お酒と料理の相性を楽しむ「ペアリング」。そこで、ビール、チューハイ、日本酒、ワイン、ウイスキー、焼酎に合わせるべき、最強のおつまみレシピを、書籍『いつものお酒を100倍おいしくする 最強おつまみ事典』の著者で発酵料理家の真野遥さんに教えていただきました。ぜひお試しください!
解説者のプロフィール
真野遥 (まの・はるか)
発酵料理家。1990年生まれ。法政大学人間環境学部卒業後、商社勤務を経て、飲食店のキッチンや料理研究家アシスタントの経験を積み、料理家として独立。現在は東京、京都を中心にレシピ開発やメディア出演、日本酒ペアリングが学べる料理教室の主宰など幅広く活動中。著書に、『手軽においしく 発酵食のレシピ』(成美堂出版)がある。好きなお酒はビールと日本酒。旬の食材を使ったおつまみを合わせるのが好き。
本稿は『いつものお酒を100倍おいしくする 最強おつまみ事典』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。
イラスト/スケラッコ
監修/數岡孝幸(東京農業大学応用生物科学部醸造科学科准教授)
ビールの最強のおつまみ
衣サクサク中身ふっくら
塩麹でふっくらあじフライ
■合うビールタイプ:
黄金系・スーパードライ
■ペアリングのパターン:
中和
材料(2人分)
あじ(三枚おろし)┈1尾分
塩麹、酒┈各小さじ2
小麦粉、溶き卵、パン粉、揚げ油┈各適量
作り方
(1) あじは小骨を取り除き、塩麹と酒をまんべんなくまぶして冷蔵庫で30分ほどおく。
(2) (1)の水けをペーパータオルで拭き取る。小麦粉を薄くまぶし、溶き卵をからませ、パン粉をまぶす。
(3) (2)を170℃に熱した油できつね色になるまで揚げる。器に盛り、お好みでウスターソース、貝割れ大根、レモン、練り辛子を添える。
くーっ、たまらん!
ふわとろニラ玉
■合うビールタイプ:
黄金系・スーパードライ
■ペアリングのパターン:
相乗効果
材料(2人分)
卵┈3個
ニラ┈1束
ごま油┈小さじ4
Ⓐ塩┈少々
醤油┈小さじ1
鶏がらスープの素(顆粒)┈小さじ1/2
水┈大さじ1
作り方
(1) ボウルに、卵、Ⓐを入れて混ぜる。
(2) ニラは3cm長さに切り、フライパンにごま油小さじ2を中火で熱し、1分ほど炒める。
(3) (1)に(2)を入れて軽く混ぜる。
(4) (2)のフライパンにごま油小さじ2を強火で熱して、(3)を入れて半熟になるまで炒める。器に盛る。
ラー油でアジアンテイストに
トマトのラー油カプレーゼ
■合うビールタイプ:
黄金系・スーパードライ
■ペアリングのパターン:
相乗効果・中和
材料(2人分)
トマト┈1個
モッツァレラチーズ┈1/2個
食べるラー油(市販品)┈大さじ2
醤油┈小さじ1
パクチー(ざく切り)┈適量
作り方
(1) トマトとモッツァレラチーズは7〜8mm幅の半月切りにし、器に交互に並べる。
(2) ボウルに食べるラー油と醤油を混ぜ合わせ、(1)にかける。パクチーを散らす。
チューハイの最強のおつまみ
酢+醤油+黒胡椒のタレで
ごろごろ玉ねぎのジューシー餃子
■合うチューハイタイプ:
レモンサワー・辛口
■ペアリングのパターン:
相乗効果・中和
材料(20個分)
豚挽き肉┈200g
玉ねぎ┈1/2個
ごま油┈小さじ6
餃子の皮┈20枚
サラダ油┈小さじ4
醤油、酢、粗挽き黒胡椒┈各適量
Ⓐにんにく(すりおろし)┈小さじ1
生姜(すりおろし)┈小さじ1
醤油┈小さじ1
塩┈小さじ1/4
粗挽き黒胡椒┈小さじ1/2
作り方
(1) 玉ねぎは半量をすりおろし、半量を粗みじん切りにする。
(2) ボウルに豚挽き肉、(1)のおろし玉ねぎ、Ⓐを入れ、粘りけが出るまで揉む。ごま油小さじ2、玉ねぎ粗みじん切りを加えてふんわりと揉む。
(3) (2)を餃子の皮で包む。
(4) フライパンに油小さじ2を入れて強めの中火で熱し、(3)を10個並べる。底面がきつね色になったら、水100ml(分量外)を注いで蓋をし、中火で4分ほど蒸し焼きにする。
(5) 蓋を外して水分を飛ばし、ごま油小さじ2をまわし入れて軽く焼く。残りの(3)も同様に焼く。
(6) 器に(5)を盛り、醤油、酢、黒胡椒をつけていただく。
ふっくらサクサク
カキフライ らっきょうタルタル
■合うチューハイタイプ:
レモンサワー・辛口
■ペアリングのパターン:
相乗効果・補完・中和
材料(2人分)
牡蠣┈150g
小麦粉┈適量
溶き卵┈適量
パン粉┈適量
揚げ油┈適量
Ⓐヨーグルト(無糖)┈50g
玉ねぎ(みじん切り)┈大さじ1
らっきょう甘酢漬け(みじん切り)┈30g
ゆで卵(みじん切り)┈1/2個分
作り方
(1) Ⓐのヨーグルトはペーパータオルを敷いたザルの上に乗せて1時間ほど水切りする。ボウルにⒶを入れ、混ぜ合わせる。
(2) 牡蠣は塩、片栗粉適量(分量外)をまぶしてやさしく揉む。よく水洗いし、ペーパータオルで水けを拭き取る。
(3) (2)に小麦粉、溶き卵、パン粉を順につけ、160℃に熱した油できつね色になるまで揚げる。
(4) 器に(3)、お好みでレタスを盛り、(1)を添える。
【関連記事】→ペアリングとは?お酒と相性の良いおつまみの選び方
日本酒の最強のおつまみ
カリッと焼いて甘辛ソースをまとわせて
チキンソテー マーマレードのソース
■合う日本酒タイプ:
フルーティー
■ペアリングのパターン:
中和・相乗効果
材料(作りやすい分量)
鶏もも肉┈1枚(約300g)
塩┈小さじ1/2
胡椒┈適量
オリーブ油┈大さじ1/2
白ワイン┈大さじ2
Ⓐレモン汁┈大さじ1
マーマレード┈大さじ1と1/2
醤油┈小さじ1
作り方
(1) 鶏肉は繊維を断ち切るように全体に切り込みを入れ、2等分に切り分ける。両面に塩、胡椒をすり込み、下味をつける。
(2) フライパンにオリーブ油を中火で熱し、(1)の鶏肉の皮面を下にして焼く。アルミホイルを上にのせ、水を張った鍋などで重しをしながら、弱めの中火で6〜7分焼く。皮がこんがりと焼けたら、ペーパータオルで軽く脂を拭き取り、上下を返して2分ほど焼く。火が通ったら取り出す。
(3) (2)のフライパンに白ワインを入れ、焦げつきをこそげながらさっと煮立てる。Ⓐを加えてとろみがつくまで煮詰めたら、火からおろす。
(4) 鶏肉を切り分けて器に盛り、(3)のソースをかける。お好みでベビーリーフを添える。
作り置きもできます
たことセロリのマリネ
■合う日本酒タイプ:
フルーティー
■ペアリングのパターン:
相乗効果
材料(2人分)
ゆでだこ┈150g
グリーンオリーブ┈10個
セロリ┈1本
Ⓐ塩┈小さじ1/2
レモン汁┈大さじ2
はちみつ┈大さじ1
胡椒┈適量
オリーブ油┈大さじ2
作り方
(1) たこはそぎ切りにする。グリーンオリーブはスライスする。セロリは斜め薄切りにする。セロリの葉は飾り用に少し残しておく。
(2) ボウルにⒶを入れてよく混ぜ、(1)のセロリの葉以外すべてを加えて混ぜる。ラップを表面にぴったりとかぶせ、冷蔵庫で1時間ほどおく。
(3) 器に(2)を盛り、セロリの葉を飾る。
ワインの最強のおつまみ
ごちそう感あるけど実は簡単
ポークソテー いちじくとバルサミコのソース
■合うワインタイプ:
赤ワイン・樽熟成
■ペアリングのパターン:
調和
材料(2人分)
豚肩ロース肉(とんかつ用)┈2枚
塩、黒胡椒┈各少々
小麦粉┈適量
いちじく┈2個
オリーブ油┈大さじ1
バター┈10g
Ⓐ赤ワイン┈大さじ2
バルサミコ酢┈大さじ1と1/2
醤油┈大さじ1/2
はちみつ┈大さじ1/2
作り方
(1) 豚肉は筋切りし、塩、黒胡椒をし、小麦粉を薄くまぶす。いちじくは軸を切り落とし、くし形に切る。Ⓐは混ぜておく。
(2) フライパンにオリーブ油を中火で熱し、(1)の豚肉を焼く。両面こんがりと焼けたら器に盛る。
(3) (2)のフライパンの油をペーパータオルでさっと拭き、バターを中火で熱して(1)のいちじくを入れ、さっと焼く。Ⓐを加えて一煮立ちさせる。
(4) (2)に(3)をかけ、お好みでクレソンを添える。
樽の香りとチーズの香りがたまらない
ブルーチーズのはちみつがけ
■合うワインタイプ:
赤ワイン・樽熟成
■ペアリングのパターン:
補完・相乗効果
材料と作り方
クラッカーにブルーチーズ適量をのせ、はちみつ適量をかける。
イタリアの定番タパス
ブルスケッタ
■合うワインタイプ:
赤ワイン・ライト
■ペアリングのパターン:
調和
材料(2人分)
ミニトマト┈6個
アボカド┈1/2個
バゲット(薄切り)┈6枚
にんにく┈1/2片
Ⓐオリーブ油┈大さじ1
レモン汁┈小さじ1
ハーブソルト┈小さじ1/4
作り方
(1) ミニトマトは4等分のくし形切りにし、さらに横半分に切る。アボカドは7〜8mm角に切る。
(2) ボウルに(1)、Ⓐを入れて混ぜ、冷蔵庫で冷やしておく。
(3) バゲットをこんがり焼き、にんにくをこすりつける。(2)をのせる。
ふんわり濃厚
レバーパテ
■合うワインタイプ:
赤ワイン・ミディアム
■ペアリングのパターン:
相乗効果
材料(作りやすい分量)
鶏レバー┈200g
牛乳┈適量
玉ねぎ(薄切り)┈1/2個分
にんにく(薄切り)┈1片分
バター┈15g
ローリエ┈1枚
塩┈小さじ1/4
黒胡椒┈適量
赤ワイン┈大さじ3
生クリーム┈100ml
バゲット(薄切り)┈適量
作り方
(1) レバーは脂肪を取り、一口大に切る。流水にさらしながら竹串で血の塊を取る。ボウルに入れ、牛乳をひたひたに注ぎ、冷蔵庫で30分以上おく。水で洗い、ザルにあげる。
(2) フライパンにバター、にんにくを中火で熱し、玉ねぎ、ローリエを入れ、しんなりするまで炒める。(1)を加えて色が変わるまで炒め、塩、胡椒をふる。赤ワインを加えて水分が少なくなるまで炒めたらローリエを取り出す。生クリームを加え、とろみが出るまで煮る。
(3) (2)をブレンダーにかけ、なめらかになるまで撹拌する。粗熱を取り、冷蔵庫で冷やす。
(4) 器に(3)を盛り、粗挽き黒胡椒(分量外)を散らす。焼いたバゲットを添える。
【関連記事】→〈おつまみ簡単アレンジ〉味玉・ポテサラ・からあげに合うペアリング絶品レシピ
ウイスキーの最強のおつまみ
角にも山崎にもオールマイティに合う
レバーのプルーン煮込み
■合うウイスキーの飲み方:
ロック
■ペアリングのパターン:
調和・補完
材料(2人分)
鶏レバー┈200g
ドライプルーン┈6個
牛乳┈適量
Ⓐ水┈150ml
赤ワイン┈75ml
バルサミコ酢┈大さじ11/2
砂糖┈小さじ2
醤油┈大さじ2
みりん┈大さじ2
ローリエ┈1枚
クローブ(ホール、またはシナモンパウダー少々)┈5個
作り方
(1) レバーは脂肪を取り除き、一口大に切る。流水にさらしながら竹串で血の塊を取る。ボウルに入れ、牛乳をひたひたに注ぎ、冷蔵庫で30分以上おく。
(2) (1)を水で洗い、ザルにあげ、厚手の鍋に入れる。Ⓐ、プルーンを入れて中火で熱し、沸騰したらアクを取り、落とし蓋をして弱火で3分煮る。レバーのみ、保存容器に移す。
(3) (2)の落とし蓋を取り、中火で汁けが半量程度になるまで煮詰めたら火を止める。プルーンを煮汁ごと(2)の保存容器に移す。
(4) (3)の粗熱を取り、冷蔵庫に移して1時間以上冷やす。
おつまみにもおやつにも
ナッツの塩バターキャラメリゼ
■合うウイスキーの飲み方:
ロック
■ペアリングのパターン:
補完・対比
材料(作りやすい分量)
ミックスナッツ(無塩)┈50g
砂糖┈30g
水┈大さじ1と1/2
バター┈3g
塩┈ひとつまみ
作り方
(1) ナッツはフライパンで軽く乾煎りする。
(2) バット(もしくは皿)の上にクッキングシートを敷く。
(3) フライパンに砂糖、水を入れて中火にかけ、時々ゆすりながら煮詰める。水分が少なくなり全体的に茶色っぽくなったらバターを加え、さっと煮立てる。(1)を加えてからめ、(2)の上に広げる。塩をふり、粗熱が取れて固まるまで、10分ほどおく。
コンビニおやつで高級呑み気分
ドライフルーツ
■合うウイスキーの飲み方:
ストレート
■ペアリングのパターン:
対比
ポイント
ドライフルーツのぎゅっと濃縮した甘味と旨味には、ウイスキーストレートがうってつけ。このペアリングによって、ウイスキーのビターなニュアンスとドライフルーツの甘味がうまく対比し、おいしさがじわりじわりと広がります。
焼酎の最強のおつまみ
肥後もっこすが愛してやまない
辛子れんこん
■合う焼酎タイプ・飲み方:
麦焼酎・水割り
■ペアリングのパターン:
調和
材料(作りやすい分量)
れんこん┈2節 (200〜300g)
酢水┈適量
揚げ油┈適量
Ⓐ白味噌┈100g
練り辛子┈10g
パン粉┈大さじ3
Ⓑ小麦粉┈45g
水┈70ml
ターメリックパウダー┈少々
作り方
(1) れんこんは皮をむき、酢水にさらす。
(2) 鍋にたっぷりの水(分量外)を沸かし、酢少々を加え、(1)を入れて7〜8分、やや硬めにゆでる。バットに取り出し、立てた状態で冷ます。
(3) ボウルにⒶを入れて混ぜ、(2)の断面を押しつけるようにして、Ⓐを詰める。はみ出したⒶは拭き取る。ペーパータオルを敷いたバットに立てておき、軽くラップをかけて、冷蔵庫で6時間ほどおく。
(4) (3)の飛び出た味噌を拭き取って竹串で刺し、混ぜ合わせたⒷにくぐらせ、160℃に熱した油で4〜5分揚げる。粗熱を取り、1cm幅に切って器に盛る。
フライパンでもおいしく作れる
塩焼き鳥
■合う焼酎タイプ・飲み方:
麦焼酎・お湯割り
■ペアリングのパターン:
調和
材料(4本分)
鶏もも肉┈1枚(約300g)
長ねぎ┈1本程度
塩┈小さじ1/3
ごま油┈大さじ1/2
作り方
(1) 鶏肉は塩をまぶして10分おき、水けを拭き取り、12等分に切る。長ねぎは3cm幅に切る。
(2) 竹串に鶏肉3切れ、長ねぎ2切れを交互に刺す。鶏肉の皮面の向きをそろえる。同様に全部で4本作る。
(3) フライパンにごま油を中火で熱し、(2)の鶏肉の皮面を下にして並べてこんがりと焼き色が付くまで焼く。裏返して蓋をし、弱火で3分焼く。
(4) 器に(3)を盛り、お好みで一味唐辛子をかける。
卵黄をつけて召し上がれ
しそ入り月見つくね
■合う焼酎タイプ:
芋焼酎
■ペアリングのパターン:
相乗効果
材料(2人分)
片栗粉┈小さじ2
卵┈1個
青じそ┈5枚
長ねぎ┈7〜8cm
生姜(すりおろし)┈小さじ1/2分
サラダ油┈適量
Ⓐ鶏挽き肉┈200g
酒┈小さじ2
塩┈小さじ1/4
Ⓑ醤油┈大さじ1
みりん┈大さじ1
酒、砂糖┈各大さじ1/2
作り方
(1) 青じそ、長ねぎはみじん切りにする。卵は卵黄と卵白に分ける。
(2) ボウルにⒶを入れ、粘りが出るまでこねる。(1)の卵白半量、片栗粉を加えてこね、青じそ、長ねぎ、生姜を加えてさらにこねる。手にサラダ油適量をつけ、4等分にし、それぞれ細長く丸める。
(3) フライパンに油小さじ2を中火で熱し、(2)をこんがりとするまで焼く。裏返し、蓋をして弱火で4〜5分焼き、一度取り出す。
(4) (3)のフライパンをさっと拭き、Ⓑを入れて中火にかける。とろみがつくまで煮詰めたら(3)を戻し入れ、さっと煮からめる。
(5) (4)はお好みで串に刺し、器に盛る。(1)の卵黄、お好みで青じそを添え、白ごまを散らす。
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本稿は『いつものお酒を100倍おいしくする 最強おつまみ事典』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。本書では、ビール、チューハイ、日本酒、ワイン、ウイスキー、焼酎、梅酒、ジン、ラム、ウオッカ、テキーラまで、それぞれのお酒にぴたりと合う最強おつまみレシピが満載。飲みたいお酒からおつまみを引けて簡単にペアリングできる、超おすすめの良書です。とことん家呑みに寄り添った幅広いお酒のペアリングをご紹介していますので、飲みたいお酒に合う料理がきっと見つかります。詳しくは下記のリンクからご覧ください。
※〈焼酎の基本〉つくり方や分類・ラベルの読み方・ 味わい別「合うおつまみ」を紹介の記事もご覧ください。