【おから納豆の作り方】継続して食べるメリットに便秘解消やダイエット・認知症の予防 朝食に食べるのがおすすめ

美容・ヘルスケア

おからも納豆も主原料は大豆です。大豆には良質のたんぱく質、ビタミンB1、B2、Eに、カルシウム、カリウム、鉄などのミネラルや、食物繊維も豊富です。女性ホルモンと似た働きをするイソフラボン、脂質代謝や脳神経の健康維持に役立つレシチンも見逃せません。【解説】宮田恵(みやた整形外科医院 内科担当)

解説者のプロフィール

宮田恵(みやた・めぐみ)

みやた整形外科医院 内科担当。医師・医学博士。日本医学放射線学会専門医。日本抗加齢医学会認定医。野菜ソムリエ上級プロ。みやぎ食育アドバイザー。医師・野菜ソムリエ上級プロとして、さまざまな分野に、わかりやすい予防医学・抗加齢医学を応用。

たんぱく質をはじめさまざまな栄養が豊富!

私は医師として、整形外科疾患と内科疾患を抱えている患者さんの診療に加え、食事療法や運動療法を楽しく実践する指導を行っています。また、野菜ソムリエ上級プロとして、全国で医食農連携活動、執筆活動、講演活動を行っています。

おから納豆」は、その名のとおり、おからと納豆を組み合わせた物。おからも、納豆も、ともに主原料は大豆です。

大豆は、「畑の肉」ともいわれるように、良質のたんぱく質を含んでいます。ビタミンは、B1B2Eなどが豊富で、カルシウムカリウムなどのミネラルや、食物繊維も含まれています。

女性ホルモンと似た働きをするイソフラボン、脂質代謝や脳神経の健康維持に役立つレシチンといった成分も見逃せません。

その大豆を発酵させた物が納豆であり、天然のマルチサプリメントともいえるくらい、さまざまな栄養・機能性を持っています。

第一に、骨粗鬆症予防に重要なビタミンK2が挙げられます。納豆の消費量が多い地域は、足のつけ根の部分に当たる、大腿骨頸部骨折の発症が少ないという報告があります。

第二として、ナットウキナーゼという酵素に、血液の固まりやすさを抑える作用が期待できます。

そのほか、ジピコリン酸という抗菌物質や、アンチエイジング効果が見込まれるポリアミンを含んでおり、さらに納豆菌は腸内環境を改善するといわれています。

それに加えるおからパウダーは、おからを粉末にして乾燥させた物です。生のおからより使い勝手がよく、効率よく食物繊維を摂取することができます。

おから納豆の作り方

【材料】(1食分)
納豆…1パック(約50g)
おからパウダー…大さじ1
(生おからでもよい。その場合は30g)
薬味や海藻(お好みで)…適量

【作り方】
納豆におからパウダーを混ぜる(タレ、カラシを加えてもよい)。
お好みで薬味や海藻などを加え、いただく。

1日1パックを目安に食べる。
そのままでも、ご飯にのせて食べてもよい。
朝食にとるのが効果的。

満腹感が得られて食べ過ぎを防ぐ!

おから納豆を継続して食べていくことのメリットは、短期と長期の二つのスパンで考えるとよいでしょう。

まず短期的なスパンでは、朝食に食べることで体温が上昇し、勉強や仕事などの効率が上がります。また、食物繊維の力で、腸のぜん動運動(便を送り出す動き)が活発になり、便通がよくなります。

長期的なスパンで考えると、ダイエットに役立ちます。

おからパウダーは、水を吸うと、約3~5倍に膨らみます。このため、満腹感が得られやすく、かつ、腹もちがよいので、食べ過ぎを防いでくれます。

また、食物繊維が糖質の吸収を穏やかにし、腸管ホルモンの分泌を整えて、結果、糖尿病予防肥満予防にもつながります。

長期的に考えた場合の効能は、ダイエットだけに留まりません。骨粗鬆症認知症動脈硬化などの予防も期待できます。

これらは、老化のプロセスが影響するものなので、抗酸化、抗糖化、解毒、腸内環境改善など、食事での対策が重要です。

ほかの食材との組み合わせを工夫することで、さらにその効果を高めることができます。

例を挙げると、ネギやニンニク、タマネギなどといったユリ科野菜のイオウ化合物や、大根やワサビなどのアブラナ科野菜に含まれるイソチオシアネート類が解毒効果を高めます。刻むなどして、おから納豆に入れて召し上がってください。

シソやショウガなどの薬味もよいでしょう。シソの香りは気持ちを安定させ、ショウガは体を温め、胃腸機能を整えます。

抗酸化力の高いトマトもお勧めです。いっしょにチーズも加えれば、一転、洋風の味が楽しめます。特にドライトマトは旨みが凝縮され、使いやすいのでお勧めです。

ほかにも、海藻やちりめんじゃこなどの組み合わせも試してみるといいでしょう。

私たちの体は、体内時計によって管理されています。健康維持のためには、体内時計が正しいタイミングでリセットされることが必要です。それができないと、睡眠ホルモンといわれるメラトニンが十分に分泌されず、よい睡眠が取れなくなるのです。

体内時計のリセットに、大切な役目を担っているのが、朝の光朝食です。特に、ご飯(糖質)とたんぱく質(おから+納豆)をとることが、そのリセットにとても役立つのです。

多くの有用な成分を含んだおから納豆ですが、一度食べれば、直ちに効果が現れるというものではありません。重要なのは、食べ続けることです。

ぜひ、いろいろな組み合わせを楽しみながら、朝食の一品に加えてみてください。

※この記事は『壮快』2019年12月号に掲載されています。

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