なぜ、黒酢ラッキョウには体によい作用があるのでしょうか。私は、黒酢とラッキョウが持つ健康効果によるものだと考えています。黒酢もラッキョウも、血流を高める作用が確認されています。ここでは、漢方から見た体にやさしいラッキョウの食べ方を紹介しましょう。【解説】山浦卓(横浜漢方サント薬局薬剤師・医学博士)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

山浦卓(やまうら・たく)

横浜漢方サント薬局薬剤師・医学博士。医学的根拠に基づく「薬食同源」の考え方を駆使し、相談者に合った養生法を提案。独自の健康食品の開発を行いながら、大学で天然生薬や機能性食品の研究を続ける。漢方薬も含め、なるべく薬に頼らない症状改善や健康づくりを目指している。

黒酢ラッキョウとは

黒酢ラッキョウ」とは、黒酢とハチミツを用いた汁に、ラッキョウを漬けたものです。20年以上前に私の父・山浦計介が考案しました。

父は、学生時代に恩師から「ラッキョウは体によい」と勧められていたそうです。その後、黒酢の健康作用を知ったさいに「ラッキョウを黒酢に漬ければ、もっと体によいはずだ」と直感。試行錯誤の末に商品化に成功しました。

当時、試作品を食べたお客さまのなかには「心肥大が元に戻った」というご婦人がいたそうで、彼女の担当医から「どんな漢方薬を使ったのか」という問い合わせまであったのだとか。

ほかにも、黒酢ラッキョウを継続して食べている人からは、狭心症の発作が起こらなくなった、ぜんそくが治った、しつこいセキや高血圧が改善したなど、さまざまな声が寄せられております。

ラッキョウの季節になると、私はラッキョウの漬け方の講習会も開催しています。なかには70kgものラッキョウを漬けるかたもいます(黒酢ラッキョウの作り方は下記参照)。

血流を高める効果

ではなぜ、黒酢ラッキョウにはこのような体によい作用があるのでしょうか。私は、黒酢とラッキョウの双方が持つ、強力な血流改善効果によるものだと考えています。

私が作る黒酢ラッキョウは、鹿児島県産の壺作り純米黒酢を使用しています。この黒酢は、血液中の赤血球のしなやかさ(赤血球変形能)を高める作用が確認されています。

赤血球は、全身の細胞へ酸素を運んでいます。そのサイズは直径約7~8μm、厚さ約2~3μm。中央がくぼんだ潰れたアンパンのような形をしています。 これに対し、体の末端にある毛細血管の内径は約5~6μm、微小血管に至っては約2~3μmしかありません。

この狭い血管を通るさいに、赤血球は、形を大きく変形させます。中央をくぼませて袋状になり、身をよじらせ、血管の内壁にズリズリと体表をこすりつけながら進みます。その刺激で酸素が血管壁へ浸透し、周囲の細胞へ行き渡るのです。

赤血球のしなやかさが不十分だと、酸素はすべての細胞に行き渡りません。近年の研究では、血流の途絶えた毛細血管は消滅することもわかっています。

人間の体を構成する細胞の数は約37兆個。そのうち赤血球の数は約24兆個です。全細胞の、実に3分の2が酸素の運搬役である赤血球なのです。それだけ私たちの体は酸素を欲しているということなのでしょう。

指先のしびれや肩こり、頭痛など原因のわからない不調の多くも、血流の悪さからくる細胞の酸素不足によるものではないかと私は考えています。

そういった症状も、黒酢ラッキョウを食べ続けていると、いつの間にか解消しているかたが少なくありません。

次にラッキョウですが、ラッキョウの独特なにおい成分である硫化アリルや、硫化アリルが変化したアリシン、ジスルフィドは、血液中の血小板が集まりすぎる(血栓化)のを防ぎます

つまりラッキョウは、黒酢とは異なる形で血流の改善を促すのです。

画像: しなやかな赤血球は形を変えて細い血管に酸素を運んでくれる

しなやかな赤血球は形を変えて細い血管に酸素を運んでくれる

五臓をいたわり元気に

ほかにも、抗酸化作用に優れたケルセチンや、血圧の安定に役立つカリウムもラッキョウには含まれています。

そもそもラッキョウは、漢方では「薤白(がいはく)」と呼ばれる生薬(漢方薬の原料)です。おなかを温めて血行をよくするため、昔から心臓や肺の漢方薬として重用されていました。

漢方では、食材の性質や味を示す五味(酸・苦・甘・辛・鹹)は五臓(肝・心・脾・肺・腎)に対応し、それぞれを労わると考えます。

前述のようにラッキョウは心(心臓)と肺に対応します。黒酢の酸味は肝(肝臓)に、ハチミツの甘味は脾(脾臓)、その両者が持つ鹹味(ミネラル)は腎(腎臓)に対応します。

五味のすべてを備える黒酢ラッキョウは、五臓のすべてを労わる「食べる漢方薬」と言ってよいでしょう。

黒酢ラッキョウを作るさいですが、黒酢は国・行政の認証印の有無や原材料を確認して選ぶとよいでしょう。

ラッキョウは、「白いダイヤ」と呼ばれる鳥取砂丘ラッキョウを、ハチミツはブドウ糖が少なく血糖値が上がりにくいハンガリー産のアカシア蜜を私はお勧めしています。

黒酢ラッキョウは、薬との相互作用はありません。病気の予防としては朝晩に2粒ずつ、循環器系の病気をお持ちの場合は朝晩各3粒を目安に食べるとよいでしょう。

「黒酢ラッキョウ」の作り方

画像: 「黒酢ラッキョウ」の作り方
画像1: 【らっきょうの漬け方】材料の選び方・体にやさしい食べ方を紹介 漢方流「黒酢らっきょう」とは?

【材料】(ラッキョウ3kg分のとき)
ラッキョウ……3kg
Ⓐ黒酢……1400ml
 本みりん……350ml
 ハチミツ……750ml
 天然塩……100g

画像2: 【らっきょうの漬け方】材料の選び方・体にやさしい食べ方を紹介 漢方流「黒酢らっきょう」とは?

【作り方】
ラッキョウの塊をほぐし、根と茎を切り落とす。
①をボウルに入れ、流水でやさしくもみこむように洗う。

画像3: 【らっきょうの漬け方】材料の選び方・体にやさしい食べ方を紹介 漢方流「黒酢らっきょう」とは?

水を張ったボウルに②を入れ、今度は1粒ずつ、ていねいに洗い、ザルに入れる。
このとき、もったいなくても一皮むいて、砂や泥をしっかり洗い流す。

画像4: 【らっきょうの漬け方】材料の選び方・体にやさしい食べ方を紹介 漢方流「黒酢らっきょう」とは?

ザルに入れたラッキョウを、流水で流して水を切る。

画像5: 【らっきょうの漬け方】材料の選び方・体にやさしい食べ方を紹介 漢方流「黒酢らっきょう」とは?

煮沸消毒、またはホワイトリカーで消毒した保存容器に、水気をふき取った④を入れる。

画像6: 【らっきょうの漬け方】材料の選び方・体にやさしい食べ方を紹介 漢方流「黒酢らっきょう」とは?

Aを鍋に入れ、火にかけ、アクを取り、沸騰直前に火を止める。

画像7: 【らっきょうの漬け方】材料の選び方・体にやさしい食べ方を紹介 漢方流「黒酢らっきょう」とは?

⑥が熱いうちに少しずつ⑤に注ぎ入れる。

画像8: 【らっきょうの漬け方】材料の選び方・体にやさしい食べ方を紹介 漢方流「黒酢らっきょう」とは?

キッチンペーパーと輪ゴムでふたをして、粗熱を取る。熱が完全に冷めたらふたをして、冷暗所で保存する。ときどき、かき混ぜる。2~3ヵ月後からが食べごろ。

画像9: 【らっきょうの漬け方】材料の選び方・体にやさしい食べ方を紹介 漢方流「黒酢らっきょう」とは?

【出来上がり】
出来上がったら、冬場は冷暗所で、春~夏場は冷蔵庫で保存するのがお勧め。いつまでもシャキシャキと歯ごたえがよい。
※好みで、漬け上がり10日間ほどタカノツメを入れても美味。

▼こちらの記事もおすすめ▼

画像: この記事は『安心』2019年7月号に掲載されています。

この記事は『安心』2019年7月号に掲載されています。

This article is a sponsored article by
''.