【便秘解消のツボ】即効性のある手のツボ・お腹のツボ 押す位置とマッサージのやり方を紹介

美容・ヘルスケア

朝、目覚めたら、起き上がる前におなかのツボ押しマッサージを行うと、朝の排便習慣がつきやすくなります。私も毎朝、おなかのツボ押しマッサージを実践しています。また、入浴後の血流がよくなっているときに行うのもよいでしょう。
【解説】安野富美子(東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授)

解説者のプロフィール

安野富美子(やすの・ふみこ)

お茶の水女子大学大学院博士後期課程修了。鍼灸師、理学博士。専門は鍼灸学、レディース鍼灸。20代後半のときに初めて鍼灸治療を受け、長年続いた体調不良が消えたことがきっかけで鍼灸師を目指す。資格取得後、東京大学医学部老年病学教室、財務省印刷局東京病院東洋医学センターなどを経て、2009年より東京有明医療大学保健医療学部教授に就任。著書に『ヘルシー・エイジングをもたらす鍼灸のちから』(医学と看護社)など。
▼研究論文と専門分野

東洋医学では便秘は万病の元

東洋医学では、小腸は胃で消化された食物の栄養素を吸収し、老廃物を大腸と膀胱に送り、そこで便と尿として排出すると考えられています。

具体的には、小腸で栄養素を吸収し、栄養を取り除いた後の残りカスを大腸に送り、大腸で便を形成して排便します。

しかし、大腸の働きが悪いと、便が滞留したまま排出されず、いわゆる「便秘」になってしまいます。

便秘はおなかが張って苦しいだけでなく、「万病の元」といわれるほど、さまざまな症状をもたらします。

これを現代医学的に言うと、便秘になると、自律神経のバランスをくずしやすくなり、慢性疲労や倦怠感、むくみや冷え、頭痛、肩こり、腰痛などの不定愁訴を招くほか、自然治癒力が働きにくくなったり、免疫力が低下したりといった影響もある、ということです。

女性は心理的な原因による便秘も多い

便秘は、一般的に男性よりも女性に多いと考えられます。高齢者に便秘が多いのも、同様の理由です。加齢で腹筋が衰え、これに加え、大腸の筋繊維が減少し、運動が弱くなり、便秘になるのです。

女性の場合、女性ホルモンの影響も受けます。月経前に多く分泌される「黄体ホルモン」(プロゲステロン)により、大腸の運動が抑制され、便が停滞し、便秘になるのです。

また、ダイエットも便秘の原因の一つです。食事量を減らすと食物繊維や水分、脂肪分が減り、その結果、大腸のぜん動運動にも影響が及び、便が排出されにくくなります。

意外に多いのは、心理的な便秘です。女性は人前でのトイレを我慢したり、便意を催しても家事に追われてタイミングを逃したりしているうちに、便秘のクセがついてしまいがちです(直腸性便秘)。

あるいはストレスで大腸が緊張し、便秘になります(けいれん性便秘)。しかし、最も多いのは、大腸の運動が弱い「弛緩性便秘」です。

便秘になったら、まずはたまっている便を出して、排泄のクセをつけることが重要です。

便秘穴、関元、天枢、腹結、左大巨を刺激

便秘の解消に有効なのが、「おなかのツボ押し」です(ツボの位置、やり方は下記参照)。

腹部には便秘穴、関元、天枢、腹結、左大巨など、便秘改善に役立つツボが密集しています。

ツボを一つひとつ押すというよりは、大腸に沿っておなかをマッサージをしていくと、これらのツボが刺激されるうえに、腸も温まります。

便秘に効く「おなかのツボ押し」のやり方

おなかのツボ押しマッサージ

【ツボの位置】

【やり方】
あおむけに寝て、両手の人さし指と中指と薬指の3本の指先を下のイラストのようにそろえて、大腸の走行に沿って少しずつずらしながら右回りに「の」の字におなかを押していく。息を吐きながらゆっくり3秒かけて押し、3秒とどめてから、息を吸いながら3秒かけて力を抜く。2周行うのが目安

【姿勢】
あお向けに寝て、両ひざを立てて行う

便秘に効く「手のツボ押し」のやり方

また、合わせて手にある「合谷」というツボを押すと、さらに効果的です(ツボの位置、やり方は下記参照)。合谷を集中的にもむのではなく、その周囲をもみほぐすイメージで行います。
合谷は大腸に働きかけるほか、ストレスを解消したり、自律神経を整えたりする効果も期待できるので、全身の健康維持に有効です。

手のツボ押しマッサージ

【ツボの位置】

【やり方】
ツボ1点を集中的にもむのではなく、その周囲をもみほぐすイメージで行う

朝、目覚めたら、起き上がる前におなかのツボ押しマッサージを行うと、朝の排便習慣がつきやすくなります。私も毎朝、おなかのツボ押しマッサージを実践しています。また、入浴後の血流がよくなっているときに行うのもよいでしょう。

便秘の人は、ふだんから食物繊維の多い食べ物を取り、水分をしっかり取って、便意を催すようにすることもたいせつです。

また、腹筋の低下を補い、腸に刺激を与えるためにも、ウオーキングなどの軽い運動を心がけましょう。ストレス対策も重要です。

腸の働きが悪くなったり、便秘で腸内環境が悪化したりすると、栄養分を取り入れられないために血液の質が低下して、必要な栄養を全身に巡らせることができなくなります。病気や老化の予防には、腸の健康を保つことが必須なのです。

PR

大切な愛車を守る“最後の砦”!データシステム『カースティールブロッカー』で乗り逃げを阻止する!【盗難防止】[PR]
ひと昔前と比べれば減少傾向にはあるものの、依然として自動車盗難が各地で発生している。ここ数年の盗難被害台数は、1年間で5000台以上! なかでも、プリウス、ランクル、レクサスLX、アルファードなどのトヨタ車に盗難事例が集中している。大切な愛...

PRニュース