今回筆者が訪れたのは『Saunalab(サウナラボ)神田』。名古屋・福岡の誰もが知る名店「ウェルビー」グループが、サウナの本場・フィンランドに限りなく近い体験を!と2017年から展開する新業態です。待望の東京初上陸となる本店は、4月26日にオープンしたばかりのフレッシュな空気感に溢れていました。
サウナラボ神田ってどんな場所?
セルフロウリュ可能な本格的フィンランドサウナ
『Saunalab(サウナラボ)神田』は、2021年4月26日に営業をスタートした本格フィンランドサウナ。まるでロウリュ用の桶に入っているような雰囲気の「OKE SAUNA(桶サウナ)」と、斬新なレイアウトが目を引く「IKE SAUNA(池サウナ)」の2タイプがあり、まったく違った側面からサウナを楽しめる造りに仕上がっています。一方は男性用、もう一方は女性用となっていますが、毎週水曜日に男女フロアがシャッフルされるため、日を変えて「池」と「桶」を両方楽しむことも可能です。
ここサウナラボ神田には「OKE SAUNA」「IKE SAUNA」のほか、フィンランドの森をイメージした「FOREST SAUNA」と日本古来の蒸し風呂に着想を得たソロサウナ「からふろ」と、さまざまサウナが完備されています。もちろん、すべてセルフロウリュ可能です。
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同日オープンの神田ポートビルは「ウェルビーイング」×「アカデミック」の “ととのう”場をコンセプトに、単なる娯楽施設の枠組みに収まらない「癒やしと学び」を与えてくれる場所として設計されています。サウナラボ以外にも「ほぼ日の學校」や写真館、カフェやギャラリーなどもあり、さながら「文化芸術の複合施設」といった雰囲気です!
サウナの聖地「ウェルビー」だからこそ実現できた、ワンランク上の施設
サウナラボを運営する株式会社ウェルビー(代表取締役社長:米田行孝氏)は、実は現在のサウナブーム以前から業界を牽引してきた、ミシュラン三ツ星のような存在なんです。
フィンランド・ラップランド地方のリアルな空気感を再現するために、なんと業務用の冷凍設備を転用して「ICE SAUNA(アイスサウナ)」という斬新な設備を作ってしまうレベル。その全力投球ぶりには驚かされます。
「街にサウナという木を植え、森を育て、人々を元気にする」を企業理念として掲げるウェルビーが展開する「サウナ界の一歩先」を行く動きから、今後も目が離せません。
もちろん、ウェルビーグループの魅力は挑戦的なスタンスだけではありません。しっかり利用者のことを考えてくれる「圧倒的なホスピタリティの高さ」こそが最大の魅力。
アメニティの一つひとつから接客、施設の導線に至るまでユーザー目線に立って「ととのいやすさ」を追求してくれているのが、心をくすぐるポイントです。筆者もコロナ以前は、わざわざウェルビーのサウナに入るため名古屋と福岡を訪れるほど、その魅力に取り憑かれていた側の人間でした…。
だからこそ、今回の都内上陸は信じられないぐらい嬉しかったです。同じ気持ちのサウナー、多いのではないでしょうか?
「完全予約制」だから安心して利用できる
コロナ禍の2021年にオープンしたサウナラボ神田では、社会情勢を踏まえて感染症対策も徹底的に取り組んでいます。完全予約制での営業となり、利用の際にはWebサイト上での事前決済が必要です。
各時間帯(90分制)の客数も限られており、サウナ室内が混雑する心配もありません。スタッフ・利用者の双方を最小人数に抑え、いわゆる「三密リスク」を取り除くための努力が最大限に凝らされている印象です。ただ、「今からなんとなくサウナに行きたいな」というタイミングで利用できないのは少し残念ですが…。
なお、予約は6日前から可能ですが、土日祝日や利用直前といったタイミングでは既に売り切れということも珍しくないようです。筆者も何回かトライして、ようやく1枠を平日のお昼に確保できました。なにかと接触が気になるこの頃、事前決済でスマートに利用できるタイプの施設は好印象です。
まるで「大自然の中」にいるよう…サウナラボ神田をレポート!
サウナラボ神田のシステムについて整理できたところで、ここからはライター松島が実際に利用して分かった魅力をお伝えしていきます。
エントランスから既に間違いなし!な雰囲気
サウナを求めて神田ポートビルにやってきたのは、午後2時を過ぎたあたり。外は残念ながら雨降り模様で低気圧…と、コンディション的にはかなり厳しいところでした。そんなときこそサウナでリフレッシュ。期待を胸に、そそくさと入店しました。
エントランスにはバリエーション豊かなサウナハットを始めとした「サウナ専用グッズ」が展開されていました。店内のアメニティに採用されているものも含め、かなりの種類が取り揃えられています。
埼玉の「おふろcafe utatane」や横浜の「スカイスパ」でも、ここまでの品揃えはなかったはず…力の入れようが伝わってきます。
ドラマ「サ道」の劇伴も務める音楽家・とくさしけんご氏の「MUSIC FOR SAUNA」もLP盤で流れています。まさに気分は主人公?
広々とした作業スペースには、サウナ関連の書籍や写真集がズラリ。サウナの代名詞でもある「ヴィヒタ(白樺)」を主役に、過剰にならない絶妙なバランス感の装飾が、雰囲気をより一層高めてくれます。
ワークスペースとしても実は相当優秀。90分の利用時間後にも座ってゆっくりできるという、親切心に溢れた場所となっています。ドリンクオーダーなども可能なので居座りたくなりますが、ご利用はほどほどに。
リラクゼーションスペースは、木目のナチュラルな質感を活かした流線美が魅力的なレイアウトに。サウナ後のひと休みとも相性抜群な、優しい空間が広がっていました。
家に欲しくなるスペースです。最近、本気でサウナ系のリクライニングチェアが欲しくなってきました…。
受付時に渡されるレンタルハットの写真も、お裾分けします。今回、ちょうどサウナハットを持参するのを忘れてしまい、凹んでいたタイミングだったので嬉しい驚きでした。
ロゴ入りハット、シンプルながら本格的な造りになっておりオススメです。買い替え時のヘビーサウナーの方は、ぜひ1枚購入してはいかがでしょうか?
なお、これより先は写真撮影禁止となっているため、あとは文章で魅力をレポートしていきます。
3つのサウナと-25℃のアイスサウナで整いMAX!
身体を清めたら、いよいよ1セット目。まずは、90℃前後のパワフルなセッティングが嬉しいOKE SAUNAから。セルフロウリュを1掬いかけただけで、圧倒的に体感温度が上昇していきます。
ここサウナラボ神田で一番感動したのが、ロウリュ後の熱気と香りの拡散性の高さです。
そもそも、サウナで最も重要になる「熱」は、足元から頭上に向かって上昇していく性質を持ちます。そのため、足先はそんなに暖まっていなくても、ツラいと感じることが多いのです(だからこそ、サウナハットが役立ちます)。
逆に言えば、設定温度がいくら高くても、ストーブの位置によっては十分な熱を感じられないことも珍しくありません。それに対し、サウナラボ神田では「座面」を1.5mほど底上げすることでストーブの位置を極力下げ、より多くの熱を全身で感じられるような空間デザインを行うことで、アンサーを返していました。完璧です。
結果、普段は10~12分ほどサウナ室に居座る自分でも、7~8分で限界に。慌ててシャワーを浴び、念願のアイスサウナへ飛び込みました。こちらは水風呂ではなく、いわゆる冷凍室タイプのスポットになるのですが、なんと設定温度は-25℃!水風呂とは全く異なる、全身を包まれるようなクールダウンを体験できます。
サウナ浴は「サウナ→水風呂→休憩」のループで成立する、というのは説明不要ですが、アイスサウナはこのうちの「水風呂~休憩」をシームレスに繋ぎ、個々の垣根がグラデーションのように曖昧になる不思議な体験を与えてくれました。長尺のDJセットを観ている感覚に近いです。何言ってるんだろう?
そういった雑念が浮かんでは消え、浮かんでは消え…を繰り返し、2セット目には王道の「FOREST SAUNA」、3セット目には唯一の個室となる「からふろ」をチョイス。特に「からふろ」は畳敷きの室内や「狭さ」を逆手に取った落ち着き、枕付きで横たわれる居心地の良さ…と大満足のクオリティ。
あえて照明を絞り、薄暗く演出された室内は、茶室か?懺悔室か?といった雰囲気です。自然と心を無にして、ひたすらサウナと向き合う時間が続きました。
ちなみに、和を思わせる「からふろ」はお茶、「FOREST SAUNA」はミントや木々を思わせる香り、そして「OKE SAUNA」は王道のヴィヒタ水と、各部屋ごとに異なるフレーバーが使い分けられていました。
ここまで拘っている施設は、日本にはまだ無いのでは?アメニティのシャンプーやボディソープも、豊かな香りながら決して派手すぎない絶妙なフレグランスでした。
まとめ
サウナラボ神田、都内初上陸のプレッシャーに負けるどころか、近郊の施設を脅かす勢いの名店でした。「予想をはるかに超えた満足が確実に得られる場所だ」と断言できるほどです。普通の温浴施設とは異なり、「サウナ専用」の当店には温泉やジャグジーといった設備はありませんが、逆に言えば「サウナ一本」でここまで施設の色をユーザーに伝えられることが圧倒的。ぜひ一度足を運んでみてください。