下肢静脈瘤で悩んでいる人は、リンパや血液の流れが必ず滞っています。下肢静脈瘤の不快症状にも、リンパマッサージは有効です。リンパの流れをよくすると、リンパと補い合う関係にある血液の流れも当然よくなります。【解説】久優子(ボディメンテナンスセラピスト・美脚トレーナー)

解説者のプロフィール

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久優子(ひさし・ゆうこ)
ボディメンテナンスセラピスト・美脚トレーナー。1974年生まれ。2児の母。足のパーツモデルを経て、ホリスティック医学の第一人者である帯津良一医師に師事。自身のマイナス15kgダイエット成功を経て、「足首を柔らかくすることから始める」メンテナンス法を編み出す。2008年、完全紹介制のボディメンテナンスサロン「美・Conscious~カラダ職人~」を開業。心身のバランスを整えるサロンとして評判になる。著書は『押したら、ヤセた。』、『1日1分で顔のかたちまで変える!奇跡の小顔マッサージ1週間レシピ』(ともに宝島社)などがある。
http://yhbody.com/

パニック障害がリンパマッサージで改善

私は10年以上にわたり、体や足をきれいで健康にするボディメンテナンスの仕事に携わってきました。

美容目的のモデルや俳優さんから、腰痛や肩こり、むくみなどの不調に悩むかたまで、幅広い層の人がお見えになります。

私のボディメンテナンスの中心は、リンパや血液の流れをよくして、関節をゆるめ、体外に老廃物を排出するリンパマッサージです。

実は、私自身がリンパマッサージのおかげで、心身の不調から脱却した経験があるのです。

私は幼い子ども2人を抱えて、離婚した32歳の頃、突然体調を崩しました。いわゆるパニック障害を発症し、感情のコントロールがうまくいかなくなったのです。

とにかく人混みが怖くて、電車に乗ると、手汗はすごいし、靴の中で足がすべるほど大汗をかきます。いろいろなことをマイナスに捉えてしまい、みんなが私を見て悪口を言っているかのように感じていました。

体の具合が悪いので、寝ているしかないときもありました。心療内科に行くと抗うつ剤を処方され、飲むと不思議なほど気持ちが落ち着きました。しかし、「このままでは薬が手放せなくなってしまう」と考えるようになりました。

当時、リンパマッサージに使用する化粧品の開発に関わる機会があり、恩師と出会って、リンパマッサージを学ぶようになりました。

学んだ技術を習得するため、毎日自分の体にリンパマッサージを施していたところ、1カ月もしないうちにすべての不調がピタッと止まり、薬を飲まなくてすむようになりました。

体調が劇的によくなっただけでなく、髪の生え際に出ていた吹き出物が消えて、顔はふた回り小さくなり、体重は5kg減ったのです。

また、尿が一時期、薬臭くなりました。これは、体に蓄積されていた余分なものがデトックスされているのだろうと感じました。

このように私は、リンパマッサージで自律神経のバランスがとれ、心身ともに元気になったのです。

人目を気にせずスカートが履ける

私のサロンには、腰痛や肩こり、むくみなど、さまざまな不調に悩むかたが大勢来られます。30代以上の女性だと、下肢静脈瘤で悩んでいる人もよくいます。

下肢静脈瘤は、青緑色の血管がボコボコと浮き上がってきます。そのため、スカートが履きづらかったり、ファンデーションを塗って隠したりしている人もいます。

見た目の問題だけではありません。ズキズキとする痛みや、重だるさ、むくみ、しびれなどの不快な症状を抱えている場合も多いのです。

こうした下肢静脈瘤の不快症状にも、リンパマッサージは有効です。リンパマッサージで静脈瘤が改善し、むくみが取れたり、人目を気にせずスカートが履けるようになったりする例はよくあります。

たまっていた老廃物が排出できる

体じゅうには、リンパ液が流れるリンパ管が網目状に張り巡らされています。下の図をご覧ください。これは足首から先の網目状に張り巡らされたリンパ管です。

リンパ管は毛細血管よりも細かく、体の浅いところや深いところにもくまなく存在します。リンパ管は、血管の静脈で回収しきれなかった老廃物を回収し、関節などにあるリンパ節でろ過して、尿や汗を通じて体外に排出するのです。

画像: 足の甲側のリンパ網[出典:金子丑之助著『日本人体解剖学 第三巻』(南山堂)]

足の甲側のリンパ網[出典:金子丑之助著『日本人体解剖学 第三巻』(南山堂)]

リンパマッサージで、リンパの流れをよくすると、リンパと補い合う関係にある血液の流れも当然よくなります。

同時に、足首などの関節も刺激するので、リンパ節の詰まりが解消し、体内にたまっていた老廃物を速やかに回収し、排泄できるというわけです。

下肢静脈瘤で悩んでいる人は、リンパや血液の流れが必ず滞っています。すると、足に老廃物がたまってパンパンにむくみ、そけい部(太もものつけ根)やひざ、足首などの関節もこり固まって、リンパ節が詰まり、腫れてしまうのです。

こうした症状でも、リンパマッサージを行うと、リンパや血液の流れがよくなり、たまっていた老廃物が排出できます

マッサージをすると、尿が大量に出てきます。1回のマッサージでむくみや痛み、重だるさが消え、ボコボコとした隆起が半減し、翌々日には、足首やひざ、そけい部の腫れが引いたという例もあります。

施術だけでなく、自宅でも足へのリンパマッサージを続けてもらったところ、手術が必要なほどの下肢静脈瘤が治ったかたもいます。

リンパマッサージをすると、ほかにも腰痛や生理痛などの不調が解消したり、正しい姿勢が保てるようになったり、足やおなか、腰まわりがやせたというかたもいます。

ぜひ下肢静脈瘤の改善の一助に、足のリンパマッサージを加えてみてください。

「リンパマッサージ」のやり方

「足の先から」マッサージするのが基本
リンパマッサージは、体の土台となる足から始めることが基本です。

前項の図にあるように、かかとや足首、足指の周囲には、非常に細かいリンパ管が網の目のようにびっしりと張り巡らされています。末端の足からリンパの流れをよくしない限り、リンパの循環は改善せず、効果は実感できないと言っても過言ではないほどです。

そこで、足の中でも特にリンパ管が集中している、かかとや足首、足指まわりから刺激しましょう。

リンパマッサージは本来、もんでも、押しても、たたいてもいいのですが、ここでは、どなたでも簡単にできて、長続きする方法をご紹介しましょう。

①かかとをトントンする

イスに座って、床にかかとをトントンと軽く落とすだけです。

かかとへの刺激は、軽くていいので、床にタオルなどを敷いて行ってもいいでしょう。足を傾けながら、かかと全体をまんべんなく刺激するようにしてください。 

※かかとが温かくなってきたら終わる

画像1: 「リンパマッサージ」のやり方

②つま先を刺激する

次にイスに座ったまま、5本の足指を床に押し付けて曲げます。

足裏側と足の甲側の足指のつけ根を床に押しつけてください。交互に繰り返すことで、足指の関節がゆるみ、リンパや血液の循環がよくなります。 

※両足とも5回行う

画像2: 「リンパマッサージ」のやり方

③足首回し

くるぶし周辺は老廃物がたまりやすいので、指で押さえながら回すとより効果的です。

・左ひざに右足を乗せ、右足の指の間に左手の指を入れ、足指のつけ根部分を握ります。
・右手で右足首を押さえて固定します。このとき、右手の親指を右足のくるぶしの横に当てること。
・大きな円を描くように、足首を時計回りと反時計回りに5回ずつ回します。

※左足も同様に行う

画像3: 「リンパマッサージ」のやり方

◎足首の曲げ伸ばし

足首回しができない場合は、足首の曲げ伸ばしをしましょう。

足首をまっすぐ伸ばす、足首を手前に曲げる、これを繰り返すだけで、ふくらはぎの筋肉がしっかり動き、体の上部に大量のリンパや血液を送り込めるのです。外出時やオフィスでのデスクワーク時にもできるのでお勧めです。

足首回しも足首の曲げ伸ばしも、足首の関節をゆるめて、リンパ節の詰まりを解消し、リンパの流れを促進します。

※両足とも5回繰り返す

画像4: 「リンパマッサージ」のやり方

④ふくらはぎから、太もものつけ根までたたく

最後に、ふくらはぎから太もものつけ根まで、こぶしを作り、下から上へとまんべんなくたたきます。

たたいたときの適度な振動により、リンパや血液の流れをよくし、たまっている老廃物を分散させ、筋肉をゆるめます。たたく手技は、刺激が行き渡りやすく、簡単で楽に効果が得られるのでお勧めです。

※両足とも5回たたく

画像5: 「リンパマッサージ」のやり方

足の筋肉を鍛えるには歩き方も重要

リンパマッサージは、1日に何度行っても問題ありません。やればやるだけ、効果は早く表れます。できれば1日2、3回こまめに行うことをお勧めします。それでも効果はじゅうぶん実感できるはずです。

注意点としては、お酒を飲んだとき、血液循環がよくなっているぶん、酔いが回りやすく、気分が悪くなる人がまれにいるので、マッサージは控えるようにしてください。

もう1つ、下肢静脈瘤の改善には、歩き方も重要ですよと指導しています。

それは、かかと→足の小指→足の親指の順に地面に着く歩き方です。

こうすることで、足の筋肉が鍛えられ、足指が使えるようになります。そして、詰まっていた足の骨がゆるむのです。

今回ご紹介したリンパマッサージと合わせて、毎日意識して歩くようにすれば、より早く効果を実感できるはずです。

また、下肢静脈瘤が改善するだけでなく、足のラインがきれいになるうれしいおまけもついてくるでしょう。

画像: この記事は『ゆほびか』2019年7月号に掲載されています。

この記事は『ゆほびか』2019年7月号に掲載されています。

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