私は長年、うつ病やパニック障害、自律神経失調症に苦しんでいました。「頭皮ゆるめマッサージ」は、ヨガのレッスンで教えてもらったり、整体師の方への取材で教えてもらったりしたものです。実践した結果、私自身も大きな効果を感じました。【体験談】崎田ミナ(イラストレーター・漫画家)
プロフィール
崎田ミナ(さきた・みな)
群馬県出身。武蔵野美術大学短期大学部グラフィックデザイン科卒業。漫画家業を3年ほどリタイアするが、ヨガ通いによって心身の健康を徐々に回復。ananwebにて『がんばらない!体メンテ』日経ヘルスにて「体と心をときほぐすマッサージ」を連載中。『すごいストレッチ』(エムディエヌコーポレーション)など著書多数。
長年飲み続けた薬も不要になった
私は、今は元気にイラストレーター・漫画家として活動していますが、実は長年、うつ病に苦しんでいました。
薬を服用することでなんとか仕事を続けていたのですが、うつ病だけではなくパニック障害や自律神経失調症も患ってしまい、とうとう仕事はおろか、日常生活もままならなくなってしまったのです。約8年間、一進一退の状態でした。
その状態を打破するためのきっかけとなったのは、夫に勧められて通い始めたスポーツジムのヨガのレッスンです。
最初は、病気をよくするためには体を作り直さなければならない、ということはわかっていても、うつのために体が動かせず、1カ月に1度通うのがやっとでした。
それが、ヨガを教えてくれるインストラクターのかたがたやレッスンの雰囲気などが私に合っていたのでしょう。だんだんとヨガを楽しいと思えるようになったことで、通うスパンが短くなっていき、1週間に1度程度は通えるようになりました。
すると、なんと1年後にはうつ病の症状が改善し、長年飲んでいた薬や、ほかに処方されていた婦人科の漢方薬も飲まなくてよくなったのです。
当時は、なぜよくなったのかわかりませんでした。おそらく、体を動かすようになったことと、ヨガの呼吸法などで体のケア方法を学ぶことができたおかげでしょう。
体がよくなったことで、気持ちも前向きに変化しました。この経験から、心身の健康を保つためには、いかに体のケアがたいせつかを、私は学んだのです。
幸いなことに、私が通っていたヨガのレッスンでは、ヨガだけではなく、いろいろな体のほぐし方やマッサージ法を教えてくれたので、教えてもらったことを家でも行い、体のケアを心掛けるようにしました。
「頭皮ゆるめマッサージ」とは
眼精疲労も和らぎ視界が明るい!
今回ご紹介する「頭皮ゆるめマッサージ」は、ヨガのレッスンで教えてもらったり、整体師の方への取材で教えてもらったりしたものです。実践した結果、私自身も大きな効果を感じました。
頭の横には側頭筋という筋肉があります。この筋肉は、歯を食いしばったり、我慢することなどがあったりすると、すぐ硬くなる特徴があります。
頭皮も同じで、考え事やストレスなどがあると、すぐカチカチに硬くなってしまうのですが、肩こりなどと違い、頭がこっていることには、なかなか自覚できません。
私も頭皮のこりを自覚していたわけではなかったのですが、頭皮ゆるめマッサージをやってみると、頭の横や後頭部がイタ気持ちよく、私が気がついていなかっただけで、頭がとてもこっていたことを実感しました。
私は、このマッサージ後は、頭全体がフワーッと軽くなってスッキリし、目の疲れも和らいで視界が明るくなります。
このマッサージは、首こりや肩こりの緩和にもなるので、いくらもんでもよくならないと思っている人にお勧めです。
そのほか、蓄積されたストレスや、イライラした気持ちが落ち着くのを実感しています。
実は、このようなリフレッシュ効果やリラックス効果は、マッサージをしている環境と時間によって異なります。
リビングや仕事場などで、3分以内で行うと、スッキリするリフレッシュ効果が得られます。
薄暗い寝室などで5〜10分程度行うと、リラックス効果が得られます。リラックス効果を得たいときは、照明は明るすぎないほうがいいでしょう。
頭部の緊張が和らぐので、寝る前に丁寧に行うと睡眠の質も変わって、ぐっすり眠れるようになります。
美容面では頭皮の血行をよくするので、髪の毛もイキイキしてきます。顔の表情筋は頭皮とつながっているので、頭皮の血流がよくなることによって顔の表情も自然に和らぎます。
顔のむくみがとれ、こわばった表情がなくなり、目もパッチリ開きます。
頭皮ゆるめマッサージのやり方
やり方のコツとしては、マッサージに集中して、息が止まらないように、ゆっくりした自然な呼吸で行うことです。
そして、意識していただきたいのは、ちょうどいい力加減でマッサージするということ。
マッサージは痛いくらいの力加減でやったほうがいいと思われるかもしれませんが、それは実は逆効果。自分が気持ちいい、と思うくらいの力加減で、様子をみながらやってください。
私がマッサージを行うタイミングは、お風呂に入ったあとなどです。仕事が立て込んでいるときには、リフレッシュのために、1〜2分程度の短時間で行います。
頭皮ゆるめマッサージの仕上げに、両手の指先で、頭部全体をトントンと軽くタッピングしたり、シャンプーするようにギザギザに動かしてマッサージしたりするのも、さらにスッキリするのでお勧めです。
目のかすみがよくなりむくみも軽減
ネットや本を見て私のSNSに来てくださったかたからは「頭が重いときにやるとスッキリした」「目のかすみもよくなってビックリ」「顔の血色がよくなった。顔のむくみも軽減される」「とても気持ちよくて、頭の力が抜けていく」といった感想をたくさんいただきました。
頭は我慢やストレスが表れやすい場所です。肩こりと違って気づきにくい頭皮のこりを感じることができ、「案外考えすぎているんだな」とか「ストレスがたまっていたんだな」といった、精神面の発見にもつながり、セルフケアの指標としても使えます。
肩こりや首こりを感じている人はもちろん、心身がお疲れの人、考えごとが多い人、ストレスやプレッシャーがある人、事務や机仕事をされている人、編み物やアクセサリー作りなど、細かい作業をしている人にもお勧めです。
スマホやテレビの見過ぎで目の疲れている人やネコ背が気になっている人も、ぜひやってみてください。
頭が楽になると、ビックリするほど、全身も楽になりますよ。
ただし、頭痛がある人は、頭皮ゆるめマッサージで血流がよくなることによって頭痛が悪化してしまうことがあるので、注意してください。
もし行う際は、様子をみながら、短時間から始めてください。
耳のマッサージも行うと効果倍
頭皮ゆるめマッサージをご紹介しましたが、次は「耳」のマッサージをご紹介します。「なぜ耳?」と思われるかもしれませんが、このマッサージも頭皮ゆるめマッサージ同様、非常にお勧めです!
試しに耳を外側に引っ張っていただきたいのですが、頭の筋肉が動くのがおわかりいただけるでしょうか。ここを動かすと、頭の筋肉がゆるんで気持ちよくなるのです。
何より、耳は非常に持ちやすい部位で、マッサージしやすいところです。それに頭皮ゆるめマッサージと違い、髪型などを気にせずに、いつでもすることができます。
ですので、もしかしたら日中はこちらのマッサージのほうが行いやすいかもしれません。
耳はツボの宝庫ですし、少しやるだけでも血行がよくなるので、効果をすぐ実感いただけると思います。
脳の血流アップにもつながるので、眠気を感じた際に行えば、頭がスッキリし、目が覚める効果もあります。また、耳が冷えすぎると頭痛や肩こりにつながる人もいますので、マッサージをすることでこれらの予防にもつながります。
ぜひ頭皮ゆるめマッサージと合わせて耳のマッサージも行い、スッキリした頭で楽しい毎日を過ごしてください。