アーユルヴェーダでは、おならは「風」のエネルギーの過剰と考えます。食べるときは、不安を持ち込まないようにしましょう。不安な状態で、ため息をつくように物を口に入れると、空気を一緒にとり込み、腸にガスがたまりやすくなるからです。【回答者】西川眞知子(日本ナチュラルヒーリングセンター代表)

回答者のプロフィール

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西川眞知子(にしかわ・まちこ)

日本ナチュラルヒーリングセンター代表。上智大学外国語学部を経て、仏教大学卒業。第24代ミス横浜。幼少期の病弱を自然療法で克服したのをきっかけに、大学時代にインドやアメリカを歴訪し、ヨガや自然療法に出合う。その経験と研究を基に「日本ならではのアーユルヴェーダ」を提唱。著書多数。近著『ヨガのポーズと意味と理論がわかる本』(マイナビ)が好評発売中。
▼アーユルヴェーダネイチャーケア学院(公式サイト)
▼@wayurveda(Twitter)

今回の悩み「おならが勝手に出る!」
おならが出やすくて困っています。1年前から、出そうと思わなくても勝手に出てきます。加齢とともにいろいろな機能が衰えてきて、お尻の穴も締まりがなくなっているようです。下痢でも便秘でもないし、大腸がんの検査も異常なしです。ストレスをためる性格で、胃が弱くて4年ほど胃薬を飲んでいます。(60代女性)

冷えと乾きのエネルギーがたまっている状態

インドで5000年の歴史がある伝統医学アーユルヴェーダにおいて、体は、自然にある五つのエネルギーから構成されていると考えます。

エネルギーの種類は風、火、水、地、空の五つがあり、これらのバランスが取れている状態を健康とします。

ご相談の内容ですが、アーユルヴェーダでは、おならは「」のエネルギーの過剰と考えます。そして風のエネルギーは、まさに加齢によって増えていきます。

風のエネルギーは、神経に関係することや、ストレス、そして排泄に大きくかかわります。症状としては、冷えと乾燥、締めたり緩めたりなどの動きの悪さ(おなら、尿もれ)などが挙げられます。

また、食べた物の栄養がきちんと吸収されずにバラバラになるという異化作用(細胞を分解させる働き)も増えます。

ご相談のかたは、風が過剰になったことで、肛門の開閉の動きが弱ったこと、また冷え乾きによって腸の働きが低下していると考えられます。

それだけではありません。風の状態が増えている場合、生活習慣や心の持ち方にも風が増えていることが多いものです。

たとえば、最近、せっかちになっていませんか?

食べるときに早食いをしていたり、人から何か言われるたときに「はい、はい」と鵜呑みにしたりする、などといった行動パターンも風の影響です。

また、食べ物も、サラダでおなかが張るとか、シリアルや小麦ふすまなどの不溶性食物繊維を多くとりすぎていることも多く見られます。風の過剰な人がこういったものを多くとると、便がコロコロと硬くなり、おならの原因となります。

楽しい気持ちでよく嚙んで食べる

では、まず食べ物からのセルフケアをご紹介します。

風の過剰な人は、食事をとったりとらなかったりと、不規則なことが少なくないようです。まずは、規則正しく、腹八分目に食べることです。

次に、みそ汁とご飯など、消化に負担にならないものをよく嚙んで味わって食べましょう。

アーユルヴェーダ的なことを言うと、ウコンをたんぱく質の多いものと一緒にとるとよいです。温めた豆乳カップ1杯(約200ml)に小さじ1/3のウコンを入れるのもお勧めです。腸内細菌叢に働いて、過剰なガスの生産を予防してくれます。

そのほか、オリーブ油などの良質な油分を適度にとり、コンブやワカメ、大豆などの水溶性食物繊維を意識して多く食べるようにします。すると、ドロドロとした粘りを腸内に取り戻して、風特有のバサバサした状態を軽減できます。

ご相談者は、ストレスをためる性格とのことですが、ストレスから引き起こされる感情に、不安や恐れの感情があります。不安というのは実態のない「風」そのものなのです。

たとえば、「年を取ったらどうしよう」、「地震が来たらどうしよう」、「おならが勝手に出たら人前に出られない」、「おならが止まなかったらどうしよう」といった感じです。

食べるときは、不安を持ち込まないようにしましょう。不安な状態で、ため息をつくように物を口に入れると、空気を一緒にとり込み、腸にガスがたまりやすくなるからです。

口に食べ物を入れたら、しっかり口を閉じて、よく嚙むこと。そして、「おいしい。こんなにおいしいご飯が食べられる私って、幸せ」と感じながらいただいてみませんか?

腸にたまったガスを押し出すポーズ

では最後に、勝手に出てしまうおならによく効くヨガ、「ガス抜きのポーズ」をご紹介します(やり方は下の写真参照)。

このポーズを行うと、腸にほどよい刺激が加わり、腸内にたまっていたガスが出てきます。外出前に行えば、しっかりガスが出た状態になるので、予想外のおならに困ることもなくなるでしょう。

足を抱えたときに、太ももがおなかに付いて、腸を刺激します。足がおなかに付かない場合は、足のつけ根の上に丸めたタオルを挟むとよいでしょう。

人間は、気になることがあるとそこばかりに意識が集中してしまうものです。

おならのことで悩んでいる時間を、スポーツでもカラオケでもなんでもいいです、もっと自分が楽しいと感じることをやって、おなかを喜ばせてください。そうすれば、冷えや乾きが潤い、悩みも解消します。

「ガス抜きのポーズ」

画像1: 腸にたまったガスを押し出すポーズ

あおむけに寝て、右のひざを抱える
あおむけに寝て、右の足を持って抱える。このとき息を吐きながら、ジワ~ッと太ももをおなかに寄せる。息を吐ききったら、おなかを膨らませながら息を吸う。これを5回行う。30秒休む。
左足も同様に行う。

画像2: 腸にたまったガスを押し出すポーズ

両足のひざを同時に抱える

画像: 【おならが止まらない】勝手に出る 対策に「ガス抜きのポーズ」やり方はこの3ステップ

太ももがおなかに付かない場合は
丸めたバスタオルを足のつけ根辺りに置いて行うとよい。

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