【今映画館がスゴイ】上映方式6種類を紹介!最新の映像&音響システムの実態をレポート

家電・AV

映画館が今、急速に変わりつつある。最近話題なのが、スペシャルな映像・音響方式をを採用したスクリーンが増えていること。臨場感のある新しい立体音響やマルチスクリーン、特殊なシートでの体感型4D上映など実におもしろい。

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[別記事:【ドルビーシネマ・SCREEN X】まだまだ採用館が少ないスペシャルな上映方式を紹介→]

映画館の上映方式は、実に多彩。
話題の映像・音響方式をズバリ解説!

映画館が今、急速に変わりつつある。

約10年前、一部の映画館で従来の35ミリフィルムの映写機を使う方式からデジタルプロジェクターによる上映への変更が開始さされ、現在、全国のほとんどの映画館がデジタル上映に対応する。

映画館自体も、多くが、一つの施設に複数のスクリーン(上映室)を擁するシネコン(シネマコンプレックス=複合映画館)となっている。

シネコンでは、座席は全席指定で、予約はネットで行うのが今や常識。また、シネコンのロビーでは、オリジナルのポップコーンやドリンクが販売されており、劇場内のサービスも以前より向上している。

ネット予約した座席のチケットをシネコンのロビーにある機械で発券するのが今の主流。もちろん、当日券の購入も行える。

今は各チェーンともオリジナルポップコーン/ドリンクが豊富で、客席用の専用トレーも用意するなど、至れり尽くせりだ。

そして、最近話題なのが、スペシャルな上映方式を採用したスクリーンが増えていることだ。

2010年代、各映画館チェーンは通常上映に加え、新たな上映方式に対応できる設備を導入してきた。それらをまとめたのが以下である。


IMAX

基本的に2基のプロジェクターで上映するため、輝度が2倍。最新設備はレーザー光源や4K解像度で、より高画質になっている

映像関連 特殊な映写機を採用し、映像が明るい
音響関連 大型スピーカーで迫力満点

解像度 2K または 4K
3D上映 可能
音響 5.1~12.1チャンネル

【採用館】TOHOシネマズ(新宿/なんばなど)、109シネマズ(川崎/名古屋など)、T・ジョイ(品川など)、グランドシネマサンシャイン(池袋)ほか、全国で36館

TCX

劇場の左の壁から右の壁まで到達する横長のスクリーン。TCXという名称は、「TOHO CINEMAS EXTRA LARGE SCREEN」の略

*他社の大画面規格として「ULTIRA」「BESTIA」などがある

映像関連 TOHOシネマズ独自の大画面規格。視界を覆い尽くす横長の超大型スクリーンが特徴

解像度 (非公表)
3D上映 可能
音響

【採用館】TOHOシネマズ新宿/日比谷/仙台/梅田/熊本サクラマチなど、全国で14館

ドルビーアトモス

壁面のサラウンドスピーカーに加え、天井にも複数のスピーカーを設置する音響方式

音響関連 天井に設置されたスピーカーから音が降り注ぐ

解像度
3D上映
音響 5.1.2~7.1.4チャンネル

【採用館】TOHOシネマズ(新宿など)、イオンシネマ(幕張新都心など)、グランドシネマサンシャイン(池袋)ほか、全国で30館

MX4D

作品の場面に合わせてシートが揺れたり、風が吹いてきたり、光が点滅したりといった特殊効果が施される

*座席が動く方式は、ほかに「4DX」がある

体感型 シートが振動し、風・水滴・フラッシュなどの特殊効果も楽しめる

解像度 2K または 4K
3D上映 可能
音響 5.1~7.1チャンネル

【採用館】TOHOシネマズ新宿/六本木ヒルズ/宇都宮/なんば/岡南など、全国で20館

ドルビーシネマ

上記の「ドルビーアトモス」と4K・HDRの映像「ドルビービジョン」を組み合わせたもの

*まだ対応館が少ない

映像関連 4K・HDRで鮮明かつ広色域の映像
音響関連 音が立体的に移動し、驚異的な没入感を実現

解像度 4K
3D上映 可能
音響 (非公表)

【採用館】MOVIXさいたま、丸の内ピカデリー3、T・ジョイ博多ほか、全国で5館

SCREEN X

場面により、正面のスクリーンに加え、左右の壁面にも映写するため、視界が広がったようになる

*まだ対応館が少ない

映像関連 正面、左壁面、右壁面の3面マルチスクリーンで映像が楽しめる
*まだ対応館が少ない

解像度 (非公表)
3D上映 不可
音響 (非公表)

【採用館】TOHOシネマズ熊本サクラマチ、ユナイテッド・シネマ アクアシティ(お台場/福岡ももち)ほか、全国で7館


まず「IMAX」は、明るい画面とクッキリした3D効果が特徴的。横長画面のシネマスコープサイズよりも縦に長い画角での表現が可能など、独自のスペックで評価が高い。もちろん、2D作品の場合は2Dで上映される。

TCX」は、TOHOシネマズ独自のラージスクリーン規格で、通常のものより大きい画面が魅力(他社のシネコンにも、別の大画面規格がある)。

ドルビーアトモス」は、壁面のサラウンドスピーカーに加え、天井にもスピーカーを設置し、より臨場感のあるサウンドを体験できる新しい立体音響方式だ。

そのほか、特殊なシートを採用した「MX4D」(類似の規格に「4DX」がある)、ドルビーアトモスと4K・HDRの映像を組み合わせた「ドルビーシネマ」、正面だけでなく、左右の壁にも映写する「SCREEN X」などのスペシャルな上映方式がある。

さらに、上映中に観客が声を出していい「応援上映」や「みんなで歌おう」といったイベント的なものもあり、映画館ならではの体験ができる機会が増えている。

●取材協力/TOHOシネマズ株式会社

※この記事は『特選街』2020年3月号に掲載されたものです。

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特選街web編集部

1979年に創刊された老舗商品情報誌「特選街」(マキノ出版)を起源とし、のちにウェブマガジン「特選街web」として生活に役立つ商品情報を発信。2023年6月よりブティック社が運営を引き継ぎ、同年7月に新編集部でリスタート。

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