日本のクラウドファンディングサイトの代表的な存在が、2013年にスタートした「Makuake(マクアケ)」だ。大手IT企業サイバーエージェントの子会社が運営しており、ソニーやシャープなどの有名企業も活用してきた。ここでは、アンカー、ダイキン、オーディーエスとのプロジェクトを紹介する。
応援購入という新しいショッピングの形を生み出した「Makuake(マクアケ)」が今、注目!
ソニー、シャープなどの大手企業も活用したクラウドファンディングサイト
企業などがネットを通じて、支援者に製品の開発費用などを募るクラウドファンディング。以前はベンチャー企業が開発資金を調達する場という意味合いも強かったが、現在は大手企業が続々と参入しており、新しい消費の形としても定着している。
消費者がクラウドファンディングのプロジェクトを支援するメリットは、まず、製品のアイデアに対して提案や意見を届けるなどして、製品化のプロセスに参加できること。もう一つは、無事に製品化が達成された際には、製品を割引価格で購入できたり、一般発売よりも早く入手できたりといった特典もあることだ。
一方、企業にとっては、通常の開発プロセスでは製品化が難しい製品を世に送り出せるほか、製品の潜在需要や市場の規模感などを把握するマーケティング的な意義もある。さらに、クラウドファンディングで注目を集めてから一般発売という流れを、製品の宣伝として活用するケースも増えてきた。
日本のクラウドファンディングサイトの代表的な存在が、2013年にスタートした「Makuake」だ。大手IT企業サイバーエージェントの子会社が運営しており、ソニーやシャープなどの有名企業も活用してきた。
Makuakeでの購入の流れ
サイトURL
https://www.makuake.com/
最近話題の例を挙げると、4K HDR映像と3Dオーディオに対応したスマートプロジェクター「Nebula Cosmos Max(ネビュラ コスモス マックス)」。
これは、モバイルバッテリーなどで有名なアンカーが開発。アメリカのクラウドファンディングサイトで人気を博した後、日本ではMakuakeに掲載。本原稿執筆時点(2020年1月)で6000万円を超える資金調達を実現している。
Makuake注目プロジェクト❶アンカーNebula Cosmos Max
初日だけで約2500万円の購入支援額達成!
価格:14万3984円(先着150台20%オフ価格、3月17日まで)
4K+3D音響対応Android9.0対応プロジェクター
フルHDの下位モデルも同時発売
価格:5万5986円(先着400台30%オフ価格)
プロジェクト期間は終了したが、空調大手ダイキンの「Carrime(キャリミー)」も注目。コンパクトかつ軽量で狭い空間にも設置でき、持ち運びも容易なエアコンで、同社初のクラウドファンディング利用だったが、わずか10日で目標額に達し、商品化が決定している。
Makuake注目プロジェクト❷ダイキンCarrime
開始10日で約1500万円の目標支援額達成!
価格:5万9400円(10%オフ価格、サイトでの販売は終了)
さまざまな場所に持ち運べるポータブルエアコン
そのほか、オーディーエス(旧社名オンキヨーデジタルソリューションズ)の睡眠サポートイヤホン「Neurogixs(ニューロジックス)A1」など、ユニークな製品も多く、ガジェット好きから注目されている。
Makuake注目プロジェクト❸オーディーエスNeurogixs A1
価格:2万9700円(25%オフ価格、2月28日まで)
入眠時の脳波に着目した睡眠サポートイヤホン
Makuakeでは支援者はサポーターと呼ばれ、コメントのやり取りなどを通じ、開発側と一体になったコミュニティが生まれやすい。先行するほど、割安に購入できるのもうれしい。応援購入というネット時代の新しいショッピングスタイルによって、今後も魅力的な製品が生まれてきそうだ。
※価格は記事作成時のものです。
文/加藤肇(フリーライター)