オートキャンプの花形といえばキャンピングカーですね。憧れている人も多いのではないでしょうか。しかし、価格や維持費の面でなかなか実行に移せない人も多いはず。また「車を長時間泊めることのできる場所」も必要となってきます。今回は、キャンピングカーのシェアリングと車中泊スポットの予約ができるCatstay(カーステイ)をご紹介します。
Carstay(カーステイ)とは
キャンピングカーのシェアリング・車中泊スポットの予約ができる
そろそろ鍋物が恋しくなる季節。山も紅葉が綺麗な時期に入ります。レッツ アウトドア、レッツ キャンピングと言うのは、ありありなのですが、夏と違い気温が下がると体への負担が増えます。こんな時、テントの隣に避難所があるととても便利です。そう「クルマ」ですね。オートキャンプの花形というと、キャンピングカー。一度は堪能してみたいキャンピングカーですが、価格、維持費ともかかりハードルが高いのも事実。
それをシェアして楽しみませんかという提案をしている会社があります。「Carstay」がそれです。しかし、この会社のメインは、キャンピングカーのシェアリングではありません。車中泊スポットのシェアリングがメイン。ちょっと面白いですね。本日は、そんな視点を持つ「Carstay」のサービスをレポートします。
車中泊のメリット
自由度が少ない日本
昔々、昭和の終わり、まだ学生だったころ、北海道をバイクで 3週間ばかり旅をしたことがあります。基本は、ユース、民宿他、安い宿ですが、一部は野宿です。
私も、富良野の駅で寝たことがあります。駅員さんがいなくなるのを見計らい、ベンチに横になって寝るのです。駅泊というやつです。これ、通報されます。見逃してもらえることもあるかもしれませんが、捕まりますからね。学生の特権「無鉄砲な自由」を振りかざしても国家権力にはかないませんよ。
これは気ままなバイクツーリング。こんなことができるのはバイクが小さいからです。泊めていても邪魔にならないので、見逃してくれるからです。もちろん集団はNGですけどね。これがクルマだったらどうでしょうか?、人目に付くところだと、いつもと違うということで、警察に通報されますね。人目に付かないところは、お巡りさんの見回りでチェックされるのではないでしょうか?
アメリカだと、町から外れると、無限の荒野。適当にクルマを止めて寝ていても、怒られないですよね。しかし、いくらバイクは小さいとはいえ、長時間止めて置けるのかというと、まぁ無理ですね。通報もさることながら、トイレの問題があります。こればかりは、そこら辺でしてしまえということはできません。狭い日本では絶対問題になります。
日本は、かなり不自由なのです。
車中泊には「泊める場所」が必要不可欠
では日本全国、至るところに車中泊できるとどうでしょうか?色々なところへ行くのがすこぶる便利になります。疲れたらクルマを停める。場合によっては、そこで寝てしまう。黒色のカーテンを装備すると、夜明けで強制的に起こされることもありません。しかも、何時までにホテルに着かなければならないということもありません。
また、コロナ禍の今だと、一番感染し難い旅行方法とも言うことができます。特に、マスクができない幼児、乳幼児がいる方にはとっても便利です。
クルマに長時間いられる駐車スペースがあると余裕度が違ってきます。
「カーステイ」が提案しているのは、クルマを「動く」スペースではなく、「動かない」スペースとしての有効活用。駐車時、クルマを放置するのではなく、クルマを活用してしまおうというもの。新しい考え方と言えます。
車中泊スポットを貸す・借りる
駐車場や空き地を貸せる
車中泊で使えそうな、駐車場、空き地をお持ちの方が、有料で自分の土地を使っても良いと考えた時、実は一つ条件があります。それは500m以内に使えるトイレがあることです。水場でも、炊事場でもなくトイレなのです。ゴミは袋に詰める、水はクルマだと常備も可能です。バッテリーを工夫すれば、レンチンも可能でしょう。
しかし、ままならないのは、トイレです。しかし、ここでいうトイレは公衆トイレを意味しません。自宅のトイレを貸すのもありなのです。
車中泊スポットの使用料は?
最低は500円/泊だそうですが、あとはロケーション、サービスによって変わります。中には、5000円を越すものもあります。オートキャンプ場は、ここにも登録されていますが、当然、正規料金です。
キャンピングカーのシェアリング
Carstayのスポットシェアの事業は堅調でしたが、次のような声がよせられたそうです。
「安価にシェアしてくれるキャンピングカーはないのか?」
「キャンピングカーを持っているのだが、使う日数が少なくで、維持が大変。誰かとシェアしたい。」
このような声でした。
例えば、Nレンタカーで、W-Aクラス、ステップワゴンを借りようとしたら、24時間で20,900
円。以降15,400円/日の追加料金だそうです。ちなみにキャンピングカーがある営業所もあり、それだと23,980円/日(メンバー料金)だそうです。以降 1日ごとに23,980円/日です。また、利用は25歳以上、かつ免許取得後3年以上経過している方に限るなどの制限がつきます。
そこでカーステイが始めたのが、キャンピングカーのシェアリング。価格はピンキリで安いと1万円を切るモデルもありますが、主力は15,000円前後。
さらに、こちらは標準品ではなく、オーナーの知恵と情熱がたっぷり詰まっています。愛車ですから、当然です。問題は、シェアする人とされる人の距離。オーナーのところまで借りに行くわけですから仕方ないです。しかし気に入ると、リピーターになる場合が多いとのこと。オーナーではないにせよ、何度も使うとある種、愛着が湧きますからね。
今、一番多いのはキャンピングオーナーが一番多いのは神奈川県だとか。そしてスポットが多いのは三浦半島。三浦半島は、中央に横浜横須賀道路(通称:横横)が走っているので、使い勝手も割といいですし、自然も多いし、飯も美味い。海岸もいっぱいあります。これから、魚にも脂がたっぷりのります。そういえば、「美味しんぼ」で山岡氏は三浦半島でノビルをたっぷり摘んでいたような覚えがあります。紅葉は遅いですが、いいところですよね。
まとめ
この秋は車中泊キャンプを楽しもう
昭和はモノを買う時代でした。平成は家にモノがある時代と言えると思います。そして令和。シェアしながら豊かに過ごす時代になりつつあるように思います。お金をかけて楽しむところ、かけずに楽しむところ、メリハリを付けるのが令和流のような気がします。
またキャンプに興味があるけど、踏み切れない人にも車中泊キャンプはお勧め。日常を持っていけるので、ギチギチじゃないぶん楽です。この秋は安く、面白く、シェアリングで遊んでみませんか?
◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。