンクリニックを開業。近著に『ひざ・股関節の痛みは週1スクワットで治せる!』(マキノ出版)がある。

一日中安静にしていると筋力が0.5%低下する

近年、腰痛に対する考え方が大きく変わってきました。腰痛のうち、大部分の腰痛は、その原因が特定できないとされています。

そして、肉体労働など、これまで腰痛の原因とされてきたものにかわって、心理的ストレスが腰痛を引き起こす原因として、重要視されるようになっています。

また、安静にするとかえって腰痛が悪化するため、腰痛が起こることを恐れず、体を動かすことを推奨するようになっています。原因の特定できない腰痛の予防・改善のためには、運動が有効とされているのです。

一方、脊柱管狭窄症は、症状を引き起こすのが脊柱管の狭窄によるものとはっきりしています。そのため、原因の特定できる代表的な腰痛の一つとされてきました。ただ、最近では、脊柱管の狭窄が痛みやしびれの原因なのかどうか、疑わしいといわれるようにもなっています。

《背骨の構造》

私は、脊柱管狭窄症の患者さんに対しても、筋トレを勧めています。筋トレは、脊柱管狭窄症にも有効であることが多いからです。特に、筋トレを行うと、脊柱管狭窄症の特徴的な症状であり、長時間歩けなくなる「間欠跛行」が改善してくるケースが多いのです。

脊柱管狭窄症で、足腰に痛みやしびれが出ていると、患者さんは歩く機会を大幅に減らすことになります。これは、当然ながら、足の筋肉が大幅に低下することを意味します。

一般に、20歳を過ぎると、日常生活程度の運動をしているだけでは、年間1%の筋力が低下するとされています。さらに、一日中ベッドに横になり、体を動かさずに安静にしている(「床上安静」)と、たった1日で、筋力が0.5%低下することもわかっているのです。

脊柱管狭窄症の患者さんの場合、一日中ベッドに寝ているわけではありませんが、痛みやしびれが出るのを恐れ、どうしても体を動かさずにいることが多いようです。

その結果、どんどん筋力が低下し、ちょっとしたことでも足腰が痛むようになります。くり返しになりますが、脊柱管狭窄症の人にとって、安静は大敵なのです。

筋力を高めることは痛みの改善につながる!

私は、その筋力低下そのものが、脊柱管狭窄症の痛みを引き起こしたり、間欠跛行を悪化させたりする原因になる、と考えています。

それに歯止めをかけ、症状を改善させるうえで必要なことは実に明確です。運動、というよりも、正しい筋肉トレーニングです。

筋トレをきっちり行うことで、筋力低下を食い止め、さらに筋力アップを図ることができます。それが、ひいては痛みの改善にもつながるのです。

実際に、筋トレをきちんとやってもらうと、多くの脊柱管狭窄症患者さんの間欠跛行が、みるみる解消していくのです。 では、私が勧める最も代表的な筋トレである「スクワット」のやり方を説明しましょう。

つま先をやや外へ向け、肩幅くらいに足を広げて立ちます。
太ももの筋肉が緊張しているのを意識しながら、ひざを少しずつ曲げていきます。
足と同じ方向にひざを向け、ゆっくりしゃがみます。
太ももの筋肉の力が完全に抜ける姿勢まではしゃがまずに、その手前で止めてください。
できるだけ速く、一気に立ち上がります。ただし、ひざが伸び切る手前で止め、(1)に戻りましょう。
このスクワットを、10回程度くり返します。

スクワットは、体の中でも大きな筋肉を動かします。その際に、主要な筋肉だけではなく、関連する筋肉群も同時に使うことになります。文字どおり、全身の筋肉を鍛える運動といってもよいのです。

運動不足や加齢による筋力低下によって、驚くほどたくさんの人が、足腰の痛みに悩まされています。この現状を変えるためには、筋力の弱った人たちに筋肉を鍛えてもらうほかありません。

そういう思いから、私自身、長年の筋トレ経験を生かした「筋肉ドクター」として、自分のクリニックを開院しました。

今では、多くの患者さんが私のクリニックで筋トレを行い、ひざ痛や股関節痛、腰痛などを克服しつつあります。脊柱管狭窄症に伴う痛みやしびれも、その例外ではありません。

筋トレは、続ければきっちりと効果が上がってきます。やればやっただけの成果が得られるのです。脊柱管狭窄症でお悩みのかたも、痛みやしびれをあまり恐れることなく、筋トレにチャレンジしてください。

この記事は『壮快』2019年3月号に掲載されています。

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