こむら返りが起こったとき、最初に行いたいのは縮んでいる腓腹筋を伸ばすこと。ふくらはぎをゆっくり引き伸ばすストレッチが有効です。予防策としては、ストレッチ、足のマッサージ、水分補給、養豊富な食事、薬の見直しの併用がお勧めです。【解説】久手堅司(せたがや内科・神経内科クリニック院長)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

久手堅司(くでけん・つかさ)

脳神経内科専門医、総合内科専門医、頭痛専門医、脳卒中専門医。医学博士。2013年8月、東京・二子玉川に「せたがや内科・神経内科クリニック」を開院。天候と不調の関係に注目した「寒暖差疲労外来」「気象病・天気病外来」の他、「自律神経失調症外来」「頭痛外来」などの特殊外来を立ち上げている。著書に『最高のパフォーマンスを引き出す自律神経の調え方』(クロスメディアパブリッシング)がある。

ふくらはぎを伸ばせば激痛も早く治まる

こむら返りの激痛は、筋肉のセンサーが誤作動を起こし、腓腹筋というふくらはぎの筋肉が縮むことで起こります。

では、その強烈な痛みが襲ってきたら、どうすればいいのでしょうか。ここでは、こむら返りが起こったときの対処法と、こむら返りを起こさないための予防策をご紹介します。
 
まずは、突然こむら返りが起こったときに、痛みを早く治める対処法です。

こむら返りが起こったとき、最初に行いたいのは、縮んでいる腓腹筋を伸ばすこと。そのため、ふくらはぎをゆっくり引き伸ばすストレッチが有効です。

運動直後など、立っているときにこむら返りが起こったり、立ち上がれる程度の痛みを感じたりする場合は、アキレス腱を伸ばす要領でストレッチを行うとよいでしょう。

就寝中や、立ち上がれないほどの痛みがある場合は、こむら返りが起こった方の足を伸ばして座り、手で足の指をゆっくり引き寄せてください。

体が硬い、肩が痛いなどの理由で手を使うのが難しければ、壁に足の裏をつけて、ふくらはぎを伸ばす方法もあります。

ふくらはぎストレッチのやり方

立って行う場合
立っているときに起こった場合や、痛みが軽く、立ち上がれる場合は、こちらがお勧め。アキレス腱を伸ばす要領で、ふくらはぎを引き伸ばします。

画像1: ふくらはぎストレッチのやり方

足を前後に開き、アキレス腱を伸ばすような姿勢をとる。このとき、つった方の足を後ろに置く。
前足の太もも部分に軽く手を置き、ゆっくりと体重をかける。
痛みが治まるまで行う。
※予防として行う場合、運動の前後や就寝前などのタイミングで1~2分行う。

座って行う場合
寝ているときに起こったり、立ち上がれないほど強い痛みを感じるときは、こちらがお勧め。足の指先をゆっくりと手前に伸ばし、ふくらはぎをストレッチします。

画像2: ふくらはぎストレッチのやり方

つった方の足を前に出し、足の指を持つ。
足の指をゆっくりと体側に引き寄せ、ふくらはぎを伸ばす。
痛みが治まるまで行う。
※予防として行う場合、運動の前後や就寝前などのタイミングで1~2分行う。

足の指が持てないときは……
体が硬いなどの理由で足の指が持てない場合は、つった方の足を壁につけて伸ばすとよい。また、近くにタオルがあれば、タオルを足の指に引っかけて、足の指を体に引き寄せるのもお勧め。

画像3: ふくらはぎストレッチのやり方

薬の飲み合わせや生活習慣の改善で予防を

次に、こむら返りの予防策をご紹介します。

こむら返りの原因は、血行不良筋肉疲労ミネラル不足などさまざま。そのため、次の方法を併用するのがお勧めです。

予防策1 ストレッチをする
前述のストレッチは、こむら返りの予防にも有効です。それに加えて、股関節足の裏が張っている人は、その部分もよくほぐしておくとよいでしょう。

ストレッチは、運動する前後に1~2分程度行うのがお勧めです。「ストレッチ→運動→ストレッチがワンセット」を合言葉に、欠かさず取り組むようにしてください。

特に、中高齢者の場合は、小さな動作で足に疲労がたまりやすくなります。きつめの運動をする際はもちろん、日常的な外出や散歩の前後にも、ストレッチを行いましょう。

夜中に足がつるという人は、就寝前にも行うと安心です。

予防策2 足のマッサージ
マッサージは、足の血行がよくなるので、こむら返りの予防に効果的です。足全体を軽く手でさするようにして、優しく行ってください。入浴中などに行えば、心身ともにリラックスできます。

このとき、ふくらはぎはもちろん、足の裏をもんだり押したりするのもお勧め。足の裏のこりや緊張は、こむら返りを招く要因になるからです。

特に、足の裏を触って痛い場所は、こむら返りと関係している可能性が高いです。その部分を重点的にもみましょう。

足の裏をもむ時間がない場合でも、日常生活の合間に足を刺激する方法があります。いすに座りながら、テニスボールを足の裏で転がす、歯磨き中に青竹踏みをする、などを行えば、らくに足の裏をほぐせます。

予防策3 水分補給
脱水症状は、こむら返りの誘因になります。気温が高い時期や、運動・入浴時だけでなく、日頃からこまめに水分を補給しましょう。

同時に、カルシウム・マグネシウム・ナトリウム・カリウムなどの、ミネラルを補給することも大事です。短時間で大量に発汗したときには、市販のイオン飲料を飲むのも有効です。

ただし、糖分を含む飲料水の場合は、飲み過ぎに注意してください。

予防策4 栄養豊富な食事
ミネラルバランスのくずれは、こむら返りを引き起こす原因です。緑黄色野菜や、ヒジキ・ワカメなどの海藻類など、ミネラルが豊富な食材を、積極的にとりましょう。こむら返り以外にも言えますが、バランスのよい食事を心がけてください。

予防策5 薬の見直し
こむら返りは、薬の副作用が原因になることがあります。特に、複数の薬を飲んでいる場合は注意が必要。飲み合わせによっては、こむら返りが起こる可能性が高まるからです。

たくさんの薬を飲んでいる、または、新たな薬を飲み始めてからこむら返りが増えた、という場合は、一度主治医に相談してみてください。

また、単剤でこむら返りが起こるケースもあります。例えば、利尿作用がある薬。この場合、水分不足が原因で、こむら返りが起こりやすくなります。

あまりにひどいときは、この場合も一度、主治医に伝えてみるのがいいでしょう。

こむら返りを予防するコツ
1. ストレッチ
運動前後や就寝前に、1~2分行うのがお勧め。
2. 足のマッサージ
ふくらはぎだけでなく、足の裏ももみほぐす。
3. 水分補給
日頃からこまめに水分を補給する。糖分を含む市販のイオン飲料の場合は、飲み過ぎに注意!
4. 食事
緑黄色野菜や海藻など、ミネラル豊富な食材をバランスよくとる。
5. 薬の見直し
薬の飲み合わせや、利尿作用がある薬に要注意。あまりにひどい場合は、一度主治医に相談を。

 
こむら返りが起こる原因は、生活習慣や運動不足、服用している薬の飲み合わせなど、人によって異なります。

「最近、こむら返りの回数が増えた」という人は、これを機に日頃の生活を見直すのもよいでしょう。

また、これらの予防策を行っても効果がないという人は、他に何か原因が隠れているかもしれません。その場合は念のため、一度病院で受診することをお勧めします。

■この記事は『安心』2020年7月号に掲載されています。

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